Microsoft Surface Pro 6は2018年発売の2-in-1ノート
Surface Pro 4 (2015年発売)
Surface Pro (2017年発売)
ときて、
Surface Pro 6
です。
今回のモデルでは新色としてブラックが出ました。
CPUも新しくなり性能アップした一方、キーボード(タイプカバー)などは前と同じで少し使いづらさが残るなど長所も短所もありますので、そのあたりのついても詳しく書いてみたいと思います。
◆見た目、デザイン
見た目で一番目立つのは、本体カラーにブラックの選択肢が増えたことでしょう
ブラックと従来のプラチナ、2種類があります
※写真のプラチナ(シルバー)は、2017年発売のSurface Proです
新色のブラックはシックでとても高級感があります。
光の当たり方によって少し印象も変わりますね。
ちょっと暗い部屋の方が、黒が締り、よりかっこよく見えます。
Surface Proシリーズは
・タイプカバー(キーボード)
は別売りです
タブレット本体は770gと軽く、片手で簡単に持ち上げることができます
またタブレット本体だけでも安定して自立し、自由に角度を調整することができます
液晶ディスプレイは12.3インチで3:2の比率。
今流行りのフレームレスではないものの、解像度は2736×1824で超高精細です。
映り込みがありますが、とても明るくてきれいなディスプレイです
しっかりコントラストもあって視野角も広いです
Windowsノートの中ではSurfaceシリーズがナンバーワンだと思います
◆レビュー機のスペック
・OS: Windows 10 Home
・CPU:Core i5-8250U
・メモリ:8GB
・ストレージ: SSD 256GB
・ディスプレイ:12.3インチ (2736×1824)タッチ対応
・インターフェイス:USB3.0 typeA x1、SurfaceConnect、miniDisplayPort、microSD、ヘッドフォンジャック
・サイズ、重さ:約 292x201x8.5 mm、0.77kg(タイプカバー込だと約1.08kg)
・バッテリーライフ:13.5時間(動画再生時)
・同梱: Office Home & Business 2016
レビュー機はCore i5モデルです。第8世代のCore i5-8250Uを搭載しています
Cinebench R15 Multi-Coreのベンチマークスコアは以下のとおり。
Core i5-8250U: 549 Surface Pro 6
Core i5-7300U: 375 Surface Pro
以前のSurface Proに搭載されていたCore i5-7300Uと比較しても約1.5倍のパワーを有しています。
Core i5モデルでは、
SSD 128GBか、SSD 256GB
のどちらかを選択できます。
さらに上位のCore i7モデルだとSSDは256GB、512GB、1TBと用意されています
オフィスはHome & Business 2016が付いています。
一番安いモデルは、
Core i5、メモリ8GB、SSD128GBで12.9万円(税込)
これにはペンやタイプカバー(キーボード)は含まれないので必要ならさらに価格はアップします。もしキーボードを付けると約14.6万となります。
キーボードやペンは、Surface Pro 4やProと互換性があるのですでにキーボードを持ってる人は買う必要はありません。
◆USBポートの問題
Surface Pro 6のUSBポートは
USB-Aが1つのみ
これも前モデルと同じです。
筐体の左側面はヘッドフォンジャックのみ。
スペースが余ってる左側面にUSB-Cポートとかを1つ付けてくれてもいいんじゃないか?と思ってしまいます。
USBポートの少なさについては、前モデルから問題視する声は大きかったはずですが、その声に応えることはできませんでした。
別売りのSurfaceドックをSurfaceConnectにつなげると、拡張性の問題は一応解決しますが、このドックは2万とけっこう高いのがマイナスです。
◆SSD、処理速度
内蔵されているSSDはSKhynix BC501でした。
PCIe接続のSSDです。
ベンチマークをとると以下のようになりました。
シーケンシャルリードは1600MB/sとやや遅めですが、4Kランダムアクセスの方はまずまず良好です。
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約12.2秒でした。
平均レベルの速さです。
