HPが11月末よりSpectre 13を発売します。
13.3型軽量のモバイルノートで、HPのノートPCではエースを言うべき存在。先代のSpectre 13よりもさらに進化したモデルとなっているようです。
新製品展示会にてその実機を見てきたので軽くレビューしてみたいと思います。
・モデル名: Spectre 13-af000
・OS:Windows Pro
・CPU:Core i5-8250U、Core i7-8550U
・メモリ:8GB、16GB
・SSD:256GB、512GB どちらもPCIe
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920 x 1080)
・サイズ、重さ:約308×225×12.5mm、1.11kg
・USBポート: USB3.1 typeC x3、内2つはThunderbolt3対応
・拡張性: ヘッドフォンジャック
・バッテリー駆動時間: 約11時間15分
OSはWindows 10 Pro、CPUは最新の第8世代KabyLake-Rを搭載しています。
Core i5を選択すると自動的にメモリ8GB、SSD256GBに。またCore i7を選択するとメモリ16GB、SSD512GBという構成になります。
◆セラミックホワイト
まず目がいくのが筐体カラーがセラミックホワイトです。
Spectreシリーズはゴールド系とかゴージャスな感じのイメージカラーを配してくると思っていたので意外です。
このセラミックホワイトは、とても上品な白なので、明るいリビングとかに置くととてもマッチしそうです。
手触りも良く、指紋も付きづらいです。というか指紋は全くわからないと言ってもいいレベルです。
展示会なので、大勢の人がベタベタ触りまくっていたのですが、指紋は全く付いていませんでした。
筐体もさらにコンパクトになり、さらにべセルも細くなりました。
重さは前モデルと同じ1.11kg、とても軽いです。
◆背面のUSBポートがネックか
デザイン面で気になるのは、筐体の側面にUSBポートがないという点です。
これは前モデルも同様で、以前から苦言を呈してきた点です。
USBポートは筐体の背面にtypeCを3つ配置。
デザイン的にはすっきりしますが、使い勝手は悪いと思います。
USB-CからUSB-Aへの変換アダプターが同梱されてはいますが、やはりこの配置が問題です。
運用の際は、USB-Cポートに以下のようなマルチポートアダプターを挿して使うことを想定していますが、標準的なコードの長さだと全部のポートが筐体の後ろに隠れてしまいます。
ぼくは、USBメモリやSDカードなどを介したデータのやり取りをけっこう頻繁にやる人間なのですが、その度に筐体の背面まで手を伸ばすのはかなり面倒です。
率直に言うとこの仕様はどうしても好きになれません。
これについてHP社の担当者に尋ねてみたところ、やはり「デザインを重視しているので」という回答でした。
さらにもしそれが嫌ならHPのSpectre x360の方を買ってほしいということでした。
Spectre x 360は側面にUSBポートが付いていますが、2-in-1のコンバーチブルタイプなのでそれはそれでまた話が変わってくるんですけどね。
ユーザーとしては納得いかない部分もありますが、これはもうHPの信念なので、それを尊重するしかありません。
使い勝手を犠牲にしてもカッコ良さ、美しさを追求する。
そういうPCがあっても良いはずです。
Spectreの他にもMacBook、ZenBook、Surfaceなどは似たようなベクトルを持っています。
一方で、ThinkPad、LIFEBOOK、Let’s Noteなどはそれとは反対の方向性です。
XPSやdynabookはその中間でしょう。
◆SSD
SSDの型番をチェックしたところ、LiteonのCA-8D512という見慣れないSSDでした。
Lite-onの公式ページで確認したところ、シーケンシャルリードが2300MB/s、シーケンシャルライトが900MB/sという公称値。
PCIeとしては平均的な速さでしょうか。
ぼくの知る限りSpectreシリーズは一時期、SamsungのPM961を内蔵していました。
このPM961はシーケンシャルリードが実測で3000MB/s超えという速さを誇っていましたが、今回のLite-onのSSDは残念ながらそれ以下ということですね。
ただこれに関しては、展示機と販売機が同条件になるかどうかわからないので、一応参考程度にとどめておいてください。
まあ仮にLite-onのSSDだとしても体感的には、ほとんど差がないはずです。
◆2016年モデルよりも進化した点
・コンパクトさ
横幅が約1.7cm、奥行きが約0.4cm、小さくなりました。さらにべセルも細くなりました。
・Bang & Olufsenのスピーカーシステム
スピーカーがさらに進化し、よりクリアで大きな音が聞こえます。これは実際に比較してみて驚きました。「とりあえず音が鳴れば良いという次元ではありません」と言うだけあります。
ノートパソコンの音はどうしても籠って聞こえたりするものですが、今回の2017年モデルはヘッドフォンで直接音を聞いてるかのようなクリアな音でした。
・タッチパッド
タッチパッドが広くなり、使いやすくなりました。
一方キーボードはSpectre x360と同じタイプ。右端に「Home」「PgUp」「PgDn」「End」キーが並んでおり、特に「Backspace:はよくタイプミスをしてしまうので慣れが必要です。
写真はSpectre x360のキーボード
◆コスパ
Core i5モデルが16.5万(税込、送料込)、Core i7モデルが19.7万します。
※2017年11月現在の価格です
正直言うと、コスパはあまり良くないです。
DELLのXPS 13はCore i5モデルが12.5万、その他のメーカーをみても12~15万くらいが相場なのでSpectre 13はちょっと高いです。
その分、デザインやオーディオなどに力を入れているのでその点を評価してもらえる人に買ってもらいたい一台と言えるでしょう。
同じSpectreとしてSpectre x360がありますが、こちらは2-in-1の変形ノートで15.4万円~
1.29kgと若干重くなりますが、使いやすさという点ではこちらがおすすめです。