富士通のLIFEBOOK WU2/B3は2017年10月発売のモバイルノート。
最小構成800g未満という軽さを実現し、ユーザーからの評価も非常に高い一台です。
売れ行きも好調のようですね。量販店とかではLIFEBOOK UH90/B3(=Core i7モデル)、UH75/B3(=Core i5モデル)、UH55/B3(=Core i3モデル)という名前で売られています。知らないと混乱するかもしれません。
WU2/B3はネットで買えるカスタムメイドモデルで、カタログモデルのUH90、UH75、UH55よりもスペックの自由度が高いのが特徴です。
UHとWU、間違えないでくださいね。
ネットで買うなら値段の安いWU2/B3(カスタムメイドモデル)がお得です。
ただし、UHとWUでは重さが微妙に変わります。
UH75/B3は約748gと最軽量です。このモデルはCPUがCore i5-8250Uを搭載しています。
UH90/B3は約899g、こちらはCore i7-8550Uを搭載しています。
WU2/B3の方は、バッテリーパックの容量によって変わります。
25Whのバッテリーを選択した場合は約790g、50Whのバッテリーを選択した場合は約916gです。
今回の記事ではWU/B3のバッテリー50Whを搭載したモデルをレビューしてみたいと思います。
◆レビュー機のスペック
・CPU:Core i7-8550U
・メモリ:20GB
・ストレージ: SSD 512GB (PCIe)
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920×1080)、タッチ非対応
・USB: USB3.1 typeC x1、USB3.0 typeA x2、
・インターフェイス:HDMI、有線LAN、SDカード、ヘッドフォンジャック
・バッテリー: 50Wh、持続時間は約17時間
・サイズ、重さ:約 309×212.5×15.5mm、0.916kg
CPUは最新第8世代Core i7を搭載しています。
その他、メモリは20GB、SSDは512GBのPCIeなど、選択可能な構成の中では最高に近いスペックとなっています。
◆見た目、デザイン
筐体カラーはブラック、レッド、ホワイトの3種類。
写真はブラックです。
13.3型ですが、5年前の12.6型ノートと同じくらいのコンパクトさ。薄さは約半分くらいまで薄くなっています。
表面のテカリもなく指紋も目立ちません。
レビュー機は916gですが、最小構成だと800g未満とさらに軽くなります。
1kg未満の軽さですから、こんなふうに指でつまんで持ち上げることが可能です。
カフェで広げてもカッコいいですし、またスペースを取りません。
◆液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイは13.3インチでフルHD(1920×1080)
ノングレア(非光沢)なので写り込みがなく、とても見やすい液晶です。
色もきれいで自然ですし、視野角も広いです。
自分で撮った写真を壁紙にしたくなりますね。
ちょっとSNS映えを狙ってみました(笑)
◆豊富なインターフェイス
LIFEBOOK WU2/B3はインターフェイスが豊富なので、余計なアダプターが不要なのが良い点です。
USBポートは、最新のUSB3.1 typeCが1つとUS3.0 typeAが2つ。USB3.0があるので、USBメモリを直接挿せます。
HDMIとSDカードスロット、それに有線LANポート(RJ-45)も完備しています。
こうした拡張性、使い勝手を重視した設計は、富士通ならではの特徴でしょう。
今はSDカードスロットすらないノートPCが多いですから、LIFEBOOK WU2/B3の使い勝手の良さは特筆すべき長所だと思います。
◆SSD、処理速度
内蔵されているSSDはSamsungのPM961でした。
レビュー機のSSD容量は512GBで、その場合はPCIe接続の高速SSDが搭載されます。
256GBや128GBの場合は通常のSATAのSSDとなりますのでご注意ください。
ベンチマークをとると以下のようになります。
さすがにPCIeのSSDは速いです。
シーケンシャルリードは3000MB/s以上が出ています。
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約13.2秒でした。
PCIeのSSDとしては少し遅いかなという印象で、できるなら10秒を切ってきてほしかったです。
起動の速さはやや期待外れでしたが、別の処理速度を試しに測定したところ非常に速い結果でした。
そのテストはいくつかの画像を合成して1つの画像を構成する処理。専用のソフトを使った作業でSSDの性能以外のスペックも効いてくるはずです。
以下条件の違う3つのPCでのテスト結果です。
1.Core i5-7200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-7260U、メモリ8GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約49秒
3. Core i7-8550U、メモリ20GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約33秒
最後3番目の結果が本機の結果です。
とても負荷のかかる作業なのですが、処理時間は約33秒で圧倒的に速いことがわかりました。
第8世代Core i7のパワーのおかげが大きいと思いますが、SSD性能もいくらかアシストしているはずです。
普段の作業ではあまり恩恵を感じることはないのですが、画像処理、動画編集など重たい作業を行うときには【第8世代Core i7+PCIe SSD】の組み合わせが非常に有効だとわかりました。
