2019年1月に東芝からdynabook株式会社へと社名を変更し、新たなスタートをきったdynabookシリーズ
その中で一番の目玉となる製品が今回紹介するdynabook GZシリーズでしょう。
13.3インチのクラムシェル型ノートPC
まさに王道中の王道です
GZ63、GZ73、GZ83とスペックによって名称が変わりますが、ぼくが今回使ってみたのは最上位モデルとなるdynabook 83/J (2019年春モデル)です
859gという軽さながら、ポート、端子も豊富で、使い勝手も良いこのパソコン
ただし実際に使ってみると弱点も見えてきました。
その正直な感想を書いていきたいと思います
◆レビュー機のスペック
・型番: PGZ83JL-NNB
・CPU:Core i7-8550U
・メモリ:16GB
・ストレージ: SSD 512GB PCIe
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920×1080)
・USBポート:USB typeC x2、USB typeA x2
・インターフェイス:有線LAN、microSD、HDMI、ヘッドフォンジャック
・バッテリーライフ:約19時間
・サイズ:308.8×211.6×17.9 mm
・重さ:859g
Core i7 + メモリ16GB + SSD 512GBという構成にすると、価格は16.9万(税込、送料込、dynabook無料会員価格)となっています
GZシリーズは構成によって重量も多少変動します。
例えば、もっと軽量の779gのモデルもあります
・Core i5-8250U
・メモリ 8GB
・SSD 256GB
・バッテリーライフ:約9.5時間
・779g
で13.4万
軽くなる反面、バッテリーライフが半分になります
どのモデルを買ったらいいか、おすすめのモデルは最後に書いておきます。
◆見た目、デザイン
dynabook GZ83/Jの筐体カラーはオニキスブルー
ほとんど黒と言っていいかと思います、明るい光が当たると少し青みも感じられる色でです
高級感のあるデザインで、表面の指紋も目立ちにくくなっています
2017年に発売した同じ13.3型のdynabook UZシリーズとよく似ています
筐体の厚みは859gという軽さにしてはある方でしょうか。
2017年のUZ63/Dが15.9mm
今回のGZ83/J(2019年発売)が17.9mm
と厚くなっていますが、これは側面に有線LANポートを付けたためです
※dynabook UZシリーズには有線LANポートはありませんでした
厚さ自体はほとんど気になりません。
むしろ、859gという軽さに感動します
比較してみましょう
左が1.06kg、2017年のdynabook UZ63/D
右が859g、2019年のdynabook GZ83/J
写真で軽さは伝わりにくいかと思いますが、手の持ち方とかで右の方が軽いんだな~というのを感じてもらえればOKです
これだけ軽量化しながら、筐体の剛性感も素晴らしいです
軽さと剛性感のバランスはぼくが見た中ではトップかもしれません。
液晶ディスプレイは非光沢タイプで写り込みもありません。
明るさや視野角も良好です。
◆インターフェイス(拡張性)
USBポートは、USB-Cが1つとUSB-Aが2つ
全部で3つありますが、できれば新しい規格のUSB-Cは2つ欲しかったです
逆にUSB-Aは1つで良かったかなという気がします。
他のインターフェイスはHDMI、microSDカード、それに有線LANポート(RJ-45)が付いています
標準的なモバイルノートと比べてインターフェイスは充実していますが、デジカメ用のフルサイズSDカードを挿すスロットがないのは惜しい点です
せっかく有線LANポートまで付けてるわけですから、ここはフルサイズのSDカードにしてほしかったと思います。
まあそれだけ期待が大きいということです。
一般的な水準で考えれば、インターフェイスの種類は豊富と言えます。
◆処理速度、ベンチマーク
CPUは第8世代のCore i7-8550U (KabyLake-R)です
Passmarkのベンチマークテストを実施したところスコアは8374でした
PassMark社が発表している平均値は、
Core i5-8250U 平均値7684
Core i7-8550U 平均値8314
となっています。
本機の結果はちょうどその平均値どおり優秀な数値が出ています。
内蔵されているSSDは東芝のSSD、型番はKBG30ZMV512Gでした。
ベンチマークをとると以下のとおり。
シーケンシャルリードは1600MB/s PCIe接続のSSDとしては物足りない数字ですが、普段の体感に寄与すると言われている4Kリード、ライトの速度良好です
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約11.8秒でした。こちらは平均的な速さです。
