HP Specre x360の2017年版は、シリーズ名:HP Spectre x360 13-ac000と呼ばれる変形タイプの2-in-1ノートです。
・前モデルよりも軽量化し1.3kg
・高性能のSSDを内蔵
軽さと性能を両立させたノートPCの長所、短所はどこなのか?
以下じっくりレビューしていきたいと思います。
◆スペック概要
・CPU:Core i5-7200U
・メモリ:8GB
・SSD:256GB PCIe
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920×1080)
・インターフェイス:USB A 3.1、USB C 3.1×2、ヘッドフォンジャック
・サイズ、重さ:約 307x219x14.9 mm、1.31kg
・バッテリー駆動時間:約15時間
レビュー機はCore i5モデル。Core i5、メモリ8GB、SSD256GBという構成は、最近のノートPCで良く見られるものでとてもバランスが良い組み合わせです。
この構成は、Spectre x360の中では一番安いベーシックモデルですが、多くの場合この一番安いモデルで事足りるはずです。
価格は15万円台からとなっていますが、キャンペーン期間中はもっと安く購入可能です。
詳しくはこの記事の最後を参照(価格は時期により変動するので、正確ではないことがあります)。
ちなみに一番高いパフォーマンスモデルは、4Kディスプレイを搭載していますが、バッテリー駆動時間が短くなっています。予算に余裕がある人向けでしょう。
◆デザイン
カラーはアッシュブラックとナチュラルシルバーの2種類。
レビュー機はブラックです。
なんとなくのイメージでHP Spectreは金ピカという印象を持っていたのですが、実際はそうでもありません。
予想よりも大人しいデザインです。
宣材写真で使われるときは派手な壁紙と一緒に映ってるのでその印象が強いせいかもしれません。
こちらは2月に都内のイベントで展示機を撮った写真。
ライトの影響でしょうか、同じ機種、同じカラーなのにけっこう見え方が変わりますね。
筐体の厚みは13.9~14.9mmです。DELLのXPS 13(2017)が15.0mmなので最厚部はほぼ同じ薄さです。
見た目もカッコ良く、カフェでドヤることも可能なノートパソコンだと言えます。
またディスプレイのフレームも細くなっており、13.3型ながら2、3年前の12.5型ノートPCと同じくらいのコンパクトさを有しています。
パームレストがピカピカしていないので指紋が付きにくいのも良い点です。
同じHPのSpectre 13と並んだところ。
Spectre 13よりもSpectre x360の方が指紋が付きにくいです。
Spectre x360は変形させてタブレットとして使用することも可能です。
液晶ディスプレイは光沢ありのタイプなので写り込みがありますが、許容範囲です。
明るくコントラストもくっきり。
◆高速のSSDを内蔵
SSDはPCIe接続の高速タイプです。
今まではPCIeと言っても、体感的にはそこまで差を感じられなかったのですが、今回のSpectre x360に搭載されているSSDはマジで速いです。
SamsungのPM961が内蔵されています。
ベンチマークをとると以下のとおり。
シーケンシャルリードは3000MB/sという速さ。
通常のSATAのSSDが500MB/sですから、いかに高速かがわかります。
体感に寄与すると言われる重要な4Kランダムリード、ライトもSATAのSSDに比べ1.5~2倍に速さが出ています。
電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間を計測したところ、所要時間はわずか9.3秒でした。
これはかなり速いです。
平均的なSSD(SATA接続)だと15秒。HDDなら40秒くらいかかるのが一般的です。それをわずか9.3秒でやってしまうのは、内蔵されているSSDの性能のお陰だと言えるでしょう。
Spectre x360は256GBの容量でも十分高速なSSDを搭載しています。
この点は、特筆すべき長所だと思います。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(間隔)は十分ありますが、キートラベル(深さ)は1.3mmとやや浅めです。ただしフィードバックはしっかりしていて、まずまずの打ち心地でした。
キー配列は少しクセがあって、下の画像のように右端に「Home」「PgUp」「PgDn」「End」キーが並んでいます。
手をホームポジションに置いているときはそこまで気になりませんが、ついクセで右端にあるべきエンターキーを押そうとすると、間違えてしまうことがあるでしょう。
タッチパッドは12 x 6 cmと広め。広くて使いやすいのですが、クリックをする際にやや大きな音がします。
また物理的なボタンがないため、クリックも少しやりづらいです。
タッチパッドをタップするだけでもクリックとして認識してくれますが、それだとたまに「スカる」んですよ。
タップ⇒ たまに反応しない
クリック⇒ パチッ、パチッと音が鳴る
Spectre x360の唯一の欠点が、この入力デバイスにあるとぼくは考えています。
もちろんワイヤレスのマウスとかを使えば、問題は解決しますが、あくまでノートPC本体だけでの評価を付けるとするなら、「キーボード、タッチパッド」項目の採点は厳しめにならざるを得ません。
◆バッテリー
バッテリー駆動時間は良好です。
公称値で約15時間です。wifi環境でabema TVをずっと流したとき、バッテリーは約7時間もちました。
出先でメールチェックしたり、簡単な資料作成などを行うぐらいならもっと長時間もつはずです。休日にベッドの上でダラダラと動画を観るなんて使い方も十分可能です。
◆インターフェイス
USBタイプC(Thunderbolt 3対応)が2つ。それにUSBタイプAが1つ。
HDMIやSDカードスロットはありませんので、もし必要なら各自でアダプターを用意する必要があります。
HPが用意したアダプターは、USBタイプC→HDMI、USBタイプC→VGAなど個別の変換ケーブルしかありませんのでちょっと不親切です。アマゾンでこういう複数のポートに変換可能なアダプターを買うと便利です。
電源ボタンは左側面にあるのですが、これはちょっと押しづらいです。
片手で押そうとすると、筐体自体が動いてしまうので、もう一方の手で動かないように固定して押す必要があります。
◆価格とおすすめモデル
最初の方でも言いましたが、基本的には一番安いベーシックモデルでOKだと思います。
Core i5ならRAW現像など比較的負荷の高い作業もこなせるので、メインPCとして十分なスペックです。さらにSSDの性能が素晴らしいので、起動やWindows Updateなどで待たされることはないでしょう。
現在はキャンペーン期間中なので、ベーシックモデルは14万円台(税込、送料無料)で買えます。(価格は時期によって変動しますので直販ページで確認してください)
またMS Officeが30%割引など、いろいろお得なセット割引もあります。
◆まとめ
・デザイン ☆☆☆☆
・キーボード、タッチパッド ☆☆
・ディスプレイ ☆☆☆☆
・SSD ☆☆☆☆☆
・インターフェイス ☆☆☆
・バッテリー ☆☆☆☆
・コスパ ☆☆☆
1.3kgモバイルノートとして非常に魅力的な一台です。
キーボード、タッチパッドが少し弱いです。
あとポートの種類も少ないので注意しましょう。
一方で、デザインや液晶ディスプレイなどは平均以上。
そしてSSDの性能はずば抜けています。
パソコンに待たされるのが嫌なせっかちタイプの人。
ぼくも同じくせっかちなのでよくわかります。Spectre x360にしとけば間違いないです。
カラーはシルバーもおすすめです。