前モデルのSurface Proが14秒と少し遅めだったので、それと比較すると若干短縮されたかなという感じです。
画像編集の処理速度もテストしてみました。
いくつかの画像を合成して1つの画像を構成する処理でかなり重めの作業となります。
以下は条件の違う複数のPCでのテスト結果です。
1.Core i5-6200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-8250U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約34秒
3. Core i7-8550U、メモリ16GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約33秒
4.Core i5-8250U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約35秒
最後4番目が本機の結果です。
2~4はCPUやメモリ、SSD容量などの条件が若干違いますが、ほとんど差はないという結果でした。
◆キーボードの問題
キートラベル(キーの深さ)は約1.3mm。
タイプカバーと床に隙間を開けて使用すると、タイプ時にぐらつきが生じます。
打鍵感もイマイチです。
特にスペースキーを押したときの感覚がふにゃっとしています。
これは前モデルのSurface Proをレビューした際も同様でした。
タッチパッドの操作性はまずまずですが、キーボードに関してはもっと改善してほしいところです。
キーボードを重視するなら同じSurfaceシリーズでもSurface Laptopの方がいいでしょう。
◆バッテリー、静音性、熱問題
バッテリーの駆動時間は優秀です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさMAX
・wifi環境
・AbemaTVで動画を流しっ放し
結果は約7時間でした。
Surface Pro 6は元々の画面が明るいので明るさMAXでなくても十分明るいです。
条件を緩めれば、バッテリーライフももっと延びるはずです。
ベッドでゴロ寝しながら、好きな映画(2時間)を観てもバッテリーはまだ70%以上残っています。
しかも動画鑑賞ぐらいでは、ボディはそこまで熱くなりません。
この点は前モデルより改善されていると思いました。
Core i5モデルはファンレス(ファンがない)のでとても静かですし、熱設計も素晴らしいので言うことなしです。
◆総合評価、まとめ
・デザイン ☆☆☆☆
・キーボード、タッチパッド ☆☆
・ディスプレイ ☆☆☆☆☆
・SSD ☆☆☆☆
・インターフェイス ☆☆
・バッテリー ☆☆☆☆☆
・コスパ ☆☆☆
短所
・USB-Aしかない
・キーボードは変わらず良くない
・Office強制ハンドルで価格アップ
長所
・美しい液晶ディスプレイ
・タブレットとしての軽さ
・ファンレスで静か、熱くならない
・長時間のバッテリーライフ
一番の長所は液晶ディスプレイ。
Windowsノートの中ではベスト1と言えるぐらいの美しさを誇ります。
しかし、USBポートの問題やキーボードの問題など、前モデルからの改善が見られないのは残念な点です。
ただそれはビジネス用のノートパソコンとして見たときの採点で、タブレットとして見たときは、そこまでマイナスではないかもしれません。
実際、Surface Pro 6は軽い、静か、熱くならないなど、タブレット使用時にその良さを実感します。
Surfaceタイプの2-in-1ノートはたくさんありますが、完成度の高さでは本家のSurface Proが一番であることは間違いないです。
Office Home and Businessが強制的に付いてくるのはマイナスでしょう。
もちろんオフィス付きがありがたいという人が多いのも確かですが、そうではない人も少なくないです。
あり/なしの選択肢を設けることは簡単なはずです。
Microsoftは、複数台のPCでオフィスが使えるOffice 365の導入を推奨しています。しかしOffice 365をすでに導入している人には、Surface Pro 6単体のみで使えるOfficeは有り難迷惑でしかありません
特殊な日本のPC市場に合わせた結果とは言え、一貫性のないMicrosoftの販売戦略には疑問を感じます。
以上、良い点と悪い点を正直に書いてみましたがいかがでしょうか?
あらかじめマイナス面も知っておいてほしいという思いで書いたので、ちょっと辛口になったかもしれません。