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ノートパソコンのベンチマーク。CinebenchよりもPCMark 10を重視したい理由。

パソコンの性能を測るベンチマークソフトはいろいろあります。

  • Cinebench
  • PassMark
  • PCMark 10
  • 3DMark
  • CrystalDiskMark

などが有名ですが、この中で最近ぼくが最も重視しているのがPCMark 10です。

ゲームの快適さとなると、グラッフィク性能を測る3DMarkが一番ですが、それ以外の全体的な性能を測るならPCMark 10が良さそうです。

ベンチマークは簡単に言うと、

1.足し算やかけ算などの簡単な問題をいかに早く解けるかどうかチェック

2.微分積分など理系の数学を早く解けるかどうかチェック

みたいな違いがあります。我々の日常生活に役立つのは「1」の方で、「2」はそんな気にしなくてもいいという感じに似ています。

PCMark 10はどちらかというと「1」寄りのテストです。

  • ネット閲覧
  • Web会議
  • オフィス系ソフト
  • 画像編集
  • 動画編集

軽め~ちょっと重めまでの作業快適度を測るのに適しています。

PCMark 10は実際のアプリケーションを利用しているので、ベンチマーク結果と、実際にそのパソコンを使ってるときの体感スピードが近いように感じます。

PCMark 10の結果 ≒ リアルな性能

CPU性能を測定する上で最も使われるCinebenchは、CPU以外の要素にほとんど依存しないテストなので、純粋な性能を測るには最も良いとされています。

しかし、ぼくの印象は、いかにも「試験管内のテスト」って感じで、リアルな性能に直結しにくいように思えます。

Cinebenchはマルチスレッドに最適化されているので、実際のワードやエクセル、Photoshopとといったアプリでの体感スピードを推定するには不十分なテストです。実際にはもっとシングルスレッドの性能が効くことが多く、Cinebenchのマルチスレッドのスコアだけを盲信するのはあまり良くないと考えています。

PCMark 10での測定項目

PCMark 10は無料でインストールでき、以下のような項目をチェックできます。

◆Essentials

アプリ起動
ビデオ会議
Webブラウジング

◆Productivity
表計算
文章作成

◆Digital Content Creation
画像編集
レンダリング
動画編集

それぞれのスコアには目安があり、

Essentials 目安4100
Productivity 目安4500
Digital Contents Creation 目安3450

となっています。

この数値を上回れば、一応その項目に関してはOK。快適に動くよってことです。

全体のスコアを見るのではなく、1つ1つのスコアを見ることが重要です。

Core i7-1165G7とRyzen 7 4700U

PCMark 10でCore i7-1165G7とRyzen 7 4700Uを比較すると以下の表のようになります。

表は同じASUSのZenBook 13(Core i7)とZenBook 14 (Ryzen 7)でのテスト結果です。

これを見ると、Core i7の方が上の項目もあれば、下の項目もあって、全体的にはいい勝負であることがわかります。

よく知られたCinebenchのスコアは、

Ryzen 7 4700U > Core i7-1165G7

なので、一般の認識ではRyzen 7にはCore i7は敵わないとふうに捉えられいるかもしれませんが、必ずしもそうではないということです。

問題点

PCMark 10にも問題はあります。

PCMark 10はリアルなアプリを使っていると書きましたが、オフィスソフトはMicrosoft OfficeではなくLibre Officeというオープンソースのソフト。画像編集ソフトもGIMPというマイナーソフトです。現実に即したアプリとは若干ギャップがあるというのが問題点です。

そのため、例えば「Photoshopがどのくらい快適か?」という疑問は、実際にPhotoshopを使ってみないと正確にはわからないです。

PCMark 10の結果からある程度は推定できますが、それでも100%の断言はできません。

実際、PCMark 10の画像編集のスコアは

・Core i7-1165G7: 7228
・Ryzen 7 4700U: 7205

とほぼ互角ですが、PhotoshopでRAW現像を行ってみると

・Core i7-1165G7: 0.82秒(1枚あたり)
・Ryzen 7 4700U: 1.03秒(1枚あたり)

となり、Core i7の方が20%も速いことがわかります。

PCMark 10の結果だけではわからないことですが、Cinebenchだけ見てるよりは精度は上がることは確かです。

また同時にPhotoshopはシングルスレッドがけっこう重要ということもわかります。

これがレンダリング用のソフトBlenderになってくると、マルチスレッド性能が重視されるのでRyzen 7が有利になります。

このように、リアルでよく使われるアプリの快適度は実際に使ってみないとわからないです。

問題点のもう1つは、PCMark 10の情報量がまだまだ少ないので、結果を見てもそれが程度のものなのか判定しにくいという点です。

CinebenchやPassMarkはCPUごとのスコアが表としてまとまっていて、とても見やすいですが、PCMark 10のスコア情報はまだそこまでの水準にはありません。

しかし、いくつかのPCレビューサイトにPCMark 10のスコア情報が掲載されいるので、そのスコアを参考にすれば、自分が買うべき最適なCPUが大体推定できるようになっています。

まとめ

当サイトが重視しているベンチマークはPCMark 10です。
実際にはまだまだな部分もありますが、少なくともCinebenchよりはリアル性能に近い値を出してくれます。

全体のスコアではなく、1つ1つの項目のスコアをチェックしてみましょう。

自分でテストを実施するのもいいですが、レビューサイトに載ってるスコアを参考にするだけでも、かなりCPU選びに役立つと思います。

ちなみにPCMark 10はSteam上で動くソフトなので、まずSteamをインストールしておきます。その上で、PCMark 10のBasic Edition(無料)をインストールしてください。

Steamのインストールはこちらから

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