dynabook ZZ75/Lは2019年9月発売の15.6型ノート

量販店モデルはdynabook Zシリーズという名称で販売されています
ネット販売ではdynabook ZZシリーズとなっていますので、以下ZZシリーズ(ZZ75/L)という名称を使用していきます
Dynabook(旧東芝)には15.6インチで既にdynabook AZシリーズがありますが
今回紹介するZZシリーズは軽さや薄さ、カッコ良さを重視したモデルです
AZシリーズが2kgオーバーの据え置き用ノートなのに対し、ZZシリーズは1.4kg(正確には1.399kg)と持ち運びも可能な軽さが特長です
◆レビュー機のスペック
・CPU:Core i7-8565U
・メモリ:16GB
・ストレージ: 1TB SSD + 32GB Optaneメモリー
・ディスプレイ:15.6型 FHD(1920×1080) IGZOパネル
・USB: USB typeC x2 (Thunderbolt 3)、USB3.0 typeA x2
・インターフェイス:HDMI、microSDカード、ヘッドフォン
・バッテリー: 約19時間(Lサイズ)
・サイズ、重さ:約 359×250×17.6 mm、1.399kg
CPUの選択肢はCore i5-8265UとCore i7-8565Uの2種類ありますがレビュー機はCore i7です
レビュー機のストレージはSSD + Optaneメモリーという珍しい仕様です
HDDを速くするために使われるというイメージがあるOptaneメモリーですが、SSDと併用することでさらなる高速化が期待できます
Core i7、メモリ16GB、SSD+Optaneメモリー、という構成で価格は22.0万円(税込、送料込)となっています
ちなみに一番安い構成は
Core i5
メモリ8GB
SSD 256GB
で15.5万円です
オプションでMicrosoft Officeを付けることも可能です
価格はDynabook Directの会員価格です
会員登録は無料かつ簡単で、値引き幅も大きいので会員登録をお薦めします
また、価格は時期により変動することがあるので最新情報はdynabook公式のオンラインストアで確認してください
◆見た目、デザイン
筐体カラーはオニキスブルー

やや青みのあるブラックですが、室内だとほぼブラックに見えます
マグネシウム合金のボディは薄くてとてもかっこいいです

天板のデザインも高級感があります
液晶ディスプレイはIGZOパネル

非光沢タイプで映り込みは最小限でとても見やすいです
明るさ、視野角ともに平均以上です

特に視野角の広さはとても優秀です
ディスプレイ上部のフレームにはカメラが付いていますが、使用しないときはシャッターをスライドすることでカメラを隠すことが可能です

万が一不正なアクセスがあったときも安心です
◆ベンチマーク
CPUはCore i7-8565U
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、8964というスコアでした。

PassMark社が発表している平均値は、
Core i5-8265U 平均値8024
Core i7-8565U 平均値8911
となっています。
レビュー機はちょうど平均付近。期待どおりのパフォーマンスでした。
ストレージはSSD 1TB + Optaneメモリ32GBです
SSDのキャッシュとしてOptaneメモリを動作されることにより、通常のSSDより高速化が期待されます
ベンチマークをとると以下のようになります。

シーケンシャルリードは2500MB/sとこちらは平均的。
通常のSSDと違うのは4Kリードでしょうか
4Kリードは小さなファイルの読み込みスピード。ファイルを開いたりアプリを立ち上げたり・・体感速度に直結してくる部分ですがこれが76MB/sと通常のSSDよりも速くなっています
ただし4Kライトの方は通常のSSDだと150~200MB/sは出るのでこちらは劣っています
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約24秒で、平均(12秒)よりもかなり遅いタイムでした。
※数回タイムを測定しました
Optaneメモリの主な特長は、使用頻度の高いアプリの起動時間が短くなること。なので今回のテストではその良さが発揮されないようです。
とは言え、この起動時間の遅さは大きなマイナスです
さらなるテストとして、画像編集の処理速度も行いました。
いくつかの画像を合成して1つの画像を構成する処理なので、
CPUやSSDなど総合的な性能が効いてくるはずです
以下条件の違う4つのPCでのテスト結果です。
1.Core i5-7200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-8250U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約33秒
3.Core i5-8265U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約29秒
4.Core i7-8265U、メモリ16GB、SSD1TB + Optaneメモリ32GB
処理にかかった時間:約29秒
最後4番目の結果が本機の結果です。
こちらはまずまず平均的なタイムとなりました
以上をまとめると、
CPUテスト: 平均
SSDテスト: 平均
起動: 悪い
画像編集: 平均
という感じ。
全体的なパフォーマンスは期待どおりですが、起動の遅さが気になります
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。

