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佐々木五段、ミスのない指し回しで藤井四段の連勝を止める

藤井四段の連勝記録は29でストップ。
止めたのは若手のホープ、佐々木五段でした。

この対局は、佐々木五段が先手の利を生かして序盤からリードを奪い、そのままミスのなく逃げ切った将棋だったと思います。

藤井四段は局後に「完敗だった」とコメントしていますが、それだけ佐々木五段の指し回しが素晴らしかったと思います。

この対局を野球の試合に例えると、こんな感じ。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
佐々木 1 0 0 1 0 0 1 0 0 3
藤井 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

3-1で佐々木五段の勝利。
シーソーゲームではなかったですし、打ち合いにもなりませんでしたが、今の藤井四段に勝つにはこの展開しかないといった感じに見えました。

最終回2アウト1、2塁で一発出れば逆転という場面を作られましたが、盤石の投手リレーで逃げ切りましたというゲームですね。

途中で藤井四段にもチャンスはありました。


図は佐々木五段が58玉と68から1つ王様を寄ったところ。

この58玉は、戦いが起こりそうな前線から玉を早めに退避させた一手で、アマチュアには到底指せない手ですが、ソフト的な評価はイマイチのようでした。

ここで藤井四段にはいろいろ選択肢があります。

85桂と桂馬を逃げる手や、88角成から44角といった手などが有力候補。

その中で85桂はソフトが推していた手でした。

以下86歩、94香となり、

ここで85歩と取るのは98歩成。
85飛と飛車交換でも同飛、同歩、88角成、同銀、98歩成、77銀という進行予想。

これは寄せ合いですね。

やや大味で、形勢が苦しい藤井四段としては自信が持てない変化でしょうか。

それでもソフトの判断は、「他よりもだいぶマシ」という評価でした。

実戦では藤井四段は85桂の代わりに84飛と浮き、93歩成、同香と進みましたが、

ここで佐々木五段に97桂と冷静に歩を払われて、差がじわりと広がりました。

このまま佐々木五段がリードし、終盤へ。

藤井四段が54香と指した局面。

この54香は油断ならない一手で、もし仮に「72と」と指すと、57香成、同玉、79馬が王手飛車になって逆転です。

佐々木五段は持ち時間をたっぷり残していたので、ここで慎重に考えて66角と受けました。

この手は受けだけじゃなく、遠く22や33の地点もにらんだ攻防手です。

実際、この角がいるおかげで藤井四段の王様は右サイドへ逃げれなくなってしまうという変化が生じましたから、この66角が決め手と言ってもいい手でしたね。

投了図は32飛まで。

以下、王様がどこへ逃げても34飛成と金と取りながら王手。
同玉に35金、23玉、24金打、12玉、23銀まで簡単な詰みとなります。

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