ストリートフォト、スナップ写真において、街ゆく人は欠かせない要素だ。
ただし、人を撮るということはとても勇気がいる行為で、同時にプライバシーの問題なども生じてくるのでとてもセンシティブな話になってくる。
そこで悩み、人を撮れなくなってしまうこともあるだろう。
ひょっとしてあなたが思う「ストリートスナップ」は、被写体である通行人を数メートルくらいの距離で撮るものだと思っていないだろうか?
人を撮りたいけど撮れない・・と悩んでる人に多いパターンだ。
そんな人はもっと距離をとってみよう。
通行人の目の前でカメラを構えて、相手を嫌な気持ちにさせることもない。
通行人の顔がはっきり写ってしまうこともない。
距離をとって、街並みをもっと入れてみよう。
どちらかと言うと、街の風景写真にうまく通行人を配置するという感覚だ。
このスタイルがどうしても嫌だというなら仕方ないが、そうでないならぜひ1回試してみてほしい。
あなたが思うスナップの概念を少しだけ広げてくれるかもしれない。
同時に、ストリートで人を撮る楽しさを教えてくれるはずだ。
距離をとれば、当然通行人は小さく写り目立たなくなる。
しかし小さくともその存在感だけは残すように工夫しよう。
考えないといけないのは背景だ。
背景を考える=どこに通行人を配置するかを考える
ということ。
逆に言えば、背景をちゃんと考えておけば、街並みと通行人、その両方をフレームに収めて1つの写真として成立させることができるのだ。
被写体に寄った写真のような迫力は失われるが、ぼくはそれでもいいと思っている。
いやむしろ、構図の美しさや光と影のコントラストを見せるなら、こっちのスタイルの方が適していると思っている。
人を撮りつつも、主題は、建造物の形とその影・・みたいな。
最近の海外のStreet Photographyを見ても、街並みや建物、印象的な光や影が主題となってることが多いような気がする。
◆背景は大事
背景が大切というのは以前も話したが、何度も繰り返したいと思う。
写真(静止画)にしたとき、通行人は街の建物や車、他の通行人などと混ざり、いともたやすく埋もれてしまう。
だから背景はできるなら、何もない白い壁がいい。
まわりより明るく輝いている空間がいい。
それに近い場所を見つけるのだ。
ファインダーをのぞいた中で最も明るい場所に人を配置するのが基本となる。