MicrosoftのSurface Laptop Go 2は2022年6月発売のノートPC。
- Surfaceの中では価格抑えめ
- 12.45インチ 1.13kg
- CPUはCore i5-1135G7(普段使い~ビジネス利用)
- ディスプレイのアスペクト比は3:2
- Office Home & Business 2021付属
という特徴をもっています。
基本的なデザインは初代のSurface Laptop Goと同じですが、CPU性能などが向上しており、まずまず手堅く仕上がっています。Office付きパソコンを求める層に引き続き人気が出そうな一台です。
そんなSurface Laptop Go 2を日本マイクロソフトより製品を貸し出していただきましたので、さっそくレビューしたいと思います。
なお、当サイトはマイクロソフトアフィリエイトプログラムを利用して収入を得ています。レビューはユーザーの皆さんにとって有益だと思う情報を忖度なしで書いております。
レビュー機のスペック
・OS: Windows 11 Home
・CPU: Core i5-1135G7
・メモリ: 8GB
・ストレージ: SSD 256GB
・ディスプレイ: 12.45インチ 1536×1024 タッチ対応
・USB: USB-C x1、USB-A x1
・インターフェイス: Surface Connectポート、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・Webカメラ: HD(720p)、f=2.0
・顔認証なし、指紋認証あり
・サイズ: 278.2×206.2×15.7 mm
・重さ: 1.13kg
・オフィス: Microsoft Office Home & Business 2021
カラーは4種類。プラチナ、アイスブルー、サンドストーンに今回新しくセージが増えました。
グレーにちょっとグリーンが入った色で、室内ではほぼグレーに見えます。なかなかシックでいい色だと思いました。参考までに妻の意見は、「もっと明るい色の方が好き」とのこと。やはりこの辺は個人によって好みは分かれます。
OSはWindows 11 Home。
CPUはインテル第11世代のCore i5-1135G7を搭載しています。
現行は第12世代なので、1世代古いCPUになりますが、ミドルスペックは確保されており、普段使い、ワードエクセルなどでの資料作成を楽々こなせる性能を有しています。
CPU | Core i5-1135G7 | Core i5-1135G7 | Core i5-1135G7 |
メモリ | 4GB | 8GB | 8GB |
SSD | 128GB | 128GB | 256GB |
価格 | 9.7万 | 11.0万 | 12.3万 |
一番安いモデルはメモリが4GBしかないのでおすすめしません。メモリ8GBのモデルにしましょう。
OfficeのHome & Business 2021がプリインストールされてこの価格なら納得プライスでしょう。
※価格は変動することがあります。
※最新情報はMicrosoftのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
天板はアルミ合金を使用しており、高級感があります。
少し光沢があり、それでいて指紋も目立ちません。非常に良く出来たデザインだと思います。
角度によって中央のロゴが光るのもかっこいいですね。
重量の実測は1.11kgでほぼ公称値どおりでした。
剛性も良く、片手で持っても軋みや歪みは全くありません。
ディスプレイは
・12.4インチ
・縦横比3:2
・1536×1024
・光沢、タッチ対応
・輝度(明るさ) 350nit
・色域 sRGBカバー率 95%
という仕様。
光沢タイプなので映り込みがありますが、画質は非常に良いです。
輝度も350nitと十分あるので、明るいリビングで使用しても見やすいです。
12.4インチで1536×1024ピクセル。解像度は148ppiとなります。15.6インチディスプレイに1920×1080で解像度は141ppiですから、148ppiの画質が悪いと感じることはありませんでした。
アスペクト比は3:2。正方形に近いディスプレイです。Webページなどを表示するとき情報量が多くなるというメリットがあります。
良い: 高級感のあるデザイン
良い: コンパクトかつ頑丈
良い: 明るいディスプレイ
微妙: 映り込みはけっこうある
ベンチマーク
ベンチマークをとる際の設定は「最適なパフォーマンス」です。
CPUはCore i5-1135G7です。PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 2909
マルチスレッド: 10600
というスコアでした。
ほぼ期待どおりのスコアです。
シングル | マルチ | |
Ryzen 5 5625U | 3013 | 15060 |
本機 | 2909 | 10600 |
Ryzen 5 5500U | 2459 | 13193 |
Surface Laptop Go (2020) | 2292 | 7658 |
初代のSurface Laptop Go (2020年発売)よりも明らかに性能アップしています。シングルスレッドで約+27%、マルチスレッドで約+14%ほど上昇しています。シングルスレッドの性能が比較的高いので、普段使い~ビジネス利用の快適度は上がっていると考えられます。
電源から外した状態でもテストしてみると
シングルスレッド: 2857
マルチスレッド: 9707
少しスコアが下がりましたが、低下率8%とかなり小さいです。
◆リアルなアプリの快適度
当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。こちらは電源につないだ状態での結果です。
Essentials(一般的な利用) 8760 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)5858 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 4343 (目安3450)
普段使いの快適度はEssentialsのスコアと見なすことができます。
機種 | CPU | Essentials |
ThinkPad X1 Carbon Gen9 | Core i7-1165G7 | 9365 |
