今回はLegion Pro 5i Gen 8のレビューです【貸出機材提供:Lenovo】
LenovoのLegion Pro 5i Gen 8は2023年3月発売のゲーミングノートです。
- 16インチ 2.5K(2560×1600)、250Hz
- CPUはCore i7-13700HX(第13世代インテルのエース格)
- グラフィックスはGeForce RTX 4070を搭載可能
という特徴をもっています。
ゲーミングノートの中では上位の性能で幅広いゲームを楽しむことが可能です。
またゲーム以外にも画像編集や動画編集としても使える万能型パソコンです。
スペックを抑えた場合は19.9万円(税込、送料込)と安く買えるのも魅力です。
パソコンを性能重視で選ぶなら、まずは本機が基準となるでしょう。
レビュー機のスペック
・Windows 11 Home 64bit
・CPU:Core i7-13700HX
・メモリ:16GB (8GBx2)
・ストレージ: SSD 1TB
・グラフィックス: GeForce RTX 4070 (TGP =140W)
・ディスプレイ:16インチ (2560×1600)、非光沢、250Hz
・USB: USB-C x2、USB-A x4
・インターフェイス: HDMI、有線LAN、ヘッドフォン
・Webカメラ: FHD(1080p)、プライバシーシャッター電子式
・顔認証なし、指紋認証なし
・サイズ: 363.4x260.4x22-27 mm
・重量: 2.5kg
レビュー機はCore i7-13700HX + RTX 4070の上位モデルです。
価格は5月23日時点で25.0万円(税込、送料込)です。
最小構成はCore i5、RTX 4050で19.9万円(税込、送料込)となります。
メモリは8GBx2の16GBですが、16GBx2を自分で用意すれば32GBまで増設可能です。(今後32GBモデルも発売されるかもしれません)
※価格やモデルの最新情報はLenovoのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはオニキスグレー。
暗めのグレーで無難な色です。天板はアルミとマグネシウム合金を使用。Legionのロゴに光が反射して光ります。
ただ高級感はそれほどないですね。指紋が少し目立ちますし、全体として厚みがあります。天板以外は樹脂製ということもあると思います。
側面、背面には排気口が大きく開いています。
この辺はやはりゲーミングノートっぽいデザインです。
重量は2.5kgあるので持ち運びは厳しいです。据え置きメインで考えておきましょう。
後、ACアダプターが大きいです。
300WのACアダプターです。PCの消費電力が大きいのでACアダプターもこのサイズになります。ちょっとしたお弁当箱くらいありますね。手の大きさと比べてもらえるとわかりますが、通常の5倍~6倍くらいのサイズです。
ディスプレイは
・2.5K 2560×1600
・アスペクト比 16:10
・非光沢
・リフレッシュレート 250Hz
・G-SYNC対応
・輝度(明るさ) 500nit
・色域 sRGBカバー率 100%
という仕様。
とても明るく、色もきれいです。
安いゲーミングノートだと、解像度はFHD、色域もsRGBカバー率63%程度のものが多いですが、本機は質の高い液晶を搭載しています。
色にこだわるクリエイターも満足できるレベルです。
同時にフレームレートが250Hz、G-SYNC対応とゲーム仕様にもなっています。G-SYNCはゲーム中の画面のカクツキを抑える効果があります。
良い: ディスプレイの色域が広い。クリエイター向け
良い: 高解像度、リフレッシュレート250Hz、G-SYNC対応
微妙: 高級感はない。性能重視のデザイン
悪い: ACアダプターが大きい
ベンチマーク
CPUはCore i7-13700HX。
末尾のHXは熱設計電力(TDP)が55WのCPUに付きます。
HXシリーズ
Hシリーズ
Pシリーズ
Uシリーズ
という順に性能が高くなります。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 4170
マルチスレッド: 37998
というスコアでした。
当サイトでレビューしたPCでは過去最高のスコアです。
マルチスレッド性能はCore i7-13700HXの平均よりも12%ほど高いです。
2022年のエース格だったCore i7-12700Hが霞んでしまうほどのスコアです。
◆PhotoshopでRAW現像、AIによるノイズ除去
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
機種 | CPU | タイム(秒) |
Legion 570i | Core i7-12700H | 4.6 |
Legion 770i | Core i7-12700H | 5.1 |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 | Core i5-1340P | 5.7 |
Legion Pro 5i Gen8 | Core i7-13700HX | 6.1 |
Victus 16 | Ryzen 7 6800H | 7.4 |
DAIV 5P | Core i7-11800H | 8.6 |
RAW現像はちょっと期待外れ。第12世代のCore i7より遅いタイムでした。
同じくPhotoshopで最近導入された新機能、「AIによるノイズ除去」にかかる時間を計測してみました。
機種 | CPU | グラフィックス | タイム (秒) |
Legion Pro 5i Gen 8 | Core i7-13700HX | RTX 4070 | 14 |
Victus 16 | Ryzen 7 6800H | RTX 3050 Ti | 24 |
IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H | Radeon Graphics | 156 |
この作業はグラフィックス性能が効くので本機のようなグラボ搭載機が有利です。
