AMD RyzenのZen3アーキテクチャとして2021年に出たRyzen 5 5600U、Ryzen 7 5800Uは8コア16スレッドというスレッド数の多さが特徴です。
そのベンチマーク(PassMarkスコア)は以下のようになっています。
Single | Multi | |
Core i7-1165G7 | 2893 | 10614 |
Ryzen 5 5500U | 2485 | 13534 |
Ryzen 7 4700U | 2571 | 13760 |
Ryzen 5 5600U | 3062 | 15998 |
Ryzen 7 5700U | 2634 | 16379 |
Ryzen 7 5800U | 3133 | 19734 |
マルチスレッド性能が高いのはこれまでのRyzenの傾向としてわかっていたことなのですが、このZen 3はシングルスレッド性能も高いです。
シングルスレッドでインテル第11世代のCore i7-1165G7を上回るスコアを出しています。
シングルが高いと、アプリ起動やネットなどの基本的な作業の快適性が上がります。リアルなアプリの快適度を測定するベンチマークPCMark10では、Ryzen 5 5500UやRyzen 7 5700Uよりも優秀な結果が出ています。
◆Adobe LightroomやPhotoshopとの相性
PassMarkスコアでは文句のない結果だったZen 3ですが、クリエイティブな作業となると話は別。
ノートPC用のRyzenはAdobeソフトとの相性が悪く、インテルのCore i7-1165G7にまだ負けています。
AdobeのLightroomやPhotoshop、Premiere Proを使用したBAPCo社のベンチマークCrossMarkでは、以下のような結果になります。
8コア16スレッドのRyzenが4コア8スレッドのインテルに負ける。おかしな話ですが、これはインテルの独自AI処理技術によるところが大きいようです。
インテルとの差はありますが、同じRyzenで比較すると優秀です。Ryzen 7 5800UはRyzen 7 5700UやRyzen 7 4700Uよりは格段にAdobeとの相性が良くなっています。これは前述したシングルスレッド性能のお陰だと思います。
◆Ryzenが得意な作業
Ryzenはマルチスレッドが効く作業を得意とします。
具体的には動画エンコードや、3DCGのレンダリングといった作業です。
レンダリングソフトBlenderを使って3DCGを作成する場合は、インテルよりも快適に動きます。
◆Zen 3を搭載したノートPC
Ryzen 5 5600UやRyzen 7 5800Uを搭載したPCはいくつかありますが、注目しているのは先月出たばかりのHP Pavilion Aero 13。
13.3型で957gという軽さがウリです。
Ryzen 5 5600U、メモリ8GB、SSD256GBという構成なら9.3万円(税込、送料込)となっています。