この結果から言えるのは、LIFEBOOK WU2/B3がハイレベルな要求に応えることができる優秀なパソコンだということです。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
先代のLIFEBOOK WU2/B1はキーストロークが1.2mmと浅かったのですが、本機は1.5mmまで深くなりました。
深くなったことは良いことですが、キーの打鍵感はかなり柔らかめです。
わかりやすく例えるならば、砂地を歩いているかのような感触があります。
キーを押したときの反発力がもう少しあってもいいかなと思いました。その方がタイプもしやすいはずです。
でもまあ反発力がありすぎても困るわけで・・これはもう個人の好みになるかもしれません。
オプションでキーのかな表記をナシにできます。
かな表記がなくても全く困らないので、こちらの方がすっきりした見た目で良いですね。
タッチパッドは使いやすいです。
広さは92x46mm、やや狭いですが、二本指スクロールもスムースでした。
物理ボタンがあるので、クリック時の音も静かです。
◆バッテリー
バッテリーの駆動時間はバッテリパックの選択によって大きく変わります。
レビュー機は50Whバッテリー、これだとJEITA2.0で約17時間です。
wifi環境下で動画を流しっ放しにしてテストすると約8時間の駆動時間でした。
JEITA2.0のテスト条件よりも厳しめの条件だと約8時間程度になるということは承知しておきましょう。
メールチェックやネットで調べものをするなど軽めの作業ならもっと長くもつはずです。
バッテリーパックを25Whにすると、駆動時間は半分程度になりますから、かなり短時間の作業になってしまうでしょう。
そうなると、おすすめは50Whのバッテリーです。50Whを選択すると重さが916gとなりますが、それでも十分軽いので問題ないと思います。
◆排気音と熱
LIFEBOOK WU2/B3をしばらく使ってみて気になったのは、電源をつけるとすぐにファンがまわってブオーンという音が出るという点です。
音はすぐに鳴りやむのですが、けっこう音は大きいです。
またWindowsのアップデートの際もファンの音が盛大に鳴っていてちょっとうるさかったです。
ファンが回ってるということは熱を一生懸命排気しているということ。
そのおかげで、筐体温度は低く、手で持っても熱さを感じることはありませんでした。
ノートPCにおける音と熱の問題・・これはどうしてもトレードオフの関係から逃れられないようで、例えばDELLのXPS 13はとても静音性が良いのですが、その分筐体はけっこう熱くなります。
LIFEBOOK WU2/B3はその逆で、熱くならないけどちょっと音が大きいという傾向があります。
個人的にはもう少し熱くなってもいいので静音性を重視してほしかったなという感想です。
◆まとめ
・デザイン ☆☆☆☆
・キーボード、タッチパッド ☆☆☆
・ディスプレイ ☆☆☆☆
・SSD ☆☆☆
・インターフェイス ☆☆☆☆☆
・バッテリー ☆☆☆
・コスパ ☆☆☆
短所
・最小構成だとバッテリー駆動時間が短い
・排気音が大きい
長所
・最小構成800g未満、驚異的な軽さ
・第8世代CPU+SSDで快適な処理スピード
・ノングレアですっきり見やすい液晶
・アダプター不要。使い勝手の良さ
特にインターフェイスに大きな特長があります。
この軽さでSDカードスロットや有線LANポート、HDMIを完備しているパソコンはとても珍しく貴重です。
LIFEBOOK WU2/B3の売れ行きが好調なのも納得です。
◆おすすめのカスタマイズと価格
=おすすめ構成1=
・CPU:Core i3
・メモリ:4GB
・SSD: 128GB
・バッテリー:50Wh
・MS Office:必要に応じて
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まず最初は、価格を抑えた構成です。
CPUはCore i3でもSSDがあれば基本的な作業は快適なはずです。
オフィスなしで129,548円(16%オフのクーポン適用後)です。
重さは916gで毎日の持ち歩きも苦になりません。
この軽さとスペックを兼ね備えたPCが12万円台というのは海外メーカーを含めて見ても稀有な存在です。
=おすすめ構成2=
・CPU:Core i5
・メモリ:8GB
・SSD: 256GB
・バッテリー:50Wh
・MS Office:必要に応じて
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オフィスなしで166,877円(16%オフのクーポン適用後)となります。
Core i5、SSD256GBはとてもバランスの良い構成です。
=おすすめ構成3=
・CPU:Core i7
・メモリ:12GB
・SSD: 512GB
・バッテリー:50Wh
・MS Office:必要に応じて
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オフィスなしで207,264円(16%オフのクーポン適用後)となります。
画像編集、動画編集などにも対応できるハイスペック仕様です。
上記以外のカスタマイズも可能ですので、富士通のオンラインストアでお好みのスペックを選択してみて、どれくらいの価格になるかチェックしてみましょう。
◆学割サービス
さらに学生には、うれしい学割サービスがあります。
上記は16%オフの価格でしたが、学割を使うとさらに割引率がアップし23%オフになります。
1kg未満の軽さなら毎日大学に持っていけるのでLIFEBOOK WU2/B3はとてもおすすめです。
学生にはちょっとお高めの価格帯ですが、保証期間は3年間ですし、国産メーカーの安心感があります。
価格は時期によって多少変動するので富士通のオンラインストアにて確認してください。