今回はDELL Inspiron 14 5445のレビューです【貸出機材提供:DELL】

Inspiron 14 5445は2024年3月発売のノートPC。
- CPUはAMD 8040シリーズ
- 14インチ FHD、16:10
- ボディは樹脂製
- コスパは良い
- Webカメラ、キーボード周りで欠点も
という特徴があります。
結論から言うと、良い点と悪い点がはっきり分かれた機種です。
性能の良さと安さは魅力ですが、細かい欠点をよく理解した上で購入した方がいいでしょう。
レビュー機のスペック
・Windows 11 Home 64bit ・CPU: Ryzen 7 8840U ・メモリ: 16GB (8GBx2) メモリ増設可能 ・内蔵GPU: Radeon 780M ・SSD: 1TB ・ディスプレイ: 14インチ 1920x1200、非光沢、IPS ・USBポート: USB-C x1、USB-A x2 ・インターフェイス: SDカードスロット、HDMI、ヘッドフォン ・Webカメラ: HD(720p)、プライバシーシャッターなし ・顔認証なし、指紋認証なし ・重量: 1.61kg
レビュー機はRyzen 7モデルです。
6月6日時点の価格はカラーがアイスブルー10.6万円(税込、送料込)、カーボンブラックが8.4万円(税込、送料込)です。
価格変動は大きいです。アイスブルーも8万円台になるときもあるので、良いタイミングで買うのが賢明です。
※価格の最新情報はDELLのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはアイスブルーとカーボンブラックの2種類

レビュー機はアイスブルーです。
明るく涼しい色で良いと思います。

ボディの材質は樹脂(再生プラスチック)ですが、そこまで安っぽさはないと思いました。
カラーを選ぶときはアイスブルーをおすすめします。こっちだと少し光沢感があります。カーボンブラックの方は、光沢感がないせいか、ちょっと安っぽく写るかもしれません。
重さは1.61kg
14インチではちょっと重めです。
樹脂製なのにこの重さというのは残念な点です。ただその分しっかり作られていて、ペラペラ感がないのは救いです。
ディスプレイは
・FHD相当 (1920×1200)
・縦横比16:10
・非光沢
・リフレッシュレート 60Hz
・輝度(明るさ) 280nit
・色域 sRGBカバー率 63%
という仕様。

色域は広くないので、画像編集(RAW現像)やイラスト制作といった色を扱う作業には向かないかもしれません。
7万で買えるLenovoのIdeaPad Slim 3 Gen 8と比較すると以下のとおり

本機の方が発色は良いです。
両方とも色域は広くないのですが、その中でも発色で差が出ることがわかります。

悪い: 14インチPCとしては重め
微妙: ディスプレイの発色はまずまず、色域は狭い
Webカメラ

WebカメラのHD(720p)。
いまは7~8万のPCでもFHDが主流です
本機はHDで解像度が低くノイズも多めでした。

さらにカメラにプライバシーシャッターが付いていないのもマイナス。
不正なアクセスがあった場合でもシャッターでカメラを隠しておけるという意味でも付いていてほしかったです。

悪い: Webカメラは2023年からグレードダウン
ベンチマーク
CPUはAMD Ryzen 7 8840Uです
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3800
マルチスレッド: 26118
という結果でした。

期待よりも少し高めで優秀なスコアです。

2023年のRyzen 7がグラフ一番下の7730Uなのでそれと比べると、大きくアップしているのがわかります。
◆PCMark 10
PCMark 10はリアルなアプリを使用したベンチマークで、一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。その結果は以下のとおりです。

ここで注目したのはデジタルコンテンツ制作のスコア
CPU | GPU | Digital Contents Creation | |
Yoga Pro 7i Gen 8 | Core i7-13700H | RTX 4050 | 9520 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 9036 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 5 125H | Intel Arc | 7991 |
Inspiron 14 5445 | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 6973 |
IdeaPad Slim 5i Gen8 | Core i5-1340P | Intel Iris Xe | 6594 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | AMD Radeon | 5149 |
現行のCPUでは「中の上」クラスです
Core Ultra 5 125H搭載のInspiron 13より下のスコアでした。
先に挙げたPassMarkスコアは優秀でしたが、実際のアプリで計測すると順位は少しダウンします。
2023年のInspiron 14 5435と比較すると大きな飛躍です。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
機種 | CPU | タイム(秒) |
Yoga Pro 7i Gen 8 | Core i7-13700H | 5.1 |
Inspiron 13 5330 | Core Ulta 5 125H | 6.7 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | 6.7 |
Inspiron 14 5445 | Ryzen 7 8840U | 6.9 |
Zenbook 15 OLED | Ryzen 7 7735U | 7.4 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 9.0 |
まずまずの速さです
2023年のInspironと比較すると、30%もスピードアップしてます。
◆AIによる画像処理 (Photoshop)
Photoshopのノイズ除去はAIを利用した新機能です。この処理にかかる時間も計測しました。
機種 | CPU | グラフィックス | タイム (秒) |
Yoga Pro 7i Gen8 | Core i7-13700H | RTX 4050 | 21 |
Inspiron 14 5445 | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 54 |
Yoga 7 2-in1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 58 |
Zenbook 15 OLED | Ryzen 7 7735U | Radeon 680M | 101 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 5 125H | Intel Arc | 147 |
上位の速さです。インテルの最新CPUの3倍くらい速いです。専用GPUのRTX 4050を搭載したPCにはまだ及びませんが、とても良い結果です。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。
機種 | CPU | タイム (秒) |
Yoga Pro 7i Gen8 | Core i7-13700H | 42 |
Yoga 7 2-in1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | 49 |
Pavilion Aero 13-be | Ryzen 7 7735U | 62 |
Inspiron 14 5445 | Ryzen 7 8840U | 63 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 125H | 71 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 79 |
書き出しは平均的な速さです
PassMarkスコアから見るともう少し速くてもいいかなと思いました。
◆ゲーム性能
F 14 黄金のレガシー(2024年発売)の結果は以下のとおり。

