MicrosoftのSurface Proは2017年発売の2-in-1ノート
先代モデルは皆さんよくご存知のSurface Pro 4
ちょっと紛らわしいですが、
古い方が「Pro 4」
新しいのが「Pro」です。
見た目的にはそんなに変わっていないのですが、実際に使ってみてその凄さを実感しています。
以下では、ぼくが個人的に思う長所と短所を書いてみることにします。
◆見た目、デザイン
「Surface」というと一般的にはタブレット部分とタイプカバー(キーボード)を合わせた形を想像する人が多いかと思いますが、タイプカバーは別売りです。タブレット単体で買っても問題なく使用できます。
タブレットだけでも安定して自立します。
今回からキックスタンドが水平になるくらいまで開くようになったので、例えば膝の上で使うときとかの安定度が増しています。
タブレットとタイプカバーが一体となったところ。
天板側から見たところ。
タブレット部分は片手で軽々持てます。
縦使いも良さそうですね。
液晶ディスプレイは12.3インチで3:2の比率。
今流行りのフレームレスではないものの、解像度は2736×1824で超高精細です。とても明るくてきれいなディスプレイで、写真編集や動画鑑賞で良さそうです。
光沢があるので映り込みがありますが、視野角は広くて横から見ても彩度、輝度の変化が少ないです。
いままでいろんなノートパソコンのディスプレイを見てきましたが、ぼくの中ではSurface Proがナンバーワンだと思います。
◆レビュー機のスペック
・OS: Windows 10 Pro
・CPU:Core i5-7300U
・メモリ:4GB
・ストレージ: SSD 128GB
・グラフィックス: Intel HD 620
・ディスプレイ:12.3インチ (2736×1824)タッチ対応
・インターフェイス:USB3.0 typeA x1、SurfaceConnect、miniDisplayPort、microSD、ヘッドフォンジャック
・サイズ、重さ:約 292x201x8.5 mm、0.77kg(タイプカバー込だと約1.08kg)
・同梱: Office Home & Business 2016 プロダクトキー
レビュー機はCore i5モデルです。
Core i5といってもCore i5-7200Uではなく7300U
Cinebench R15 Multi-Coreのベンチマークスコアは以下のとおり。
Core i5-7200U 334
Core i5-7300U 375
Core i7-7500U 376
ほぼCore i7並みのパワーがあることがわかります。
Core i5モデルでは、
メモリ4GB、SSD128GB
メモリ8GB、SSD256GB
のどちらかを選択できます。
ペンは別売りです。
オフィスはHome & Business 2016が付いています。
メモリ4GB、SSD128GBだと約13.7万円(税込)
これにはペンやタイプカバー(キーボード)は含まれないので必要ならさらに価格はアップします。
もしキーボードを付けると約15.8万となります。
キーボードは、先代のSurface Pro 4と互換性があるので、すでにPro 4のキーボードを持ってる人は買う必要はありません。
Core i5よりもさらに安いCore m3モデルも用意されており、こちらは約11.4万~となっています。
◆インターフェイス(拡張性)
Surface ProのUSBポートは
USB-Aが1つのみ
Surface Laptopのレビューを書いた際にも言及しましたが、さすがにUSBポートが1つだけはさみしいです。
USB-Cが1つというノートPCはたまに見ますが、USB-Aが1個のみはぼくの知るかぎりSurface以外にはないと思います。
SDカードはmicroSDのスロットが背面についています。
別売りのSurfaceドックをSurfaceConnectにつなげると、拡張性の問題は一応解決します。
SurfaceドックにはMini DisplayPorts x 2、LANポート、USB 3.0x 4、 オーディオ端子が完備されています。
しかしこのドックは2万とけっこう高いのがマイナスです。
◆SSD
内蔵されているSSDはSamsungのPM971、型番はKUS020203M-B000でした。
PCIe接続のSSDです。
ベンチマークをとると以下のようになりました。
シーケンシャルリードは1600MB/sとまずまずの速さです。4Kランダムアクセスもまずまず良好です。
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約14.8秒でした。
これに関しては平均レベルです。
ファイル転送とかでタイム計測すれば差が出るはずですが、Windowsの起動に関してはSATAのSSDを搭載したマシンとそんなに差はないという結果でした。
容量は128GBなのでデジカメの画像データなどが溜まると将来足らなくなる可能性があります。
SSD容量は256GB、512GB、1TBまで選択肢があるのですが、1TBとかだとCPUもCore i7、メモリも16GBになり、価格も30万を超えてきます。
