LenovoのLegion 570iは2022年6月発売のゲーミングPC
- 15.6型2.4kg
- CPUは2022年のエースCore i7-12700H
- クリエイター向けのディスプレイ
- USBポートや有線LANなどインターフェイスが充実
という特徴をもっています。
ゲーム用としてはもちろん、画像編集や動画編集としても使える万能型パソコンです。
当サイトでレビューしたPCの中では過去最高のパフォーマンスを見せてくれました。
レビュー機のスペック
・Windows 11 Home 64bit
・CPU:Core i7-12700H
・メモリ:16GB (8GBx2)
・ストレージ: SSD 1TB
・グラフィックス: GeForce RTX 3050 Ti
・ディスプレイ:15.6型 (1920×1080)、非光沢、100%sRGB、165Hz
・USB: Thunderbolt 4 x1、USB-C x2、USB-A x2
・インターフェイス: HDMI、有線LAN、ヘッドフォン
・Webカメラ: FHD(1080p)、プライバシーシャッター(電子式)
・顔認証なし、指紋認証なし
・サイズ: 358.8x262.35x19.99~24.05mm
・重量: 2.4kg
レビュー機はCore i7-12700HにRTX 3050 Tiという構成。
CPUは最高、グラボはまあまあといったレベルです。重量級のゲームをやるなら上位のRTX 3060が推奨されますが、中量級までならRTX 3050 Tiでも十分かなと思いました。
9月8日時点での価格は17.1万(税込、送料込)です。
スペックを上げるならRTX 3060、2560×1440ディスプレイまでアップグレード可能です。
※価格の最新情報はLenovoのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはストームグレー。落ち着きのあるグレーで、質感も良いです。指紋も目立ちません。
ゲーミングノートですが、派手派手してなくてシンプルな見た目です。
とは言え、重量は2.4kgあるので持ち運びは厳しいです。リュックなど背負うタイプのバッグに入れて運ぶなら大丈夫ですが、基本は据え置きと考えておきましょう。
後、ACアダプターが大きいです。
手の大きさと比べてもらえるとわかりますが、通常の2倍~3倍くらいのサイズです。
ディスプレイは
・FHD 1920×1080
・アスペクト比 16:9
・非光沢
・リフレッシュレート 165Hz
・輝度(明るさ) 350nit
・色域 sRGBカバー率 100%
という仕様。
16:10じゃないのが1つ残念な点ですが、それ以外はまずまず。
IPS液晶なので、視野角が広く色味も自然です。
リフレッシュレートは165Hzです。
sRGBカバー率100%あるので、本格的な画像編集にも使えるディスプレイです。
最近は本機のようにゲームだけじゃなく、クリエイティブ作業もOKの機種が増えてきています。
良い: シンプルなデザイン
良い: ディスプレイはクリエイター向けの水準をクリア
微妙: 16:10じゃなくて16:9
ベンチマーク
CPUはCore i7-12700H。PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3762
マルチスレッド: 30248
というスコアでした。
マルチスレッド性能もシングルスレッドも非常に高いです。
マルチスレッドは3万超え。初めてみる数字です。
Core i7-12700H搭載機の平均よりも12%高いスコアが出ました。
◆リアルなアプリの快適度
当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。
Essentials(一般的な利用) 9273 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)10208 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 9288 (目安3450)
こちらも過去最高のスコアです。
LenovoのYoga 770とスコアを比較してみます。
Legion 570i | Yoga 770 | ||
CPU | Core i7-12700H | Ryzen 7 6800U | スコア差 |
アプリ起動 | 11109 | 12945 | -14.2% |
ビデオ会議 | 6922 | 8651 | -20.0% |
Webブラウジング | 10374 | 8617 | 20.4% |
表計算 | 13024 | 10511 | 23.9% |
文章作成 | 8001 | 7630 | 4.9% |
画像編集 | 10661 | 13466 | -20.8% |
レンダリング | 12888 | 7358 | 75.2% |
動画編集 | 5832 | 4242 | 37.5% |
軽めの作業ではYogaが優位になることもありますが、負荷の高い作業になるほど、本機の強さが発揮されるようです。特にレンダリング(3DCG作成やゲーム)の性能で大きな差が見られました。動画編集もYogaよりも37.5%ほど良いスコアが出ました。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
CPU | タイム (秒) |
Core i7-12700H | 4.6 |
Core i7-1260P | 5.6 |
Ryzen 7 6800U | 7.1 |
Core i7-11800H | 8.6 |
Core i7-1165G7 | 8.7 |
Ryzen 7 5800U | 12.4 |
Ryzen 7 5800H | 12.7 |
タイムは4.6秒とこれまでで最速でした。
元々インテルとPhotoshopの相性は良いのですが、12700Hでさらにその強さが発揮されています。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。。
機種 | CPU | タイム(秒) |