さらなるテストとして、画像編集の処理速度も行いました。
いくつかの画像を合成して1つの画像を構成する処理で、総合的なスペックが効いてくるはずです。
以下は条件の違う複数のPCでのテスト結果です。
1.Core i5-6200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-8250U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約35秒
3.Core i7-8565U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約32秒
4.Core i7-8550U、メモリ16GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約33秒
最後4番目の結果が本機の結果です。
微差ではありますが、Core i5-8250Uより速く、Core i7-8565Uよりは遅いという結果で、予想の範囲内でした。
まあ基本的にこれぐらいの性能があれば、
・ネット
・動画鑑賞
・文章作成
などの作業は朝飯前。
負荷の高い画像編集や軽めのゲームまでこなせます。
メインPCとして、文句のない性能だと言えます。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチは19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
打鍵感はイマイチです
ストロークの深さはあるものの、クリック感、反発力が乏しく、砂地を歩いてるような感覚があります
軽やかなタイピングが難しく、慣れないと長文を打つのはけっこうしんどいかもしれません。
歴代のdynabookシリーズのキーボードはそんなに悪くないという印象がありましたが、今回のGZ83/Jはもっと改善すべき余地があるなと感じました。
あと、半角全角キーがかなり小さいです
このキーはローマ字とかなの切り替えでよく使うキーですから、これが押しづらいのは見逃せないマイナスです
タッチパッドは98×57 mm、若干狭いですが操作性は良好です
なめらかさという点では他社の高級モデルより少し落ちるかもしれません
ただなめらか過ぎてスクロールが行き過ぎるということもなく、微妙なスクロール調整にはちょうど良かったです
◆バッテリーライフ、静音性
バッテリーの駆動時間は公称値で19時間(JEITA2.0)です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさMAX
・wifi環境
・Youtubeの動画を流しっ放し
結果は約6時間でした。
条件を緩めれば、もっと延びるはずです。
メールチェック、ネットでの調べ物、くらいであれば終日OKでしょう。
ボディもそこまで熱くなりませんし、静音性も高いです
◆総合評価
デザイン | ☆☆☆☆☆ |
キーボード、タッチパッド | ☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・キーボードの打鍵感
・フルサイズSDカードスロットなし
長所
・859gという軽さ、剛性感
・コスパの良さ
総合力の高いノートパソコンですが、一点だけ残念なのはキーボードの質です
dynabook UZシリーズや最近出たDZシリーズなどと比べてもキーボードの打ちやすさは悪くなってると思います
ただそれ以外はとても良く出来ています
・1kg未満という軽さ
・高性能
・19時間(JEITA2.0)のバッテリーライフ
・コスパ
2019年3月時点で、この4つを満たすパソコンはこのdynabook GZ83/Jが唯一と言えるでしょう。
ライバルと思われるのが富士通のLIFEBOOK WU2/C3です
Core i7 + メモリ16GB + SSD 512GBという構成で2つを比較しました
表にあるとおり、富士通のLIFEBOOKはフルサイズのSDカードを直接挿せるのが良い点です。
ただ698gの最軽量モデルだとバッテリーライフが短くなり、また価格も上記の構成では20万円を超えてきます。
一方dynabook GZ83/Jは16.9万とだいぶ価格を抑えることが可能です
レビュー機はCore i7モデルでしたが、さらに性能を抑えてもいいでしょう。
構成例(型番PGZ63JL-NNA)
・Core i5-8250U
・メモリ8GB
・SSD 256GB
・859g
という構成もバランスがとれていておすすめです
名称もGZ83/JじゃなくGZ63/Jになります
これだと価格は13.0万(税込、送料込)です
価格は2019年3月時点の会員価格です。
例によって無料会員になるだけで、割引率が半端ないので
dynabookのオンラインストアで会員になってから購入しましょう