ぼくは撮った写真(カラー写真)をモノクロ加工することが多いです。
これはモノクロ=おしゃれ、モノクロ=ノスタルジーなどを狙ったものではなく、もっと別の意味があります。
Googleで「モノクロ写真 コツ」で検索すると、モノクロにすることでレトロな感じやノスタルジーな印象を与えることができるとか書いてあります。
しかしそれはモノクロ写真をあまり撮ったことがない人の的外れな意見だと思いました。
モノクロ写真で見せたいものは、光と影、そして被写体の形です。そしてグレーの濃淡、つまりトーンの美しさです。
カラー写真だと、色が前面に出てしまうので形や質感といったものはサブ的な存在になります。モノクロにすると、色がなくなり、被写体の形や質感が浮かび上がってくるのです。特に人物のシルエットはモノクロ写真において意識すべき1つの鍵だと思います。
拙作ですが、この写真は形、シルエットを意識して撮った一枚です。
雄大な自然の景色の中で人のシルエットが入るかどうか。そしてその小さなシルエットをちゃんと強調できるかどうか。それこそがこの写真のポイントです。
モノクロ写真は同時に、光や影が強調されます。
拙作。目の前の景色が脳内でモノクロに変換されているような感覚で撮っています。
モノクロ前提で写真を撮るということは、光や影を意識するということに繋がりますから、写真の腕を上げる練習にもなると思います。
まあえらそーに言ってるぼくもまだまだ修行中の身ですから、モノクロの奥深い世界の一端をのぞいているにすぎません。
建造物を撮るのもおもしろいです。
これは有名な六本木の国立新美術館。
また日常のひとコマをモノクロで切り取るおもしろさもあります。
まあこれはカラーでもほとんど色味のないシーンなのでモノクロにしても、あまり違和感がないですね。
夕日や食べ物など、色が鮮やかなものは無理やりモノクロにしません。なんでもかんでもモノクロにするのではなく、モノクロにする意味をちゃんと考えてモノクロにしましょう。
風景をモノクロにするときに気を付けたいのが空です。
空は明るいのでモノクロにすると、白飛びに近い感じに見えてしまいます。
逆光で人のシルエットと影が主題の写真ですが、よく見ると空の部分に明るいグレーがのっぺりと広がってしまいます。
こういう場合は、空の部分だけ露出を下げてやりましょう。(専用のソフトが必要です)
これで太陽の形がしっかり出ました。ちょっと暗い雰囲気のある写真になりました。
快晴よりも雲が少しある方が、空に表情が出るのでモノクロには適しているかもしれません。
グレーの濃淡が美しいですね。
モノクロ写真でよく見るのがハイコントラストな白黒写真。
白飛びや黒潰れも気にしない荒削りな写真が多いですが、初心者にはあまりおすすめできません。まずはトーンをちゃんと見せるとか、白飛びさせない露出設定とか、そういう基本を学んでからの方がいいでしょう。
基本的にモノクロ写真は男性向きです。
女性でモノクロ写真を撮ってる人もいますが、かなり少数です。これは男性と女性の脳の違いも関係してるらしいですが、詳しくはわかりません。
一般的に女性はカラーを扱うのがうまく、そのセンスでは男性は女性に勝てないという話を聞いたことがありますから、逆に男性には形や陰影などを扱うのがうまいのかもしれません。
モノクロ写真のお手本は、インスタの以下のリンクを見てください。
https://www.instagram.com/bnw_rose/
ここはモノクロ写真の中でも特にレベルの高い写真が集まっています。あまりにレベルが高いので、自分の写真が鼻クソに見えてくるぐらいです。
上で散々講釈を垂れていますが、モノクロ写真のコツはこのリンク先に載ってるお手本をたくさん見た方がわかりやすいですね。
お手本を改めてみると、
・光と影
・人のシルエット
がポイントになっているのがよくわかると思います。