Inspiron 14 5425 | Ryzen 5 5625U | 9276 |
Inspiron 15 5615 | Ryzen 7 5700U | 8894 |
Surface Laptop Go 2 | Core i5-1135G7 | 8760 |
IdeaPad Slim 550 14型 | Ryzen 5 5500U | 8750 |
ThinkBook 14 Gen2 | Core i5-1135G7 | 8442 |
Inspiron 14 5415 | Ryzen 5 5500U | 8242 |
2021年の上位モデルや2022年の最新モデルには及ばないものの、2021年の中位モデルの中に入ればまずまずのスコアです。
◆軽めのゲーム
最後にファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは7470、「やや快適」。平均fpsは53fpsでした。
DAIV 5P | Core i7-11800H | RTX 3050 | 18971 |
Surface Laptop Go 2 | Core i5-1135G7 | Intel Iris Xe | 7470 |
Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 | Intel Iris Xe | 7077 |
ThinkPad X13 Gen 2 | Core i7-1165G7 | Intel Iris Xe | 6688 |
IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H | AMD Radeon | 5176 |
ENVY x360 13 | Ryzen 7 5800U | AMD Radeon | 4643 |
軽量ノートの中では健闘している方ですが、本格的なゲーム用にはまだまだ性能不足です。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集(RAW現像)
×動画編集
×ゲーム
という目安になります。
良い: 普段使いの快適度アップ
良い: バッテリー駆動時でもパフォーマンスが低下しない
微妙: 2022年最新モデルと比較すると少し見劣りする
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は18.5mm、キーストローク(深さ)は1.4mmです。
キーの打鍵感は柔らかめです。カチャカチャというよりコトコトに近い音で、音も小さいです。
キー配列で大きな特徴があります。それはスペースキーの両サイドに「A」と「あ」というキーが設置されている点。このキーは英数」と「かな」の切り替えに使用します。
通常は「無変換」「変換」キーがある場所ですね。使用頻度が低い「無変換」「変換」キーの代わりに「A」と「あ」キー。「A」を押すと英数入力になり、「あ」を押すとかな入力になります。
MacBookと同じ方式です。スペースキーのすぐ横にあることで、「英数」と「かな」の切り替えがとてもスムースです。(もちろん慣れは必要ですが)
気になるのはEnterキーの形状。
下半分が狭くなっていて、この細さのせいで微妙に小指が届かないということがあります。
あとバックライトがないのも残念な点です。暗い場所でタイプすることはあまりないと思いますが、最近は大体ついていることが多いバックライトが本機にはないです。注意しておきましょう。
良い:「英数」と「かな」の切り替えキー
微妙: Enterキーの形状
悪い: バックライトなし
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが1つです。
USB-Cは電源供給(タイプC充電)、映像出力に対応しています。
電源ポートはSurface Connectポートです。
他にはヘッドフォンのみ。microSDやHDMIはありません。
ポート(端子)の少なさはこれは初代のときから問題になっています。一番はSurface ConnectポートをやめてUSB-Cポートに代えることだと思うのですが、Microsoftの腰は重いです。
現実的な運用は、USB-Cにハブを接続して使う感じになるでしょうか。そうなると残るはUSB-A1つだけになっていまいます。
悪い: USBポートが少ない
バッテリー、排気音、熱など
バッテリー容量は41Wh。駆動時間は短めです。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約4.5時間。
モバイルノートとしてはかなり短いです。
Surface Laptop Go 2 | 4.5時間 |
Pavilion Aero 13 | 5.5時間 |
Surface Pro 8 | 6.5時間 |
ThinkPad X1 Carbon | 7.0時間 |
dynabook GZ/HV | 7.5時間 |
ZenBook 14 Ultralight | 8.0時間 |
その他、音や熱は概ね問題ありませんでした。
ペンは非対応
最後に1つ注意点。
Surface Laptop Go 2はタッチパネルですが、ペンは使えません。ペンを使いたいという人は、Surfaceの他のシリーズがおすすめです。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・キーボードのバックライトなし
・USBポートや他の端子類が少ない
・バッテリー駆動時間が短い
長所
・軽くてコンパクト
・高級感のあるデザイン
・明るいディスプレイ
・ビジネス利用までなら快適
・「英数」と「かな」の切り替えがスムース
良い点も多いですが、悪い点も多いです。
その人の使い方やこだわりポイントによって、評価はだいぶ変わりそうです。
例えばOffice付きという点もライトユーザーにはうれしいポイントかもしれませんが、すでにサブスクでOfficeを契約している人には有難迷惑な話で、それならOfficeなしの選択肢も用意してくれよと思うはずです。
Officeの件や、上で挙げた長所、短所をよく吟味して購入することをおすすめします。
Surface Laptop Go 2は性能を追求する機種ではありませんが、日本人が好むポイントを押さえているので人気になるでしょう。
- 軽い、コンパクト
- オフィス付き
- Microsoft製という安心感
これが揃って10万ちょいなら悪くないです。
カラーは、セージ、もしくはアイスブルーがおすすめです。