Surface Book 2は2017年11月発売。MicrosoftのSurfaceシリーズの中で最高のパワーを有する万能ノートPCです。
まず手に持ったときの感覚が「冷たい」
マグネシウム合金のボディはひんやりとしていてそして頑健です。
そして電源ボタンを押して10秒待つと、映し出されたディスプレイの美しさに圧倒されます。
価格は高いですが、ユーザーの大きな期待に応えるだけの品質を兼ね備えたパソコン。そんなSurface Book 2のレビューを以下で詳しく書いてみたいと思います。
◆レビュー機のスペック
・CPU:Core i7-8650U
・メモリ: 16GB
・SSD: 1TB (PCIe)
・ディスプレイ: 13.5インチ 3000 x 2000 10点マルチタッチ対応
・グラフィックス: Nvidia GeForce GTX 1050
・サイズ、重さ: 312 x 232 x 15-23 mm、
・USBポート: USB-C x1、USB-A x2
・インターフェイス: SurfaceConnect、フルサイズSDカード、ヘッドフォンジャック
・オフィス: Office Home & Business Premium プラス Office 365
・別売り:Surfaceペン
最新の第8世代Core i7を搭載し、メモリは16GB。SSDの容量も1TBと十分です。
そしてグラフィックスにはNdiviaのGeForce GTX 1050を搭載しており、ゲームや動画編集などの高い負荷にも耐えられる性能を有しています。
この構成は、Surface Book 2で選択できる最高のスペック。
ゆえに価格も39.7万円(税込)とかなり高額となります。
ちなみに一番安いCore i5モデルだと20.1万円と最強スペックの半額に近いレベルまで安くなります。
◆デザイン、見た目
カラーはシルバーのみ。
金属の重厚感がある筐体で、とても頑丈な作りになっています。
重さは1.64kgなのでモバイルノートというにはちょっと厳しい重さです。
しかし写真のように片手で持つことも可能です。
電源ボタンはディスプレイ上部の側面についています。
SurfaceBook2はディスプレイ部分が分離できます。
キーボードにあるこのボタンを押すと、ガチャと音がしてディスプレイが外せる状態になったことを知らせてくれます。
外したディスプレイはそのままタブレットとして使用できますし、反対向きにして再度キーボードとドッキングさせることも可能です。
ヒンジ(接合部)はこんな感じ。
ドッキングはうまく接合部を合わせる必要があるのでちょっと慣れが必要です。
あとGeFoce GTX 1050はキーボード部分に搭載されているのでタブレットモードだとグラフィックス性能を活かすことはできないという点も注意が必要です。
液晶ディスプレイは非常に美しいです。
少なくともぼくが見た中では最高クラスの美しさです。
普通のノートPCだとFHDといって1920×1080の解像度ですが、SurfaceBook2は3000×2000の高精細液晶です。
グレアタイプなので写り込みが少しありますが、ギラつきはないので目にも優しい液晶です。
コントラストは1600:1、輝度は370~380nits。どちらも高い水準にあると言えるでしょう。
電源用のコードはとても特徴的な形状です。
マグネット式で電源ポートに近づけると自然にくっついてくれます。
◆Surfaceペンがとても快適
Surfaceペンは別売りのオプションになります。
約1.3万円ほどですが、ぜひセットで買いたいところです。
このペンは4096段階の圧力感度があり、繊細なタッチに応えてくれます。
特にWindowsアプリのPaint 3Dでカリグラフィーペンを選択して文字を書くと素晴らしい体験をすることができました。
全く書道を習ったことのないぼくでも、ここまで書けます。
今までタブレット用のペンは、ちゃんと書けるかどうかで評価していましたが、Surface用のペンはそんな次元ではないということがよくわかりました。
これは本当にすごいです。このペンで書道を本格的にやってみようかと思うくらいです。
無料アプリで水彩画を始めることもできます。
写真はアプリが用意してくれたお手本の上からなぞっているところ。
ぼくみたいに絵心のない人間にピッタリです。
Surfaceペンは単なるペンではなく、芸術的な趣味に目覚める可能性を秘めたツールだと言えます。
他にも通常のGoogleの検索窓に検索したいワードをペンで直接打ち込むこともできたりと、ペンの便利さはとどまることを知りません。
◆SSD、処理速度
内蔵されているSSDの型番はSamsungのMZFLW1T0HMLHでした。
ベンチマークをとると以下のようになります。
シーケンシャルリードは2700MB/s超と高速です。
4Kランダムアクセスも良い数値です。
電源ボタンを押してからデスクトップ表示までは約12.8秒かかりました。PCIeタイプのSSDとしてはやや遅めです。
さらなるテストしていくつかの画像を合成して1つの画像を構成するという処理を行ってみました。専用のソフトを使った作業でSSDやCPUなど複合的な処理速度をチェックするためのテストです。
以下条件の違う4つのPCでのテスト結果です。
1.Core i5-7200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-7260U、メモリ8GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約49秒
3. Core i7-8550U、メモリ20GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約33秒
4.Core i7-8650U、メモリ12GB、SSD1TB(PCIe)、GTX1050
