MacBook Pro (2021)に搭載されているM1 Max、M1 Proはともに10コアのCPUです。
PassMarkのベンチマークスコアは以下のとおり。
シングル | マルチ | |
M1 Max | 3844 | 23468 |
M1 Pro | 3858 | 23553 |
M1 | 3773 | 15109 |
Core i7-11800H | 3140 | 21601 |
Ryzen 7 5800H | 3091 | 21552 |
シングルスレッド、マルチスレッドともに優秀なスコアが出ています。
特にシングルスレッドのスコアが高いです。
インテルのCore i7-11800HやAMD Ryzen 7 5800Hといったライバルよりも高い数値が出ています。
同じM1チップで比較すると、M1 Max、M1 Pro、そして無印のM1ではシングルスレッドのスコアには差がありません。さらにMaxとProではマルチのスコアも差がありません。
しかし実際にはGPUの性能差があるのでグラフィックスが効く作業では
Max > Pro
となります。
実際、動画の書き出しではMaxが圧倒的に速いです。
逆に、画像(RAWデータ)の書き出しでは
Max ≒ Pro
となります。
これは画像書き出しではCPU性能のみが効くからです。
このように、作業によってPassMarkが参考になる場合もあれば、全然参考にならない場合もあるので注意が必要です。PassMarkスコアは普段使いの快適性をざっくり掴むには良い指標ですが、Adobeソフトなど専門的な作業でどのくらい差が出るかを知るには不十分と言えるでしょう。
ちなみにPassMarkでもCinebenchでも同じです。
下はCinebench R23のスコアです。
シングル | マルチ | |
M1 Max | 1562 | 12402 |
M1 Pro | 1536 | 12390 |
M1 | 1503 | 7759 |
Core i7-11800H | 1492 | 12180 |
Ryzen 7 5800H | 1445 | 12788 |
これを見ると、Core i7やRyzen 7との差がPassMarkよりも縮まっていることがわかります。
Core i7-11800Hのスコアを100としたときの各CPUのスコアをグラフにしてみます。
オレンジがシングルスレッド、赤がマルチスレッドのスコアです。
PassMarkではM1チップのシングルが高くなる傾向が見てとれます。Core i7を100としたときお相対スコアが120~123です。
一方、Cinebenchでは同スコアは101~105に留まります。
どちらのスコアが正確なのかはわかりませんが、実際にAdobe Lightroomで書き出しテスト結果の報告を見ると、Cinebenchの方が近い気がします。
つまり純粋にCPU性能だけで言うなら、
M1 Max ≒ M1 Pro ≒ Core i7-11800H ≒ Ryzen 7 5800H
さらに動画編集になってくると、M1が優位となるといった感じですね。
ただ実際に使うアプリとの相性で差が逆転することもありますので、100%確実なことは言えません。場合によってはインテルの方が強いこともあるでしょう。
M1チップは性能以外にも電力効率が良いことは確かなので、総合的に判断した場合M1 MaxやM1 Proを選択するメリットは大きいと思います。