無料のRaw現像ソフトRaw Therapeeはなかなか良く出来たソフト。
以前、おすすめの現像方法として処理プロファイル「Genetic」→「DeepShadows」を行ってから最後にトーンマッピングで仕上げる方法を書きました。
通常ならこれで十分なのですが、強い逆光のシーンではまだ不十分なことがあります。
それはどういうことかというと・・
例えば上のような写真。これはJPEG撮って出し。
まあ悪くはないんですが、全体的に色味が薄く、シャドウも潰れ気味です。
この写真のRawデータに上で述べたDeepShadowを施すと、さらにシャドウが潰れしまいます。そこでDeepShadowの後に露出補正を行い、トーンマッピングで手前の人物のディテールを回復させます。
それがこの写真。
見てわかるように、手前はだいぶ明るくなりましたが、今度は空が明るすぎです。
ここで「グラデーションフィルター」を使います。
有効にチェックを入れ、黄色で囲まれたマークをクリックすると、以下のような編集画面になります。(ぼくが使っているのはVer 4.1.1なので最新のものとは一部違う点があるかもしれません。)
中央に出てきたラインはマウスでドラッグでき、上下左右自由に動かせます。
これは、どこから上を暗くするか、そのラインを決める作業です。
暗くしたい空の部分にラインを持っていき、そこでグラデーションフィルターの強度を調整すると以下のようになります。
空がだいぶ暗くなり、太陽の輪郭がはっきり見えるようになりました。
逆光の写真で、空をとるか、手前の人物をとるか、というのは写真編集でよくあるシチュエーションですが、このようにグラデーションフィルターを使うことで両方をとることが可能です。
まず手前の被写体に露出を合わせてから、最後に空を暗くするのが手順としては簡単でしょう。
皆さんもぜひ試してみてください。