富士通のLIFEBOOK WS1/B1は2017年1月発売。
最小構成で1.20kgという軽さを備えた13.3型モバイルノートです。
普通これぐらいの軽いノートパソコンだと、有線LANポートやSDカードスロットは付いておらず、用途別に変換アダプターを買ってUSBポートに接続するという手間がかかるのですが、LIFEBOOK WS1/B1はそうした心配が不要のパソコンです。
カタログモデルだとLIFEBOOK SH90/B1という名前で売られていますが、自分好みのカスタマイズにする場合は、LIFEBOOK WS1/B1がモデル名となります。
最初LIFEBOOK WS1/B1(カスタムメイドモデル)を富士通WEB MARTで見たとき感じたのは、
1.まずカスタマイズの自由度がそこそこ高い。
2.ストレージはSSDを選択可能
3.重さは1.2~1.6kgと幅が大きいけど、どういうこと?
の3点でした。
最初の2つは良い点です。
CPUはCore i5かCore i7かを選択できますし、メモリも4~12GBまで選べます。MS Officeも「なし」にすることが可能です。
そしてストレージはSSD。何と言ってもこれに限るでしょう。容量は256GB、512GBを選択できます。
SSDではなくHDDの選択肢も用意されていますが、正直このクラスのノートPCにHDDは「ない」です。LIFEBOOK WS1/B1の良さを最大限引き出すにはストレージはSSDにしておいた方がいいでしょう。
富士通のオンラインストアに行くとわかりますが、LIFEBOOK WS1/B1は重さが1.2~1.6kgと表示されています。
これは一体どういうことなのか?
1.2kgと1.6kgの差はデカいです。
1.2kgは毎日持ち運び可能な重さですが、1.6kgまでなるとちょっとしんどい重さになります。
自分の好みにカスタマイズした結果、1.6kgのPCになって届いたらどうしよう?
LIFEBOOK WS1/B1についてあまり知識がないときはそう思いました。
そこでまずは質量に関する問題を整理しておくことにします。
◆LIFEBOOK WS1/B1の質量
ぼくはオンラインストアで見ていたので質量に関して最初に「?」がついたのですが、よく見ると、富士通のwww.fmworld.netの方にはきちんと説明されていますね。
重さに幅があるのは、DVDドライブ(Blu-rayドライブ)が脱着式というのが深く関係しています。
LIFEBOOK WS1/B1は光学ドライブが付いているのですが、これが外れるタイプになっています。
光学ドライブを使用しないときは外して、その空いたスペースに増設バッテリーやモバイル・マルチベイ用カバーを入れることが可能です。
マルチベイ用カバーは上の写真のようなプラスチックのフレームなので、当然光学ドライブ装着時よりも軽くなります。
つまり最小構成はこのマルチベイ用カバーを装着したときとなります。そしてマルチベイ用カバーは、カスタマイズ内容に関係なく必ず付いてきます。
DVDドライブを使用しないときはぜひマルチベイ用カバーで筐体を軽くしておきましょう。レビュー機の構成だと1.20kgまで軽くなり、片手での持ち運びも楽々です。
注文時のカスタマイズで質量に関係するのはタッチパネルと、HDD or SSDの選択です。
液晶ディスプレイをタッチパネル方式にすると+0.12kg
SSDじゃなくHDDにすると+0.08kg
複雑に見えるLIFEBOOK WS1/B1の質量変化ですが、迷ったら、一番軽い構成にしておくといいでしょう。
つまり、ディスプレイは非タッチパネルで、ストレージはSSDにするということです。
◆スペック概要
・CPU:Core i5-7200U
・メモリ:12GB
・ストレージ: SSD 256GB
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920×1080)
・インターフェイス:USB 3.0 typeA x3、HDMI、VGA、有線LAN、SDカード、ヘッドフォンジャック
・サイズ:約 315.8x214x11-19.8 mm
レビュー機はCore i5にストレージはSSD256GBを搭載しています。CPUやメモリ、ストレージ、ディスプレイなどいろいろ自分好みにカスタマイズ可能ですが、基本的には上記の構成がバランスが良いのでおすすめです。
メモリは8GBでもいいかもしれません。
◆デザイン、見た目
全体としてはまずまずの見た目です。
筐体の厚さは最大で19.8mm、さらにバッテリー部分が突起していて、そこの厚みは約29.5mmくらいあります。
かなり厚みがありますが、実際に手に持つと見た目ほど重さは感じません。
特に光学ドライブの代わりに上で述べたマルチベイ用カバーを装着すると一層軽く感じます。
ボディはマグネシウム合金です。光学ドライブが付いていて空洞部があるせいか、筐体の剛性はやや低い印象を受けました。
しかし後でHPでチェックすると、落下試験や加圧試験など厳しい条件をクリアしているとのこと。これなら毎日持ち運びしても故障したりすることはないでしょう。
天板は黒。
少し指紋が目立つかもしれませんが、気になるほどではありません。もちろん拭けばすぐに目立たなくなります。
13.3型の液晶ディスプレイは非光沢タイプ。IGZOの液晶パネルを採用しています。
写り込みが少なくて、見やすいです。視野角も広いです。
◆SSDで作業は快適
内蔵されているSSDはSamsungのCM871でした。
ベンチマークをとると以下のようになります。
シーケンシャルリード、ライトともに500MB/s出ています。体感に寄与すると言われる4Kリード、ライトもまずまずの速さです。
電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間を計測したところ、所要時間はわずか10.8秒でした。
