Intel第11世代のノートPC用プロセッサー(TigerLake)は、各メーカーの機種によって性能が大きく変わるので、平均値をとる意味が今までよりも薄れています。
でも一応の目安として平均値でざっとした特徴をつかみたいという人もいると思うので載せておきます。
1つはCinebench R23のスコア(SingleとMulti)
もう1つはPassMarkのベンチマークスコアです。
Cinebench R23 Single | Cinebench R23 Multi | Passmark | |
Ryzen 7 4700U | 1184 | 6874 | 13812 |
Ryzen 5 4500U | 1151 | 5620 | 11314 |
Core i7-1165G7 | 1504 | 6070 | 10974 |
Core i5-1135G7 | 1343 | 5913 | 9290 |
Core i7-1065G7 | 1153 | 4475 | 8980 |
Core i5-1035G4 | 1092 | 4332 | 8319 |
Cinebenchは最近新しくなってR23になっています。まだサンプル数が少ないので今後スコア変動があるかもしれません。
Cinebench R23のシングルコアではTigerLakeは強いです。
ライバルのAMD Ryzen 4000シリーズよりも上です。
Cinebench R23のマルチコアでは、Ryzenに逆転されます。
ただRyzen 5 4500Uのスコアはやや低めに出ており、
Ryzen 7 > Core i7 > Core i5 > Ryzen 5
という並びになっています。
PassMarkのスコアを見ると、
Ryzen 7 > Ryzen 5 > Core i7 > Core i5
という並び。
Ryzen 5が2位に来るか4位になるかという違いがあります。
まあ大体の傾向を言うと、
- TigerLakeはシングルが強い
- マルチだとRyzen 4000シリーズにちょっと負けてる
となります。
ここでじゃあ、シングルとマルチのスコアがどのくらい実際のアプリの速さに効いてくるのか?という疑問が生じます。
一般論として
- ネット、動画鑑賞の軽めの作業ならシングル性能が効く
という傾向がありますが、実際にはCPUとアプリの相性があるので「こっち」と言い切ることは難しいです。
例えば、Adobeの画像編集ソフトLightroomやPhotoshopはシングル性能が効くので、TigerLakeの方がRyzen 4000シリーズよりも速いです。
一方レンダリングを行うBlenderでは、マルチ性能が効くのでRyzen優位となります。
今回はCPUのベンチマークを紹介しましたが、グラフィックスまで含めて全体を見るとTigerLakeの方に優位性があるような気もします。
マルチコアのベンチマークスコアだけ見るとRyzenなのですが、体感できる速さという意味ではTigerLakeと言えます(用途によって変わってきますが)。
以上、Intel第11世代(TigerLake)のざっくりまとめると、
- マルチコアのスコアはRyzen4000よりも下。
- でもネットや動画鑑賞など軽めの作業ならRyzenより少し速い。
- Adobeとも相性が良い
と言えます。
◆補足
TigerLakeのベンチマークの注意点としては、TDP(熱設計電力)が12W~28Wと幅があり、メーカーの筐体設計によって性能が大きく変わるということです。
TDPが大きいほど、CPU性能も高くなります。しかし薄型軽量ノートではしっかり冷却できるための設計が難しいので単純にTDPを上げれば良いという話でもありません。
CPUパワーと軽量化、どこでバランスをとるかは各メーカーの機種によって変わってくるはずです。つまり、Core i7-1165G7のベンチマークはどのくらいかというその数値は機種によって幅が出るということです。
今までも(第10世代以下でも)機種ごとによってベンチマークスコアが変わっていましたが、より一層その傾向が強まっているということです。