2021年3月現在、ノートパソコンに搭載されるCPUでよく見かけるのが
- 第11世代インテル(Core i7-1165G7など)
- 第10世代インテル(Core i7-1065G7、Core i7-10510Uなど)
- Ryzen 4000シリーズ (Ryzen 4700Uなど)
の3種類です。
今回はそうした一般向けのノートPCのCPUでRyzenとIntel、どっちが性能いいのか?どちらを選んだらいいのか?という疑問に答えてみたいと思います。

ゲームを本格的にやりたい人向けの比較ではないので、その点はご了承ください。
簡単な結論
・第10世代インテルとRyzen 4000シリーズの比較
⇒ Ryzen 4000シリーズが良い
・第11世代インテルとRyzen 4000シリーズの比較
⇒ ほぼ互角。若干インテル
最初の比較は簡単で、第10世代インテルと比べるなら断然Ryzenです。でも第11世代インテルとの比較はかなり微妙です。用途(アプリ)によっても変わってくるので絶対にこっちと断言できないのですが、多くのアプリで安定して速いのはインテルかなと思います。
CinebenchやPassmarkだけでは不十分
よく見るベンチマークスコアでは、Ryzen > Intelとなっていますが、これだけでRyzenの方がいいと判断するのは早計です。

有名なベンチマークCinebenchやPassmarkはCPUのマルチコア性能を元に性能を数値化しているのですが、実際のアプリの速さは、CPUのシングルコア性能が効くことが多いです。

Passmarkのスコアだけで判断しない方がいいです
得意分野をざっくり知っておこう
・第11世代インテルが得意
⇒ アプリ起動、Webブラウジング、文章作成、Adobe(PhotoshopやLightroom)、プログラミング
・Ryzen 4000シリーズが得意
⇒ 表計算、レンダリング、動画のエンコード
第11世代インテルのCPUはシングルコア性能が高いのが特徴です。ネット閲覧やアプリ起動、文章作成などではCPUのシングルコアの性能が効きます。
AMD Ryzenはマルチコア性能が高いです。
レンダリングや動画のエンコードなどを得意とします。これらはかなり専門的な作業なので、一般のパソコンユーザーにはあまり効果を実感できない可能性もあります。
筆者もその一般ユーザーの1人で、ノートPCでやることといってもせいぜい画像編集(RAW現像)と軽めのゲームまで。そんなぼくからすると、「まあインテルで困ることはなさそう」というのが大まかな結論です。
例えばPhotoshopによるRAW現像時間は、第11世代インテルの方が20~30%速いです。
ゲームに関しても、インテルの方がグラフィックス性能は良いです。ただし、CPUのマルチコア性能が効くゲームもあるので一概には言えないです。
その他の特徴
1.価格
Ryzenの方が安い。
2.電源に繋いでいないときの性能
Intelの方が安定している。
3.選択肢
Intelの方が選択肢が多い。
Ryzenは価格が安いというのが魅力です。
同じパソコンでインテルとRyzenの2モデルが用意されていて、Ryzenの方が1万くらい安いなんてこともめずらしくありません。
無理してRyzenを選ぶことはないですが、気に入った機種でRyzenモデルの方が安くて、しかも納期の安定しているなら、Ryzenを選ぶ理由になるでしょう。
まとめ
- 普段使いならどちらでもOK
- 性能の差を実感できるのは負荷の高い作業のみ
- 画像編集ならインテル
- 動画エンコード、レンダリングならRyzen
最終的にはCPUだけで判断するよりも、メモリやディスプレイの質、納期などを見て総合的に判断した方がいいです。
Ryzen 7 4700UやCore i7-1165G7を搭載するなら、メモリは16GBあった方がバランスがいいですし、画像編集などクリエイティブな作業に使うならディスプレイの輝度と色域もチェックしておいた方が良いです。
CPU以外の重要チェック項目をまとめた記事があるので、そちらも参考にしてみてください。
⇒ 同じ性能(CPU)のノートパソコンを比較するときの重要チェック項目
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