予想以上に快適です。SATAのSSDでこれほど起動が速いPCは見たことありません。(何も特別な設定をしていないという条件で)
内蔵されているSSD自体は特別なものではなく、Samsungのよく見る廉価版SSDなので、SSD以外の要因も高速起動に寄与しているということでしょう。
いずれにせよ、OSやアプリの起動に手間取ることもなく、とても快適な処理速度であることは間違いありません。
◆キーボード、タッチパッド
キー配列はいたってオーソドックス。変なクセはありません。
この辺は、国産メーカーの安心な点でしょう。
キーピッチ(間隔)は19mmと十分ありますが、キートラベル(深さ)は1.2mmとやや浅めです。
打鍵感はイマイチで、正直ここはもう少し頑張って欲しかった点です。
超薄型のノートならまだしも、本機は筐体の厚みもそこそこある機種ですから、キーボードの打ち心地はもっと改善できるはずです。
ただ、これは深めのキーボードが好きなぼく個人の意見。普段から浅いキーボードに慣れてる人には、そこまで大きな問題にはならないかもしれません。
ちなみに富士通にはキーの深さが2.5mmもあるLIFEBOOK AHシリーズ WA3/Zという機種があります。この機種に代表されるように富士通はキーボードの品質が伝統的に良いメーカーだというイメージがあります。LIFEBOOK AHシリーズ WA3/Zと本機とはかなり条件が違いますが、その期待もあった分ちょっと残念なところです。
タッチパッドは、クリックボタンが付いているタイプです。
クリックしやすく、また静音性も優れています。
タッチパッドの広さは、9.7 x 4.7cmでやや小さめ。2本指スクロールがたまに反応してくれなかったりと操作性に少し問題があるようでした。
キーボード、タッチパッドに関しては他社のノートPCもかなり苦戦しています。LIFEBOOK WS1/B1も他の採点項目は良いのですが、この入力デバイスの項目だけちょっと厳しめの採点となります。
◆バッテリー
バッテリーの駆動時間は構成によって変わりますが、レビュー機の場合は約11.5時間(JEITA2.0)となっています。
試しにwifi環境で動画を流しっ放しにしたところ約5.0時間ほどバッテリーが持続しました。
軽めのメールチェックなどであれば、終日バッテリーはもつはずです。使い方にもよりますが、増設バッテリーは不要かもしれません。
1.20kgの軽さでこれだけバッテリーがもってくれると、かなり使い勝手は良いです。
バッテリーは取り外し可能なタイプなので、もしヘタってきても交換が可能です。
◆豊富なインターフェイス
LIFEBOOK WS1/B1はインターフェイスが豊富なので、余計なアダプターが必要にならないのが良い点です。
USB3.0 typeAが3つ、HDMIとVGA端子、それに有線LANポート(RJ-45)を完備しています。
SDカードスロットは筐体の前側面に配置されています。
これだけポート類が揃っているモバイルノートは、今やLet’s Noteか本機ぐらいでしょうね。
1.5kgオーバーのノートPCならそこまで珍しくありませんが、1.2kgでこの充実度はすばらしいと思います。
「軽くて薄いパソコン」とは言えませんが、
「軽くて拡張性の優れたパソコン」だと言えます。
これなら筐体の厚さの部分は目をつぶってもいいかなという気になります。
◆おすすめのカスタマイズ
レビュー機はCore i5、メモリ12GB、SSD256GBという組み合わせでしたが、経験上この「中の上」スペックであればメモリは8GBあればOKでしょう。
液晶ディスプレイはタッチパネルにもできますが、本機は変形タイプの2-in-1ノートではないのでそこまでメリットはないでしょう。そのままタッチ非対応のフルHD(1920×1080)で問題ないです。
ということで、
・Core i5
・メモリ8GB
・SSD 256GB
・フルHD
という構成がおすすめになります。
これなら大概の作業は快適にこなせるはずです。ちなみにぼくも今メインで使ってるノートPCがほぼ上記と同様のスペックです。
しかも最小構成なら1.20kgの軽さ。
これで価格は16万円台です。
価格は時期によって多少変動するので、正確な数字は富士通のオンラインストアで確認してください。
⇒ 富士通WEB MART LIFEBOOK WS1/B1(SHシリーズ)
マイクロソフトのオフィスも付けられます。その場合追加で+22,260 円かかります。(クーポン適用前)。
コスパは可もなく不可もなくといったところでしょう。
国産メーカーは高いというイメージがありますが、海外メーカーもこのクラスの軽量ノートだと15万円前後はします。
◆まとめ
・デザイン ☆☆☆
・キーボード、タッチパッド ☆☆
・ディスプレイ ☆☆☆☆
・SSD ☆☆☆
・インターフェイス ☆☆☆☆☆
・バッテリー ☆☆☆
・コスパ ☆☆☆
短所
・キーボードの打鍵感
・タッチパッドの操作性
・超薄型ノートより1.5倍くらい厚い筐体
長所
・最小構成で1.20kgの軽さ
・SSDで高速起動
・豊富なインターフェイス
・バッテリーが取り外し交換可能
筐体の厚みは残念ですが、逆にそれがあるからこそ豊富なインターフェイスが完備されており、使い勝手の良いパソコンとなっています。
薄くてかっこいいパソコンを買って、後で有線LANにつなげない、デジカメのSDカードが入らない、など困っていろいろアダプターを買う羽目になるんだったら、最初からいろいろ端子が付いてるLIFEBOOK WS1/B1を選ぶ方が賢明だと思います。
⇒ 富士通WEB MARTでLIFEBOOK WS1/B1をカスタマイズする
おすすめ構成例
・メモリ:4GB→8GB
・ストレージ:HDD500GB→SSD256GB
・本体カラー:ブラックかホワイト好きな方を
・Offiece:必要なら追加