打鍵感はとても良いです

キーを押したときの反発が適度に効いています
ストロークが深いだけだと、砂地を歩いてるような感覚で軽やかにタイプすることができないのですが、このdynabook ZZ75/Lは適度な反発力もあるので非常にスムースにタイプ可能です
キー配列は右にはテンキーがなく、右端のエリアが少し小さいです

13インチクラスのノートPCだと許容範囲ですが、15インチのノートPCならこの辺もしっかりやってほしいなという気がします
タッチパッドの広さは98 x 57 mmで少し狭いですが操作性はまずまず良好です

◆インターフェイス
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが2つです。

USB-CはPower Deliveryに対応しています。出力電圧が7.5W以上であればスマホ用のモバイルバッテリーでも充電可能という点はすばらしい点です

またUSBポートが全部で4つあるのもうれしい点です
細かいこと言わせてもらうと、USB-Cが右側面、USB-Aが左側面と種類が偏っているのがマイナスです。左右それぞれに種類の違うポートがあるとより使い勝手が良くなったと思います
他のインターフェイスはHDMIとヘッドホンジャック、そしてmicroSDカードスロットです
有線LANポートはありません
また光学ドライブ(DVDドライブ)も付いていません
この2つは15.6型のノートPCだと付いてるものと思っている人がいるかもしれませんので注意しましょう
◆バッテリー、排気音、熱など
バッテリーの駆動時間は公称値で19時間です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約8時間。平均以上の良い結果です
もっと軽めの作業なら終日OKなはずです
その他、静音性や筐体の熱は特に問題はありませんでした。
◆まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
起動・処理速度 | ☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆ |
短所
・起動が遅い
・コスパ面でやや劣る
長所
・大きな画面(15.6インチ)で1.4kgと軽量
・キーボードが打ちやすい
・静音性
マイナス面はWindowsの起動に時間がかかる点です
SSD + Optaneメモリーという仕様でですが、本記事でテストしたような状況では通常のSSDとほとんど差はなく、OS起動のみ遅くなってしまってます
ちなみにシャットダウンも遅いので、再起動には相当時間をとられます
今後BIOSのアップデート等で改善されるかもしれませんが、もし心配ならストレージのOptaneメモリーは避けた方がいいかもしれません
Optaneメモリーはなしで、SSDのみを選択できます
SSDのみの場合は容量は256GBと512GBの2通り。
CPUがCore i5なら256GB、Core i7なら512GBとなります
起動以外の性能はとても優秀です

CPUの性能はしっかりMAXまで出せてますし、ディスプレイも大画面できれいです
平常時の音も静かで、キーボードも打ちやすい。多くの項目で高い評価点を与えられるくらいの優秀なノートPCです
Core i5-8265U
メモリ8GB
SSD 256GB
という構成にすると、
10月27日現在で15.5万円(税込、送料込)です
正直に言うと、コスパはあまり良くありません
少し条件をゆるめると他メーカーで10万以下の機種がいくつかあります
つまり、15.6インチで1.4kgというところにどのくらいの価値を見出すかでこのdynabook ZZ75/Lを選ぶかどうかが決まると思います
1.4kgは15.6インチノートとしては軽量ですが、毎日持ち歩くとなると少し厳しい重さでもあります
カフェや電車で広げるにはスペースを取りすぎます
より軽さやコンパクトさを重視するなら1.2kg以下の13インチノートがいいでしょう
「いやいや、私はどうしても大きな画面(15.6インチ)がいいんだ」という人で
同時にそこそこの軽さを求めるならこのdynabook ZZ75/Lは有力な候補です
外に持ち出さなくても、自宅のソファやベッドで横になりながら、パソコンを見るとなったときにはこの1.4kgという軽さがかなり効いてくるはずです
2kgオーバーの据え置き用ノートとは違った使い方が可能です
今後さらにこのdynabook ZZ75/L(Zシリーズ)が値下がりしてくれる可能性もありますので、最新情報をチェックしてみてください
繰り返しになりますが、 Dynabook Direct の無料会員登録も忘れずに。会員になるだけで割引率が大幅にアップします
個人的にはCore i5モデルが12~13万くらいになってくれないかな~と願っています(笑)