ASUSのZenBook 14 UM425IAは2020年9月発売のモデルです。
- 14型1.25kgのモバイルノート
- CPUはRyzen 7 4700U
- 長時間バッテリー
という特徴をもっています。
先月レビューしたASUS ZenBook 13との違いを簡単にまとめると以下のとおり。
ZenBook 13 | ZenBook 14 | |
CPU | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 4700U |
サイズ | 13.3型 304x203 mm | 14型 319x210 mm |
重さ | 1.15kg | 1.25kg |
価格 | 15.1万 | 12.1万 |
性能面ではそこまで大きな差はないですが、2021年1月時点の価格はZenBook 14の方が3万くらい安くなっています。
ZenBook 13との違いをさらに詳しく見ながら、レビューを書いていきたいと思います。
レビュー機のスペック
・CPU: AMD Ryzen 7 4700U
・メモリ: 16GB (8GB x2)
・SSD: 512GB
・ディスプレイ: 14型 FHD(1920×1080) 非光沢
・グラフィックス: インテル Iris Xe グラフィックス
・USB: USB-C x1 (Thunderbokt 4)、USB-A x2
・インターフェイス: microSDカード、HDMI、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・バッテリーライフ: 21.1時間
・サイズ: 319×210mm×14.3mm
・重さ: 1.25kg
・付属: USBイーサネットアダプター、USBオーディオジャックアダプター
レビュー機はCPUにRyzen 7 4700Uを搭載。メモリは16GB、SSDは512GBというハイスペック仕様です。
オフィス系ソフトとして
・WPS Office Standard Edition
・Microsoft Office Home and Business 2019
の選択肢が用意されています。
WPS Officeの場合、価格は1月9日時点で12.1万円(税込、送料込)です。
※価格は変動することがあるので最新情報はASUS公式のオンラインストアで確認してください。
見た目、デザイン
筐体カラーはパイングレー
室内では暗めのグレーに見えます。落ち着いた色合いです。
天板はZenBookシリーズお馴染みのデザイン。同心円状の模様が入っています。
光沢があるので高級感があります。
重量は1.25kg。ボディの剛性感はまずまずです。
14型ノートとしては軽い方ですが、この態勢だと少し重さも感じます。
液晶ディスプレイは非光沢タイプ。映り込みはなく、目に優しいディスプレイです。
輝度は400nitと明るく視野も広いです。
ベンチマーク
CPUはRyzen 7 4700U
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、14997というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Ryzen 7 4700U 平均値13806
となっています。
レビュー機は平均値より少し上。期待以上のスコアでした。
ちなみに電源から外れてバッテリー駆動時のスコアもとってみると、11934でした。
電源接続時よりもパフォーマンスが落ち、低下率は20%と少し大きめでした。
さらなるテストとしてPCMark10を実施しました。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
Essentials(一般的な利用) 8669 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)7444 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 5111 (目安3450)
すべての項目で目安となるスコアを上回りました。
Core i7-1165G7搭載のZenBook 13と詳細なスコアを比較すると以下のようになります。
ZenBook 13 | ZenBook 14 | |
アプリ起動 | 11870 | 9515 |
ビデオ会議 | 7679 | 8305 |
Webブラウジング | 9017 | 8247 |
表計算 | 6044 | 9187 |
文章作成 | 7720 | 6033 |
画像編集 | 7228 | 7205 |
レンダリング | 2830 | 5195 |
動画編集 | 4749 | 3568 |
IntelとAMD Ryzenでそれぞれ得意、不得意な項目あるようでなかなか興味深い結果です。
Ryzen 7搭載のZenBook 14は、表計算やレンダリングは得意のようですが、アプリ起動や動画編集などはIntelが優勢です。
全体的にはIntel Core i7のZenBook 13の方が優勢ですが、普段使ってる範囲でRyzen 7を不満に感じることは全くありませんでした。
最後にファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ(2019年発売)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件で「快適」という結果でした。
ファイナルファンタジーXIVはやや軽めのゲームですのでこれぐらいなら普通のビジネス用ノートのZenBook 14でも十分楽しめるということです。
以上をわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
○画像編集(RAW現像)
△動画編集
△ゲーム
という目安になるかと思います。
現実のアプリに即したテストではCore i7-1165G7搭載のZenBook 13の方がわずかに優勢ですが、Ryzen 7も十分性能が高いと言えます。
PhotoshopでRAW現像
実際にPhotoshopでRAW現像にかかる時間を計測してみました
いつもように、行う画像処理は2通り。
条件1.何もせずそのまま現像
条件2.テクスチャ+5、明瞭度+5、かすみの除去+5
そして上記の計測タイムの結果が下のグラフになります。
ZenBook 13とZenBook 14を比較しています。棒グラフの赤色がZenBook 13、青色がZenBook 14です。棒の長さが短いほど、タイムが速いということになります。
Core i7-1165G7搭載のZenBook 13の方が、約10%~25%速いタイムでした。
