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A級順位戦、稲葉八段-渡辺竜王で見た非常に面白い手順

A級順位戦8回戦 稲葉陽八段と渡辺明竜王の対局。

稲葉八段はここまで7戦全勝。もしこの対局に勝てば、最終戦を待たずして名人挑戦権を獲得することになります。
対する渡辺竜王は4勝3敗。挑戦権の可能性はなくなりましたが意地を見せたいところ。

試合は角換わりから渡辺竜王が右玉へ。力戦模様になります。

図は稲葉八段が56歩と突いたところ。

ここで渡辺竜王が指した手は非常に面白い手順でした。

36歩!

まず歩を突き、同飛の一手に33歩と金取りを受けます。

なんだ、これ?

わざわざ3筋の歩をタダで取らせて、33歩と受けに回るなんてどんだけ素人なんだよ・・と思われるような手順です。

しかしこれが巧妙な手順でした。

33歩と受けた局面では、後手から次に28角の打ち込みがあります。これがとても受けづらいのです。

26飛と飛車を元の場所へ戻るのは35角の王手飛車があります。

驚くべきことに、すでに先手がちょっと苦しいようです。

実戦では28歩と受けましたが、以下39角、26飛、84角成と進みました。

この84角成の局面。後手はかなり手ごたえを感じたのではないでしょうか。
歩切れですが、94歩からいつでも歩切れは解消できますし、何より非常に手厚い構えなので「負けない将棋」になってます。

ここからじわじわと差が広がり、最後は稲葉八段の捨て身の攻撃をしっかりと受け止めて見事な勝利を飾りました。

この一局のハイライトは36歩~33歩だったと言えるでしょう。

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