Legion 570i | Core i7-12700H | 40.4 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 59.8 |
DAIV 5P | Core i7-11800H | 65.9 |
Zenbook S 13 OLED | Ryzen 7 6800U | 67.5 |
IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H | 79.4 |
Pavilion Aero 13 | Ryzen 7 5800U | 92.6 |
タイムは40.4秒とこれも最速タイムでした。
動画書き出しも強いです。Davinci Resolveの無料版は書き出しにGPUを使用しないので純粋にCPU性能での差となります。
◆ゲーム
最後にゲーム性能に関していくつかテストしてみます。RTX 3050 Tiの最大グラフィックスパワーは95Wに設定されています。
まずは定番のベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)です。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは20956、「非常に快適」という結果でした。
機種 | CPU | グラフィックス | スコア |
Legion 570i | Core i7-12700H | RTX 3050 Ti | 20956 |
DAIV 5P | Core i7-11800H | RTX 3050 | 18971 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | Radeon 680M | 8420 |
ZenBook S 13 OLED | Ryzen 7 6800U | Radeon 680M | 7511 |
中軽量級のゲームは問題ありません。
次は3DMark Time Spy。
上位のRTX 3060とは差がありますが、まずまずのスコアです。GTX 1660 Tiを少し上回る性能が出ています。重量級のゲームも設定を落とせば、プレイ可能なレベルです。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
〇画像編集(RAW現像)
〇動画編集
〇ゲーム
まさに万能型パソコンと言えます。
あえてケチをつけるなら、ゲーム特化型ではない、クリエイティブ特化型ではないというくらいでしょうか。もっと尖った機種がいいという人もいるかもしれません。
良い: 動画編集やゲームまで全てOK
良い: 画像編集、動画編集はこれまでで最速タイム
微妙: ゲーム特化、クリエイティブ特化ではない
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.4mmです。
ストロークは平均的、打鍵感もクセがなく良好です。
キー配列はLenovoお馴染みの配列と形状です。
EnterやBackspaceが横をくっついており、見た目は良くありません。
ただ慣れるとそこまで違和感はないです。タッチパッドの操作性も問題なしです。
キーボードにはバックライト付きなので暗い場所で使うときもタイプしやすいです。
微妙: キーボードは普通です。
インターフェイス
ポート類は側面と背面に分かれて設置されています。
USBポートは全部で5つ。USB-Cが3つあり、
・Thunderbolt 4 (転送速度40Gbps)が1つ
・USB3.2 Gen 2 (転送速度 20Gbps)が2つ
となっています。
背面のUSB-CはPD対応(タイプC充電可能)で、映像出力にも対応しています。側面のUSB-Cは映像出力のみの対応です。
あとはHDMIと有線LAN、ヘッドフォンジャックです。ゲーム用ということで有線LAN(RJ-45)があります。
1つ残念なのは、フルサイズのSDカードスロットがないこと。
これがあればクリエイター向けPCとしても満点でした。
ただUSBポートがたくさんあるので、1000円くらいのカードリーダーを買っておけば対応はできます。
良い: USBポート5つ
悪い: フルサイズのSDカードスロットなし
排気音、熱など
ゲーミングノートで気になるのは熱と音。
本機は、熱と音に関して大きな問題はありませんでした。負荷をかけたときのファン音はサーという音がそれなりにします。ただうるさくて困るというレベルではありません。参考程度ですがアプリで測定した音量は42デシベルでした。
熱も許容範囲内でした。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
熱、音 | ☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・指紋認証なし、顔認証なし
・フルサイズのSDカードスロットなし
長所
・Core i7-12700Hの性能をフルに発揮
・画像編集、動画編集、ゲーム、全てOK
・USBポートが4つ
・コスパ良し
SDカードスロットがあればクリエイター向けPCとしても満点だっただけに惜しいです。ただUSBポートが豊富なので比較的軽微なマイナスと言えるでしょう。
あと気になるのは生体認証なし。ログイン時は少し手間です。こちらはコストカットがモロに出ています。
長所は、性能の良さ。
Core i7-12700Hの性能をフルに発揮できており、画像編集、動画編集は圧倒的な速さでした。ディスプレイの色域が広いので、クリエイティブな作業をアシストしています。
ゲームも中量級までなら快適で、重量級も設定次第でプレイできます。レビュー機はRTX 3050 Ti搭載でしたが、もしゲーム性能をもっと上げたいなら上位のRTX 3060をおすすめします。
ゲームはそこそこ楽しめればそれでOKなら、レビュー機の構成で十分でしょう。
Core i7-12700H
メモリ 16GB
SSD 1TB
RTX 3050 Ti
sRGBカバー率 100%
で17.1万円(税込、送料込)
コスパも良いです。
9月8日時点では納期も早めです。