第12世代インテルのCore i7-1260PとCore i5-1240Pは2022年発売のノートパソコンでよく見かけるCPUです。
どちらも12コア16スレッド、TDP(熱設計電力)は28Wで同じです。
当然Core i7の方がCore i5よりも性能が良いと予想されますが、ベンチマークによってはほぼ同じか、Core i5の方が良いスコアが出ることもあり、比較が難しいCPUです。
PassMarkスコアの平均
有名なベンチマークソフトPassMarkでは
Core i7-1260Pのサンプル数が242
Core i5-1240Pのサンプル数が142
と十分なデータが集まっており、その平均はCore i5の方が少し上という結果になっています(11月2日時点)。
Core i7-1260P | Core i5-1240P | スコア差 | |
PassMark シングル | 3301 | 3289 | 0.4% |
PassMark マルチ | 17025 | 17554 | -3.0% |
シングルスレッドはほぼ同じ。マルチスレッドでは1240Pが約3.0%リードしています。
当サイトのデータも同じ傾向
当サイトでレビューしたPCは3つ
・dynabook GZ/HV (Core i7-1260P搭載)
・Lenovo Yoga 770i (Core i7-1260P搭載)
・DELL XPS 13 Plus 9320 (Core i5-1240P搭載)
そしてPassMarkスコアは以下のとおりです。
dynabook GZ/HV | Yoga 770i | XPS 13 Plus | |
Core i7-1260P | Core i7-1260P | Core i5-1240P | |
PassMark シングル | 3589 | 3572 | 3530 |
PassMark マルチ | 15483 | 16802 | 19619 |
シングルスレッドはほぼ同じ。マルチスレッドでは1240Pが1260Pを上回るという結果でした。
この結果だけ見ると、Core i5-1240Pの方がいいのでは?と思ってしまいます。
しかしさらに検証を進めると、Core i7-1260Pが逆転する結果が出てきます。
画像編集、動画編集の速さ
・Photoshopで10枚連続でRAW現像する速さ。
・Davinci Resolveで180秒の動画をyoutube形式で書き出す速さ。
この2つをテストしてみると以下のような結果になります。
dynabook GZ/HV | Yoga 770i | XPS 13 Plus | |
Core i7-1260P | Core i7-1260P | Core i5-1240P | |
Photoshop | 5.6 秒 | 5.8 秒 | 6.4 秒 |
Davinci Resolve | 109 秒 | 90 秒 | 122 秒 |
こちらはタイムなので数値が小さいほど良い結果ということになります。
タイム差は12%~22%でCore i7-1260Pがリード。PassMarkでは見えなかった性能差が出てきます。
画像編集、動画編集では
Core i7-1260P > Core i5-1240P
という順位になることがわかりました。
クリエイティブワークに使いたいなら1260Pがおすすめです。
あと補足情報として1260Pも1240Pも
・Lightroom、Photoshopは全般得意
・動画書き出しはそんなに得意じゃない
という傾向があります。
選び方、考え方
まずメモリ8GBのモデルはあまりおすすめしません。
Core i5-1240PやCore i7-1260Pは一般的な用途の範囲では十分ハイスペックなので、メモリ8GBとの組み合わせはバランスが悪いです。
メーカーが用意しているモデルがCore i5-1240P + メモリ8GBという構成しかないケースもあります。その場合は、消去法的にCore i7一択です。Core i7ならメモリ16GBが用意されているはずです。
ではCore i5もi7もメモリ16GBが用意されている場合はどうか?
その場合は、画像編集や動画編集をどのくらいの頻度で行うかで決まります。
あまりクリエイティブワークはしないという人なら、Core i5-1240Pが良いでしょう。PassMarkのスコアでわかるように、軽い作業ではCore i7-1260Pとの差はありません。それにCore i5-1240PはCore i7-1260Pよりも安いというメリットがあります。
一方、Adobeソフトや動画編集ソフトを毎日のように使うという人はCore 7-1260Pが推奨されます。PhotoshopやDavinci Resolveの結果でわかるように、負荷が高くなると性能差が広がってきます。
ちなみにゲーム性能はほぼ同じと考えておけばいいです。
以上をまとめると
- メモリ8GBを避ける
- クリエイターPCとして使いたいならCore i7-1260P
- それ以外ならCore i5-1240Pのコスパ
となります。
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