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朝日杯準決勝、羽生-藤井戦の終盤を解説してみる

今日は朝日杯の準決勝で羽生竜王と藤井五段の公式戦初対局がありました。

過去に非公式戦では1勝1敗という対戦成績の両者。とても注目されたカードでしたが、藤井五段が見事な勝利を収めました。

その中で特に印象に残った終盤の局面を振りかえってみましょう。

羽生さんが途中で99銀という意表をつく手を打ったのですが、それがやや疑問手で藤井五段が優勢となっています。

ここでソフトの推奨は22歩成でしたが、藤井五段は44銀と金を取る手を選択。


この手で少し差が縮まり、逆転もあるかな?という展開に。

しかしここから藤井五段は冷静でした。

図で22歩成

最善手です。

先ほど22歩成のタイミングを逃しており、この局面ではさほど効果がないように思える22歩成ですが、実はこれが最善。

同じ角に当てるなら、12龍の方が龍が働くので良さそうに見えますが、それは42金でダメなんですね。

22歩成に以下、43角と進んだのが次の局面。

ここで藤井五段の指した手は、ふわっと74歩

74歩!

なんという手。

こんな最終盤でこんな手が指せるのはさすがというしかありません。

普通は、74銀というようにもっと直接的な手が目につきます。

74銀は詰めろ。

しかしこれには46銀という受けが用意されています。

46銀は55の地点を守りつつ、35へ王様の退路を確保する一手。
そして57の地点を攻める一手にもなっていて、羽生さんからすると逆転への希望となるような一手です。

実際この通りに進めば、羽生さんが逆転勝利を収めていたことでしょう。

その逆転の筋を見切った藤井五段は手持ちの銀を温存し74歩から桂馬を取りにいきました。

この桂馬があれば、55の地点で駒を清算した後に47桂の筋で詰みがあることに気付いたからです。

しかしそうは言ってもこの74歩は、相当な量を読んでいないと指せない手です。

一見すると、ぬるい手に見えますからね~

しかし後から見直すと、羽生マジックを未然に防いだ妙手だとわかりました。

74歩以下は46銀に73歩成と進みました。

これが詰めろ。
受けるなら85飛ぐらいですが、それも66銀と打つ手がまた詰めろ

藤井五段の勝ちは変わりません。

羽生さんは粘らず、79角打と指して首を差し出し、藤井五段は最後即詰めに打ち取った試合でした。

藤井五段は、この後決勝で広瀬八段と対戦します。

この勢いのまま初の棋戦優勝なるか?期待しながら観戦したいと思います。

◆追伸

藤井五段は決勝で広瀬八段に快勝。
見事な優勝を飾ると共に、六段へ昇段を決めました。

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