AMD RyzenのZen3アーキテクチャになるRyzen 7 5800Hは8コア16スレッドのCPU(APU)で、ゲーム用、クリエイター向けPCに搭載されています。
16スレッドとスレッド数が大きいのでCinebenchやPassMarkのスコア(マルチ)は高く出ます。

Ryzen 7 5800Hはシングルスレッド性能も高いです。

これまでのRyzen、Ryzen 7 4800HやRyzen 7 5700Uはこのシングルスレッドのスコアが低いことがわかります。
以前のRyzenだと苦手な作業が多くて使いづらい、なんやかんやいってインテル方が安定しているという傾向があったのですが、Zen3のRyzenになってそれが解消されてきています。
Ryzen 7 5800Hなら、画像編集、動画編集、ゲームなどにも適していると思います。
実際ぼくが購入したLenovo IdeaPad Slim 560 ProでPassMarkのスコアをとると、
シングルが3224
マルチが21292
とほぼ期待どおりのスコアが出てました。

◆PCMark 10
リアルなアプリを使ったベンチマークPCMark 10のスコアも優秀です。
ZenBook 13 | ZenBook 14 | IdeaPad Slim 560 Pro | |
Core i7-1165G7 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 7 5800H | |
16GB (8GB x2) | 16GB (8GBx2) | 16GB(8GB x2) | |
アプリ起動 | 11870 | 9515 | 12761 |
ビデオ会議 | 7679 | 8305 | 8729 |
Webブラウジング | 9017 | 8247 | 9121 |
表計算 | 6044 | 9187 | 12131 |
文章作成 | 7720 | 6033 | 7661 |
画像編集 | 7228 | 7205 | 9298 |
レンダリング | 2830 | 5195 | 6751 |
動画編集 | 4749 | 3568 | 4724 |
アプリ起動やWebブラウジングといった基本的な作業のスコアはこれまでインテルに到底勝てない分野でしたが、Ryzen 7 5800Hで逆転しています。
◆Adobeとの相性、Core i7-11800Hとの比較
BAPCo社のCrossMarkのCreativityはAdobe系のソフトを使用したベンチマークですが、そのスコアもまずまず優秀です。

RyzenとAdobeの相性問題はまだ完全には解消されておらず、Core i7-11800HやCore i7-11370Hの下という位置づけです。
ただこの辺は使用するベンチマークによってスコアが微妙に変わるので、参考程度に見ておいた方がいいでしょう。
実際、Pugetシステムを使用したPhotoshopのベンチマークでは、Core i7-11800Hを少し上回るという報告もあります。

Core i7-11800Hとの比較では、
- ゲーム: ほぼ互角(若干11800H)
- Adobe: 11800H有利
- Blender: 5800H有利
- 動画エンコード: 5800H有利
といった感じです。
Ryzen 7 5800HはCore i7-11800Hよりも安いことが多いので、コスパ的な魅力も考えてRyzenを選択するのは全然ありだと思います。
ちなみに、同じRyzen 7でも5800Uとは差があります。画像編集、動画編集用で5800Uか5800Hで迷うなら5800Hの方が良いでしょう。
◆Ryzen 7 5800H搭載のミニPC
Beelink SER5 Proが評判良いです。

Ryzen 7 5800H
メモリ 16GB
SSD 500GB
という構成で4.7万円(税込、送料込)
画像編集や軽めの動画編集くらいまでなら快適にこなせると思います。