上の表のとおり、内蔵グラフィックスの10倍以上の速さで処理を終えることができます。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。。
機種 | CPU | タイム (秒) |
Legion Pro 5i | Core i7-13700HX | 34 |
Legion Slim 770i | Core i7-12700H | 37 |
Legion 570i | Core i7-12700H | 40 |
Victus 16 (AMD) | Ryzen 7 6800H | 47 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 60 |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 | Core i5-1340P | 80 |
これまで最速のタイムでした。動画編集も非常に快適です。
◆ゲーム
ゲーム性能に関していくつかテストしてみます。
まずは定番のベンチマーク、ファイナルファンタジー14 暁月のフィナーレ(2021年発売)です。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは27482で「非常に快適」。平均フレームレートは200fpsでした。
機種 | CPU | グラフィックス | スコア |
Legion Pro 5i Gen8 | Core i7-13700HX | RTX 4070 | 27482 |
Legion Slim 770i | Core i7-12700H | RTX 3060 | 25254 |
Legion 570i | Core i7-12700H | RTX 3050 Ti | 20956 |
DAIV 5P | Core i7-11800H | RTX 3050 | 18971 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | Radeon 680M | 8420 |
中軽量級のゲームは問題ありません。
重量級のゲーム、ファイナルファンタジー15で試してみました。
高品質(1080p)の条件でスコアは9247。「とても快適」という結果でした。
こちらも問題ありません。
最後は3DMark Time Spy。
RTX 4070の最大グラフィックスパワーは140Wに設定されています。
RTX 3060や3050 Tiよりも十分高いスコアです。
ただRTX 4070の平均スコアが大体1万~1.1万くらいなのでそれと比べると少し低めです。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
〇画像編集
〇動画編集
〇ゲーム
となります。
良い: 画像編集、動画編集からゲームまで全てOK
良い: PhotoshopのAI最新機能が快適に使える
良い: 重量級ゲームなら1080p、中量級ゲームなら1440pでプレイ可能
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
ストロークは平均的、打鍵感は若干柔らかいです。
キーが目立つのはEnterキーとBackspaceキーが横とくっついている点。
Lenovoではお馴染みの配列で見た目はマイナスですが、そこまで使いづらくはないです。
微妙: 横とくっついているキーがある
インターフェイス
USBポートは全部で6つ。
USB-Cが2つあり
・転送速度 10Gbps
・映像出力対応
となっています。
また背面のUSB-CはPD対応です。
残り4つは通常のUSB-Aポートです。
あとはHDMIと有線LAN、ヘッドフォンジャックです。
ゲーム用ということで有線LAN(RJ-45)があります。
1つ残念なのはSDカードスロットがないところ。
クリエイター向けにぜひ付けてほしかったです。
もっとも、USBポートがたくさんあるのでその1つにSDカードリーダーを付ければ対応できます。
良い: USBポートが6つ
微妙: USB-CはThunderboltじゃない
悪い: SDカードスロットなし
排気音、熱など
ゲーミングノートで気になるのは熱と音。
熱に関しては問題なし。音はやや大きいです。
負荷をかけたときのファン音はサーという音がけっこうします。例えるならドライヤーの弱をかけてるような音です。
参考程度ですがアプリで測定した音量は54デシベルでした。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー、熱、音 | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・SDカードスロットなし
・ACアダプターが大きい
長所
・Core i7-13700HX搭載。2023年では最強クラス
・幅広いゲームを楽しめる
・クリエイティブワークも快適
・ディスプレイの質が高い
質の高いディスプレイとパワフルな性能が最大の長所。クリエイター、ゲーマーにおすすめしたいノートPCです。
本体がゴツくて、ACアダプターも大きいのでスペースはとりますが、薄型ノートとは比べ物にならないほどの性能を手に入れることができます。
個人的には、最近流行りのAI処理(Photoshop)の速度に驚きました。この速さに慣れると、10万円台のPCでは満足できないかもしれません。
あとは価格ですね。
レビューした構成はRTX 4070搭載だと25.0万円(税込、送料込)です。
Core i5-13500HX、RTX 4050の組み合わせだと19.9万まで下がります。
画像編集がメインのクリエイターならこの安いモデルでも良さそうです。
ゲーム主体ならRTX 4060以上、できればRTX 4070を選びたいところです。
⇒ Lenovoストア Legion Pro 5i Gen 8
【追記】
兄弟機のLegion Pro 5はCPUがAMD Ryzen 7 7745HX。こちらはさらに安く、RTX 4070搭載モデルが22.5万円(税込、送料込)です。