といっても、容量のためにわざわざ高いモデルを買う必要はありません。
動画や画像を大量に保存する場合は、外付けのHDDで対応すればとても安く済みます。
◆キーボード、タッチパッド
キートラベル(キーの深さ)は約1.3mm。
タイプカバーと床に隙間を開けて使用すると、タイプ時にぐらつきが生じます。
打鍵感もイマイチです。スペースキーは端を押すと、ふにゃとした感触で反応が悪いときがありました。個体差があるのかもしれませんが、これで長文を書いたりするのは厳しいと感じました。
キーボード脱着タイプの2-in-1は、どのメーカーもキーボードがネックとなります。
ですから、Surface Proだけが特別ダメというわけではありません。
文章を書くことが多い人は、素直に普通のクラムシェル型を選びましょう。Surface Laptopは、打鍵感もまずまずなのでおすすめです。
どうしてもSurface Proがいいという人には、キーボードだけお気に入りのメーカーのものを買ってBluetoothで接続しちゃえばいいと思います。
あんまり大きな声で言うと、Microsoftから怒られそうですが(笑)
タッチパッドは縦の長さが短めで、スクロールのときのスペースがなく窮屈ですが、いざとなれば、ディスプレイを直接タッチできるのが救いです。
◆バッテリー、静音性、熱問題
バッテリーの駆動時間は優秀です。
wifi環境でyoutubeの動画を流してみたところ約8.3時間もちました。
メールチェックや文章作成など、軽めの作業ならもっと長時間もつはずです。
Core i5モデルはファンレス(ファンがない)のでとても静かです。ただし、そのせいか負荷の大きい作業をすると、筐体が熱を持ちます。Windowsの更新があったときは、直後にさわるとちょっと熱かったですが、動画を観てるだけとか、ネットしてるだけとかでは温度上昇はほとんど気にならないはずです。
Core i7のモデルにはファンが搭載されています。画像編集、動画編集などに使用する場合はCPUもパワフルにして冷却システム付きのモデルが安心でしょう。
◆Surface Proならではの使い方
Surface Proは確かに欠点も多いです。
しかし、それらに目をつぶっても欲しいと思わせる大きな魅力があります。
まずキーボードを外してタブレットとして使用する便利さ。
変形2-in-1とは違い、完全にキーボードを分離してディスプレイ部分だけを使えるのでとても軽いです。
重さは0.77kg。
ベッドでゴロゴロしながら動画を観たくなる軽さです。
うつぶせ、横向き、仰向け。一通り試しましたが、どれも快適でした。
動画を観てるだけなら、筐体もそこまで熱くならずに快適です。
おまけに液晶ディスプレイはとても明るく高精細です。動画を観るのもいいですが、3:2の比率を活かし、デジカメで撮った自分の写真を壁紙として使いたくなります。
知っての通り、ぼくは写真が趣味。
でも、普段はパソコンの小さいな編集画面で見るだけでここまで大画面で自分の写真を見ることってないんですよね~
それだけにちょっと感動ものです。
ああ、ここのディテールもちゃんと撮れてるな~とか、この微妙な光の加減もちゃんと再現してくれるよ~とか。
Surface Proの美しいディスプレイが新しい写真の楽しみ方をぼくに教えてくれました。
こんなふうに、Surface Proはこれまでパソコンを長く使ってきた人にも、新鮮さや驚きを与えてくれるパソコンだと思います。
◆総合評価、まとめ
・デザイン ☆☆☆☆
・キーボード、タッチパッド ☆☆
・ディスプレイ ☆☆☆☆☆
・SSD ☆☆☆☆
・インターフェイス ☆☆
・バッテリー ☆☆☆☆
・コスパ ☆☆☆
短所
・USB-Aしかない
・キーボードやタッチパッドはクラムシェル型よりも劣る
長所
・美しい液晶ディスプレイ
・タブレットとしての軽さ
タブレット+タイプカバーという形状なので仕方ない部分もありますが、キーボードやインターフェイスの項目は厳しい評価となります。
一方で、液晶ディスプレイはWindowsノートの中ではベスト1と言えるぐらいの美しさです。
Core i5、ファンレスでもそこまで熱くならないので、ベッドやソファなどで横になりながらタブレットを使うのはとても快適です。
コスパは正直に言うと、あまり良くありません。
レビュー機の構成でタブレット単体だと13.7万ですが、
SSDの容量は256GBがいい。
別売りのタイプカバーを買う。
別売りのペンを買う。
Surfaceドックを買う。
とかやってるといつの間にか、20万円台です。
MS Officeが付いているので価格帯は上がります。予算に限りがある人は、よく用途を考えて、必要最小限の構成にとどめておく方がいいでしょう。
Core i5、SSD128GBという構成にタイプカバーを付けると15.7万円
個人的にはこの辺が1つの落としどころかなという気がします。ちょっと使ってみて、ペンやSurfaceドックもやっぱり必要だとなれば、後から買い足すという感じでしょう。
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Surface Proはこれまで普通のノートパソコンしか使ってこなかった人にぜひ使ってもらいたいパソコンです。