処理にかかった時間:約33秒
最後4番目の結果が本機の結果です。3番目は富士通のLIFEBOOK WU2/B3です。
この2つはCPUやGPUではSurfaceBook2の方が上ですが、この画像編集作業においてはほぼ同じ処理速度でした。
GTX1050のパワーがもっと寄与するかと思っていたので少し期待外れですが、それでも2年前の買ったミドルスペックのパソコンよりは段違いの速さがあることがわかりました。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
剛性があり、たわむことが一切ないキーボードはとても打ちやすいです。
またキーに適度な反発力があるので、とても心地よい打鍵感です。
キー配列もオーソドックス。キーボードはバックライト付きです。
タッチパッドは10.5×7.0cmと広く、操作性も良いです。
クリックするとけっこう大きめな音がするので、タップがおすすめです。
◆GeForce GX1050でゲーム
Surface Book 2はGeForce GTX1050を搭載しているのである程度のゲームは快適にプレイ可能です。
試しに
・Final Fantasy XIV 紅蓮の解放者(FF14)
・Final Fantasy XV ロイヤルエディション(FF15)
の2つのゲームでベンチマークをとってみました。
FF14の方は、1280×720、高品質(ノート)という設定でスコアは9918
「非常に快適」という評価でした。
一方、2018年3月に発売予定のFF15 ロイヤルエディションでは
1280×720 標準品質でスコアは3733(普通)
1920×1080 標準品質でスコアは2322(重い)
という評価でした。
FF15ロイヤルエディションの方は予想以上にグラフィック性能が必要のようです。解像度を落としてようやくギリ・・という感じですね。
FFの公式ページで表示されているGTX1050のベンチマークスコア目安は、今回ぼくがテストで出したスコアをよりも30%くらい上でした。何度かテストしても公式のスコアには届かなかったのは少し気になるところです。
◆インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つ。USB-Aが2つです。
Surface ProやSurface Laptopは、USB-Aが1つだけという仕様でした。
その点Surface Book 2は、USBポートの数が豊富でしかもタイプAとCが揃っているのが良い点です。
フルサイズのSDカードスロットが付いているのも強調したいポイントです。
HDMIや有線LANポートはありません。もし必要なら、変換アダプターを買うといいでしょう。アマゾンとかで売ってます。
◆バッテリー、熱
バッテリーの駆動時間は公称値で最大約17時間。
wifi環境下で動画を流しっ放しにしてみたところ、約7.5時間の駆動時間でした。
まずまず良いパフォーマンスだと言えます。
メールチェックやネットで調べものなど軽めの作業ならもっともつはずです。
1.64kgのSurface Book 2はそんなに頻繁に持ち歩きはしないはずですから、バッテリー性能はそこまで重要ではないと思いますが、それでもいざという時にバッテリーがもつのは安心できるポイントです。
また負荷をかけてもほとんど熱くならないのは驚きました。
細かい点ですが、タブレット単体にも電源ポートがついていて、キーボードのドッキングしていなくても充電が可能です。
◆まとめ
・デザイン ☆☆☆☆
・キーボード、タッチパッド ☆☆☆☆
・ディスプレイ ☆☆☆☆☆
・SSD ☆☆☆
・インターフェイス ☆☆☆☆
・バッテリー ☆☆☆☆
・コスパ ☆☆
短所
・1.64kgでちょっと重い
・価格が高い
長所
・美しい液晶ディスプレイ
・使いやすいキーボード
・インターフェイスが優秀
・Surfaceペンがすごい!
やはり一番のネックは価格でしょう。
最安モデルでも20万、最強構成にすると39万もする高級パソコンです。
しかし「万能ノート」を謳うだけあって、確かにこれさえあればなんでもできると言えるパソコンだと思いました。
特に大きな特徴が、液晶ディスプレイの明るさ、美しさです。
そしてオプションのSurfaceペンの便利さ。
この2つは他のメーカーではマネできない高いレベルにあると言っていいでしょう。
実際ペンとディスプレイで、ずっと遊べます。
アート系の趣味、ビジネスと相性が抜群で、とてもエキサイティングなパソコンだなと感心しました。
普段こうしたレビューでは、決められた項目において弱点がないかチェックしていくのが通常ですが、このSurface Book 2に関しては既存のチェック項目だけでレビューするのは適切ではないなと感じました。
Surface Book 2は多くの可能性を秘めた一台だと言えます。
◆おすすめのカスタマイズ
レビュー機のように最強構成にすると39.7万までいきます。
もちろん予算がある人はこれでもいいのですが、さすがにちょっと高いなあと思う人は、
・Core i7
・メモリ8GB
・GeForce GTX 1050
・SSD 256GB
の26.2万の構成がおすすめです。
メモリとSSD容量を削っていますが、Core i7とGTX 1050はそのままです。
別売りのペンを付けて約27.5万(税込)となります。
ゲームはしないのでもっと安くという人には、
・Core i5
・メモリ8GB
・SSD 256GB
で20.1万まで価格を抑えることが可能です。
全てのモデルでオフィス(Home & Business Premium)が付いてきます。
30日間までなら返品無料。
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