ASUS ZenBook 14 Ultralight UX435EALは2021年6月発売のモデル。
- 14型ながら995gの軽さ
- バッテリー駆動時もパフォーマンスが落ちない
- 屋外でも見やすいディスプレイ
- 長時間バッテリー
という特徴をもっています。
ビジネス用のモバイルノートとして非常によく出来たPCだと思います。
日本発売モデルはメモリが8GBのみなので、メモリを食うAdobeソフトや動画編集ソフトをバリバリ動かそうとするとモッサリ感が出ます。クリエイティブ作業は諦めて、ビジネス用のモバイルノートとして使うのが正統な使い方かなと感じました。
以下でくわしく見ていきましょう。
レビュー機のスペック
・Windows 10 Home 64bit
・CPU:Core i7-1165G7
・メモリ:8GB (4GB x2)LPDDR4X-4266
・SSD: 512GB
・ディスプレイ:14型 (1920×1200) 、非光沢、IPS
・USB: USB-C x2 (Thunderbolt 4)、USB-A x1
・インターフェイス:HDMI、microSDカード、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・重量: 995g
・Microsoft Office Home and Business 2019
CPUはインテル第11世代のCore i7。
ふつうこのCPUならメモリは16GBあることが多いですが、本機はメモリ8GBです。普段使いやビジネス利用がメインとなるスペックです。
Microsoft Office Home and Business 2019が付いて価格は16.0万円(税込、送料込)
MS Office無しのモデルも用意されており、それだと14.0万となります。その場合、本家Officeと互換性のあるWPS Office Standard Editionが付いてきます。
価格帯としたはちょっと高めですが、1.0kgを切る軽さと細部まで手を抜かずに作り上げられた品質を考えるなら納得プライスだと思います。
※価格は2021年10月22日現在のものです。
※最新情報はASUSの公式ストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
筐体カラーはパイングレー。
ZenBookと言えば天板に同心円状のヘアライン処理がなされたデザインが有名ですが、本機はその同心円状のヘアラインがなく、すっきりとした天板になっています。
下の写真は同心円状のラインが入ったZenBook 14 UM425IA (2020年モデル)
このデザインもいいですが、本機のようなシンプルな天板も悪くないと思いました。
地味な印象ですが、マットな質感で指紋が目立たないのは良い点です。
重量は995g
片手で軽々と扱える軽さです。手に持っても軋むことはなく、頑丈な作りになっています。それもそのはず、本機は米国軍事規格であるMIL-STD-810Hをクリアしています。
ディスプレイは
・FHD (1920×1080)
・非光沢
・IPS
という仕様。
映り込みが少なく見やすいディスプレイです。
・輝度(明るさ) 400nit
・色域 sRGBカバー率 100%
非常に明るく、また色再現性も高いです。
太陽光が入る明るいリビングでも視認性が低下せずはっきり綺麗に見えます。
モバイルノートなので当然外に持ち出すことが多いと思いますが、昼間のカフェや新幹線の座席など明るい場所でもディスプレイが見やすくなっているのは良い点です。
ディスプレイ上部はWebカメラが付いています。IRカメラなので顔認証に対応しています。
使用しないときはワンタッチ(F10キー)でオフにすることができ便利です。
1つ残念なのはパームレストに貼ってある大きなシール。
高級モデルとしては見栄えが悪いです。できるならシールは小さめを1つか2つ、端の方に貼っておいてほしかったです。
良い: 995gとかなり軽い
良い: 明るく、色域の広いディスプレイ
悪い: パームレストに目立つシール
ベンチマーク
CPUはCore i7-1165G7です。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、11037というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Ryzen 7 5700U: 10670
となっています。
レビュー機はほぼ平均値。期待どおりのパフォーマンスでした。
ちなみに電源から外してバッテリー駆動時のスコアもとってみると10419。低下率はわずか6%でした。
AMD Ryzenだと低下率が20%以上になることも多いですが、インテルのCPUはバッテリー駆動時もパフォーマンスが低下しないのが良い点です、
リアルなアプリの快適度
PassMarkはあくまで小手調べ。
当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。
Essentials(一般的な利用) 9048 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6595 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 4634 (目安3450)
Core i7-1165G7 + メモリ16GBという組み合わせとスコアを比較してみます。
ThinkPad X1 Carbon | ZenBook 14 Ultralight | ||
Core i7-1165G7、メモリ16GB | Core i7-1165G7、メモリ8GB | スコア差 | |
アプリ起動 | 11970 | 10843 | -10.4% |
ビデオ会議 | 7698 | 7798 | 1.3% |
Webブラウジング | 8916 | 8762 | -1.8% |
表計算 | 6190 | 6005 | -3.1% |
文章作成 | 7351 | 7243 | -1.5% |
画像編集 | 7262 | 7162 | -1.4% |
レンダリング | 2847 | 2975 | 4.3% |
動画編集 | 4884 | 4671 | -4.6% |
これを見るとメモリ16GBのThinkPad X1 Carbonとほとんど同等のパフォーマンスが出せています。
PCMark 10は軽めのアプリを使用したテストなので、メモリはそこまで重要ではないことがわかります。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
その結果が下の表になります。
CPU | メモリ | タイム | 検証台数 |
本機 Core i7-1165G7 | 4GBx2 | 11.3 | 1 |
Core i7-1165G7 | 8GBx2 | 8.7 | 7 |
Core i5-1135G7 | 4GBx2 | 10.6 | 1 |
Ryzen 7 4700U | 8GBx2 | 10.7 | 2 |