Ryzen 7のタイムも優秀で、ぼくがメインで使ってるCore i5-8265Uの半分くらいのタイムです。
キーボード
キーピッチ(キーの間隔)は横19mm、縦17mmで縦方向にやや詰まってます。
ZenBook 13は縦の間隔がもっと狭く16mmでした。それに比べると余裕があり、タイプ時の違和感も少ないです。
キーストローク(深さ)は1.3mmです。
キー自体の打鍵感はまずまず良好です。
ZenBookシリーズは数年前よりもキーボードがだいぶ改善されていると感じました。
キー配列は少しクセがあります。右端がEnterではなく、home、pgup pgdn、endボタンが並んでいるタイプになっています。
HPのノートパソコンでよく見るやつですね。慣れないと、EnterやBackspaceをタイプミスしやすいです。
あと電源ボタンが右上の端です。これでもDeleteキーと間違えてしまう可能性があります。
矢印キーは逆T字型。これは良い点です。Enterキーが大きめなのも良い点です。
キーボードに関しては良い点と悪い点が混在していますが、打鍵感がまずまず良いので合格ラインです。
ZenBook 13よりは使いやすいと思います。
タッチパッドの操作性も良好です。以前のZenBookにはScreenPad機能が付いていましたが、その機能を廃止して簡素化したのが良いと思います。
ScreenPadは簡単に言うとタッチパッドがミニディスプレイとして使えるという機能。個人的にはそこまでうれしい機能ではありませんでした。しかもScreenPadを搭載することで相場よりも+2万くらい価格が高くなっていたので、それを廃止して価格を抑えることができたのはうれしいことです。
インターフェイス(端子類)
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが1つです。
USB-Cの転送速度は10Gbpsと通常の速度ですが、Power Delivery対応なので、専用ACアダプタを使わずともモバイルバッテリーでの充電が可能です。また映像出力にも対応しています。
ZenBook 13はUSB-Cポートが転送速度40GbpsのThunderbolt 4でしたが、ZenBook 14では通常のUSB-Cになっています。
USB-Cポートの1つは電源ポートも兼ねているので常時使えるUSBポートは2つとなります。
他にはmicroSDカードスロットとHDMIが付いています。
ヘッドフォンジャックは付いていませんが、USBオーディオジャックアダプターが付属しています。さらにUSBイーサネットアダプターも付いてきますので、無線LAN環境がない場合でも安心です。
2つのアダプターが付属と細かいところまで気を配ってくれてます。
バッテリー、排気音、熱など
バッテリーの駆動時間は公称値で21.1時間です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約11時間。とても良い結果でした。
またバッテリーの消耗を抑えるために、充電の上限を自分で設定することができます。これはうれしい機能です。
まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・キーボードの配列
長所
・Ryzen 7の性能
・軽量
・長時間バッテリー
弱点の少ない優秀なノートPCだと思います。
短所をあえて言うならキーボード。クセのあるキー配列です。キーの打鍵感は良好だったのでマイナスは軽微で済みました。
CPUはAMD Ryzen 7で性能は優秀です。
デザインもかっこいいですし、バッテリーも長時間OK。
14型の高級ノートPCとしてとても魅力があります。
1.25kgという重量は毎日の持ち歩きとしては少し重めですが、自宅のソファやベッドでくつろぎながらPCを使うというシーンではちょうど良い軽さかなと思います。
ZenBook 13との比較
ZenBook 13 UX325EA(2020年11月発売モデル)との比較です。
わかりやすく表にまとめてみました。
ZenBook 13 | ZenBook 14 | |
CPU | Core i7-1165G7 | Ryzen 7 4700U |
サイズ | 13.3型 304x203 mm | 14型 319x210 mm |
重さ | 1.15kg | 1.25kg |
バッテリー | 10時間 | 11時間 |
キーボード採点 | 70点 | 80点 |
性能テスト | 85点 | 80点 |
価格 | 15.1万 | 12.1万 |
表にある性能テストの点数は、ZenBook 14の点数を80点と仮定して、それに対するZenBook 13の性能を点数化しています。
キーボード採点は、打ちやすさや配列などの理想を100点とした場合の点数です。
こうしてみると、ZenBook 14の良さがはっきりわかります。
- バッテリーライフ
- キーボード
- 安さ
でZenBook 13を上回っています。
あとは重量をどのくらい重視するかだと思いますが、この価格差でどちらを選ぶか?と言われるとぼくならZenBook 14にすると思います。
【参考】ZenBook 13のレビュー記事はこちら。
【レビュー】ASUS ZenBook 13 UX325EAを使ってみてわかった良い点と悪い点。
おすすめのモデル
型番 | UM425IA-AM023T | UM425IA-AM008TS | UM425IA-AM016TS |
CPU | Ryzen 7 4700U | Ryzen 7 4700U | Ryzen 7 4700U |
メモリ | 16GB | 8GB | 16GB |
SSD | 512GB | 512GB | 512GB |
オフィス | WPS Office | Microsoft Office Home & Business | Microsoft Office Home & Business |
価格 | 12.1万 | 13.1万 | 14.6万 |
2021年1月時点では3モデルが販売されています。
メモリを8GBにするか、16GBにするか。そしてMS Officeを付けるか、WPS Office(MS Officeと互換性あり)でもOKかという選択肢です。
Officeについては、必要に応じて付けるかどうかを決めるといいでしょう。
メモリについては16GBあった方が、画像編集や動画編集など負荷の高い作業の快適度がアップするはずです。
ASUSストアで1月26日までに購入すると、あんしん保証プレミアムとして3年分の保証が付いてきます。
あんしん保証プレミアムは
- 無料で修理
- ただし無料修理は1年に1回まで
- 3年間有効
- 原因は何でもOK。
- 普通は保証の対象外となる水没や落下による破損でもOK
と非常にありがたいサービスになっています。