1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは4698、「普通」という結果で平均フレームレートは32fpsでした。
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 40fps |
Inspiron 14 5445 | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 32fps |
IdeaPad Slim 3 Gen8 | Ryzen 5 7530U | Radeon | 24fps |
本機の内蔵GPUはRadeon 780Mです。同じRadeon 780MのYoga 7 2-in-1よりも少しフレームレートは下がっています。ゲームは軽めのものを低設定で楽しむくらいが限度でしょう。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞 ○オフィス系ソフトで事務作業 ○Web会議 〇画像編集 △動画編集 ×ゲーム
という快適度になります。

良い: 2023年のInspironから大きく性能アップ
良い: PhotoshopのAI処理が大きく進化
微妙: クリエイター向けというにはちょっと足らない
キーボードの配列と打鍵感

キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.4mmです。
EnterキーとBackspaceキーが横をくっついてしまってるのは残念ですが、そこはいつものInspironなので想定済み。打鍵感はまずまずです。
しかし、キーボード右上に電源ボタンが配置されているのは大きな問題です。
このボタン、間違えて押しても機種によっては強く押さないと反応しないように作られているのですが、本機はそれなりの強さで反応してしまいます。

軽くなら大丈夫ですが、ちょっとだけ力が入ると反応します。
この加減は文章で伝えにくいので、気になる人は量販店で実機をさわってみることをおすすめします。
2023年モデルもこの位置に電源ボタンがありましたが、それよりも反応しやすくなってると思います。
あと
・バックライトがない
・指紋認証なし
といろいろコストを削っているのがわかります。

悪い: 電源ボタンの位置(反応しやすい)
悪い: バックライトなし、指紋認証なし
インターフェイス


USBポートはUSB-Cが1つ
・転送速度 10Gbps
・PD対応(モバイルバッテリーから充電OK)
・映像出力可能
という仕様です
Thunderboltではないので転送速度は遅いですが、他に機能は同じです。
あとはUSB-A、SDカードスロット、HDMIなどが付いています。
14インチPCとしては平均的なインターフェイスです。

良い: デジカメ用のSDカードスロット
バッテリー、駆動音、熱など
バッテリー容量は54Whです。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約8.5時間。
Inspiron 13 5330 (2024) | 9.5時間 |
Inspiron 14 5445 | 8.5時間 |
Inspiron 14 5435 | 8.5時間 |
Yoga 7 2-in-1 Gen 9 | 6.0時間 |
Pavilion Aero 13-be | 6.0時間 |
長めのバッテリーライフです。
熱や音については少し気になる点が。
負荷時のファン音は36デシベルで平均的です

ただアイドル時(負荷がかかっていない時)でもファンが動き続けることがあります。
そのときは31デシベル。うるさいというほどではないですが、ファンが回ってるなと感じるくらいの音量で気になりました。
ファン制御に関しては、今後BIOSアップデートで改善する可能性もあります。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
悪い点
・14インチPCにしては重め
・Webカメラ周りの仕様がグレードダウン
・生体認証なし
・キーボード右上に電源ボタン
・ファンが回り続けることがある
良い点
・2023年モデルよりも大きく性能アップ
・PhotoshopのAI処理が速くなってる
・長めのバッテリーライフ
2023年モデルよりも性能が大きく上昇したものの、Webカメラやキーボードなどがグレードダウンしました。
長所短所ありますが、性能と価格だけで見れば優秀です。
細かいところはあまり気にしないという人、性能重視の人におすすめできるPCです。
Ryzen 7 8840U搭載モデルなら、画像編集や軽めの動画編集まで幅広く対応しています。
カラーはアイスブルーが良いでしょう。ブラックにすると光沢感がないので、ちょっと安っぽく見えます。
価格も5月下旬に8.7万まで安くなったことがあります。
この価格で買えるなら、他のマイナス点に目をつぶってもいいかなと思える安さです。
6月6日時点では10万を超えていますが、しばらく待てばまた値下がりするのではないかと予想します。
DELLは兄弟機にInspiron 14 5440というインテルCPUを搭載した機種もあります。
Inspiron 14 5440 | Inspiron 14 5445 | |
CPU | Core 5 120U | Ryzen 7 8840U |
PassMaerkマルチ | 17343 | 26118 |
SSD | 1TB | 512GB |
ボディ材質 | アルミ | 樹脂 |
Webカメラ | FHD | HD |
プライバシーシャッター | あり | なし |
キーボードバックライト | あり | なし |
指紋認証 | あり | なし |
価格 | 9.5万 | 8.7万~10.6万 |
5440はボディがアルミ合金で高級感がありますし、5445の欠点をほぼ完璧に補っているのが良い点です。
こちらは9.1万。10万を切ります。
普段使い、ビジネス利用向けなら、こちらの機種の方が良いでしょう。