街並みや道行く人を写真に撮るのは、とても楽しいですが、肖像権やマナーの問題も絡んでくるので慎重にならないといけません。
基本的にぼくは
1.人(撮られる人)が嫌がることはしない
2.人物を特定できるような顔出し写真は載せない
3.人物はシルエット、後ろ姿、または顔が認識できないくらい小さいであればOK
という線引きで撮っています。
なぜそこまでして人物を撮りたいのか? 不思議に思われるでしょう。
例えばこれは銀座の街並みを撮った写真。
左半分は特徴的なエルメスの店舗。右上方は斜めに切れた空。これだけだと普通の風景写真ですが、ここに道行く人を足すとこうなります。
構図はほとんど同じですが、傘をさして歩く女性が入るだけで写真が劇的に変わったかな~と思います。
自分でもうまく説明できないのですが、写真における人の存在感ってすごいなあと。
人物と背景の街並み。そのバランスがストリート写真の醍醐味だと思うわけです。
構図を考える楽しみもありますし、基本的に同じ場面は二度と来ないのでオリジナリティも確保されています。
何より人物のシルエットが、写真に大きなパワーを与えてくれるのです。
これはflikcrで見つけたライセンスフリーのストリート写真
カッコいい写真です。
もしこの写真に人物が写っていなかったとしたら・・って想像してみてください。
人を撮る意味がわかってもらえるかと思います。
それでも人物を撮るのは、あくまでルールやマナーを守った上での話。
- 人物が特定できるような写真はダメ
という線引きは、いまのSNS時代ではしょうがないラインかもしれません。
でないと、一般の理解は得られないでしょう。
ストリートスナップを撮る人の中には、それでは本当の人間の姿を撮ったことにならないと嘆く人もいるでしょう。しかしそんなことを言っていてはどんどん写真家の立場は悪くなる一方です。特にタチが悪いのが、我々アマチュアが芸術家気取りで、撮る権利を一方的に主張することです。
自分が森山大道にでもなったかのような錯覚。ストリート写真を撮ってる人なら、心当たりがあるはずです。
そういう人は注意しましょう。あなたのやってることは、単なる人マネかもしれないですし、人を不愉快にさせているかもしれません。
肖像権について法的な解釈を聞きかじり、そこで思考停止してしまってる人もいます。表現の自由を盾にして、撮られる人の気持ちを考えないなんて最悪です。
ここは一歩下がって、このラインで我慢しましょうというのが最初に挙げた線引きです。
でも、もしかしたらこれでも不十分かも・・・
そんなふうにいつも自問自答しながら、謙虚な気持ちを忘れないようにしないといけません。