Ryzen 5 5500U | 4GBx2 | 15.7 | 1 |
このテストではメモリ8GBの影響が出ています。
メモリ16GBのCore i7に比べ30%ほどタイムは遅くなっていることがわかります。Core i5 + メモリ8GBと同等といったところです。使用するアプリにもよりますが、本機の場合、画像編集は軽めの作業に留めておいた方がいいでしょう。
◆Davinci Resolveで動画編集
180秒のFHD動画(30fps)の書き出しにかかった時間を計測してみました。
CPU | GPU | タイム(秒) |
Core i7-11800H | RTX 3050 | 65.9 |
Ryzen 7 5800H | AMD Radeon | 79.4 |
Ryzen 7 5700U | AMD Radeon | 99.3 |
本機 Core i7-1165G7 | Intel Iris Xe | 211.3 |
本機のタイムは211.3秒と明らかに遅いタイムでした。Davinci Resolveはメモリを食うアプリなので、メモリ8GBでは厳しいと言わざるを得ません。
◆軽めのゲーム
最後にファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは6027、「やや快適」という結果でした。平均フレームレートは40fpsでした。
メモリ8GBでも軽めのゲームはそこそこいけるようです。とは言え、本機は外部グラフィックスを搭載していないのでゲーム用に使うのは難しいでしょう。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集(RAW現像)
×動画編集
×ゲーム
という目安になります。
基本的にはビジネス利用がメインとなるPCです。
良い: バッテリー駆動時もパフォーマンスが落ちない
悪い: メモリ8GBがネックになることがある
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmです。
キーの配列でまず目立つがEnterキーが大きいという点。
海外メーカーのEnterキーは歪な形をしていたり、細くなってたりしますが、本機はそれがなくとても打ちやすい形状です。
ただちょっと大きくしすぎたせいか、タイプするとカチャカチャと音が響くのが気になりました。Enterを強めに押す人は気を付けた方がいいでしょう。
全体の打鍵感はまずまずです。
左サイドの半角/全角キーが小さいですが、半角/全角の切り替えはCapsLockキーでも可能なのでマイナスは軽微です。
キーボードはバックライト付きなので暗い所でもキーが光ります。
あとタッチパッドはとても滑らかで操作性が良いです。
2本指スクロールがひっかかることなくスムースに流れ、止めたいところでピタっと止まります。
タッチパッドはNumber Padと言って簡易的なテンキーとしても使用できます。
上の動画のように、タッチパッド右上のボタンを長押しするとテンキーが表示されます。
テンキーが表示されている状態でも通常のタッチパッドとしても使用できるので、いちいち切り替えなくてOKです。
良い: 打鍵感はまずまず
良い: タッチパッドの操作性
悪い: Enterキーの音が大きい
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが1つです。
USB-CはThunderbolt 4で転送速度は40Gbpsと高速です。PD対応なのでモバイルバッテリーから充電できますし、映像出力にも対応しています。
USB-Aも1つ残っているのも良い点です。
他はHDMI、microSD、そしてヘッドフォンジャックが付いています。
USB-Cから有線LANポートに変換できるアダプターも付いています。
大事な会議、株やFXのデイトレードなど有線LANが活躍するシーンもたまにありますからこれはうれしいオプションです。
良い: Thunderbolt 4が2つ(高速)
良い: 有線LANのアダプター付き
バッテリー、排気音、熱など
バッテリー容量は63Whrでかなりの大容量です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約8.0時間でした。
厳しめの条件でこの時間なら十分だと思います。
もっと条件が緩ければ終日もたせることも可能です。
他社のモバイルノートと比較しても本機のバッテリーライフの優秀さがわかります。
ThinkPad X13 Gen 2 | 5.5時間 |
HP Elite Dragonfly G2 | 6.0時間 |
mouse DAIV 4P | 6.5時間 |
ThinkPad X1 Carbon Gen 9 | 7.0時間 |
ZenBook 14 Ultralight | 8.0時間 |
その他、熱や音に関しての問題もなく、作業に集中できるPCだと感じました。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・メモリ8GBなのでクリエイティブワークには不向き
・シールがデカい
長所
・バッテリー駆動時もパフォーマンスが落ちない
・995gの軽さ、MILスペック(頑丈)
・明るいディスプレイ
・長時間バッテリー
メモリ8GB問題があるものの、持ち歩き用のビジネスノートとして考えるのであれば、非常に優秀なマシンだと思いました。
1つ残念なのはボディに大きく貼られたシール。あれは見栄えが悪いので、慎重に剥がしてから使いたいと思いました。
それ以外の大きなマイナスはありません。
995gの軽さと頑丈さ。そして長時間バッテリー。モバイルノートの特長としては申し分ないです。あとバッテリー駆動時にもパフォーマンスが落ちないのも素晴らしいところです。
30日間は返品可能
ZenBook 14 UltralightをASUSストアで購入すると30日返品保証が付いてきます。
購入後にどうも気に入らないとなったときでも返品が可能というすごいサービスです。
ASUSのパソコンは初めてで不安だという人も返品サービスがあれば安心です。
あとさらに、あんしん保証プレミアムとして3年分の保証が付いてきます。
あんしん保証プレミアムは
- 無料で修理
- ただし無料修理は1年に1回まで
- 3年間有効
- 原因は何でもOK。
- 普通は保証の対象外となる水没や落下による破損でもOK
と非常にありがたいサービスになっています。
以上のように、ASUSストアで買うと特典が大きいです。
週末には割引価格で販売されることもあるのででぜひASUSストアをチェックしてみてください。
⇒ ASUSストア ZenBook 14 Ultralight
1.25kgのZenBook 14 UM425IA
ASUSは1.25kgのZenBook 14 UM425IAというモデルも販売しています。
CPUがRyzen 7 4700U、メモリが8GBという組み合わせであれば11.3万(税込、送料込)。軽さにそこまでこだわないのであればこちらもおすすめです。
Amazonで購入できます。