HPのElite Dragonflyは13.3インチの2-in-1ノート
999gと超軽量(最小構成時)
変形してタブレットにもなる
という特徴をもった注目のPCで、テレビCMにも登場し話題を集めています
結論から言うと、評判どおり素晴らしい出来栄えのPCです
実際に使ったみた感想を正直に書いてみたので、じっくり読んでみてください
◆レビュー機のスペック
・CPU:Core i5-8265U
・メモリ:8GB
・ストレージ: SSD 128GB (SATA)
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920×1080) 、タッチ対応
・USB: USB-C x2 (thunderbolt 3)、USB-A x1
・インターフェイス:HDMI、ヘッドフォンジャック
・バッテリー: 56Whr、駆動時間は21.7時間 (JEITA2.0)
・wifi 6対応
・サイズ、重さ:約 304.3 x 197.5 x 16.1 mm、1.13kg
レビュー機はバッテリーが4セルの56Whrと大容量仕様となっています
通常だとバッテリーは2セル(38Whr)です
バッテリー2セル: 15.2時間、重さ999g
バッテリー4セル: 21.7時間、重さ1.13kg
バッテリー容量をアップするとバッテリーライフが伸びますが、その分本体の重量が999gから1.13kgと増えます
軽さか、長時間バッテリーか
どちらを重視するかで選択できるようになっています
ちなみに上記の構成で14.8万円(税込、送料込)です
CPUやメモリ、SSD容量などをアップグレードすることが可能です
なお、ペンは別売りです
◆見た目、デザイン
筐体カラーはブルー
非常に上品な色で、また光沢がありとても高級感があります
個人的にはとてもかっこいいデザインだと思います
マグネシウム合金で出来たボディは剛性感もありますし、指紋も目立ちません
米国軍用品の調達規格、MILスペックに適合していることからも非常に頑丈であることがわかります
重さは1.13kgと軽量。片手で簡単に持ち上げることができる軽さです
液晶ディスプレイは光沢タイプです
明くて非常にきれいなディスプレイですが、映り込みがあるので近くに照明があるとその光が気になるかもしれません
ディスプレイは流行りのナローベゼル(狭額縁)です
上部にWebカメラが付いていますが、いざというときこれを隠せる物理シャッターは付いています
これがカメラを隠した状態。
万が一カメラへ不正なアクセスがあったときでも安心です
◆セキュリティ
セキュリティという観点では、HPのビジネス用PCはかなり信頼度が高いです
ディープラーニングAIにより、未知のウイルスやマルウェアにも対応できるようなシステムになっており、またBIOSを攻撃されたときも自己回復するしくみが備わっています
テレワーク、リモートワークにも安心して使えるPCだと言えます
◆ベンチマーク
CPUはCore i5-8265U
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、6191というスコアでした。
PassMark社は最近ベンチマークスコアを全体的に下方修正しています
発表されてる平均値は、
Core i5-8265U 平均値6514
となっています。
レビュー機は平均よりも少し下ですが、10%以内なのでほぼ平均レベルと言えます
内蔵されているSSDの容量は128GBです
ベンチマークをとると以下のようになります。
SATA接続のSSDなのでシーケンシャルリードは500MB/s台です
また4Kリード、ライトも遅めの数字です
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約16秒でした。
こちらは平均(12秒)よりも遅い結果でした
さらなるテストとして、画像編集の処理速度も行いました。
いくつかの画像を合成して1つの画像を構成する処理なので、
CPUやSSDなど総合的な性能が効いてくるはずです
以下条件の違う4つのPCでのテスト結果です。
1.Core i5-7200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-8265U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約30秒
3.Core i7-8565U、メモリ8GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約27秒
4.Core i5-8265U、メモリ8GB、SSD128GB(SATA)
処理にかかった時間:約31秒
最後4番目の結果が本機の結果です。
平均的なタイムでした
以上をまとめると、
CPUテスト: 平均
SSDテスト: 平均以下
起動: 平均以下
画像編集: 平均
という感じ。
全体的には少し物足りないですが、普段の作業でストレスを感じることはありませんでした
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は18.7mm、キーストローク(深さ)は1.5~1.7mmです。
写真はデモ機なので、キーボードが英語配列ですが、実際は日本語配列となります
そのためキーの形状は多少変わってきます
でも心配はありません。Dragonflyは日本の開発チームが関わった製品ですから、その辺もぬかりないです。Enterキーなど主要なキーの形状もよく見る日本語キーボードのようにデザインされています
HPのノートパソコンというと、右端がEnterではなく、home、pgup pgdn、endボタンが並んでいるやつを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、Dragonflyではその点も改善されています
タッチパッドの操作性は良好でした。
キーボードの打鍵感も良好です
1.0kg未満の軽さでこのキーボードなら、文句なしです
キーボードにうるさい人でも気に入るはずです
◆インターフェイス
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが1つです。
USB-Cは2つともThunderbolt 3対応です
あとはHDMIとヘッドフォンジャック。軽量ノートとしては平均的な仕様です
USB-Aポートを1つ残したのはグッジョブですね
これでUSBメモリが直接挿せます
これがあるとないとでは、だいぶ使い勝手に差が出るので良い判断だと思います
◆バッテリー、排気音、熱など
バッテリーの駆動時間は平均的です
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約10時間と平均よりも上でした。
レビュー機はバッテリーが4セルの大容量タイプでした
もし普通の2セルタイプにすると、同条件で約6~7時間くらいでしょうか。
それでも平均レベルの駆動時間です
排気音は小さめで気になりませんが、負荷をかけると少し熱をもちます
ほんのり温かい状態で、熱くて困るというほどではありません
あと、ペンは別売りです
写真は他社のペンを使ってます
◆まとめ
デザイン | ☆☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
起動・処理速度 | ☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆ |
短所
・パフォーマンスは平均的(期待ほど高性能ではない)
・ディスプレイの映り込み
長所
・軽さ
・高級感、上品さ
・キーボード
・USB-Aも残ってる
全体的には高い評価をつけたいPCです
CPUのベンチマークテストや、画像編集能力など、パフォーマンスは平均レベルで期待ほどではありませんでしたが、それ以外は非常に優秀です
特にぼくが強調したいのは
・軽さ
・打ちやすいキーボード
この2つを両立させたのが素晴らしいです
さすがビジネス仕様。これなら、レポート作成、論文作成を行う学生にも良さそうです
また上品なブルーのボディは光沢もあり、非常に高級感があります
見た目の美しさという点においても、ノートPC界でトップクラスと言えます
非常に洗練されつつも、USB-Aポートを1つ残したあたりもさすがです
普段辛口のぼくがここまで褒めるのはめずらしいことです(笑)
DELL XPS 13、Lenovo ThinkPad X1 Carbonなど他メーカーのエース格と比較しても、このElite Dragonflyを選ぶ人は多いのではないかと思います
◆おすすめの構成
最初の方でも述べましたが、バッテリーをとるか軽さをとるかの選択があります
バッテリー2セル: 15.2時間、重さ999g
バッテリー4セル: 21.7時間、重さ1.13kg
用途にもよりますが、ぼくなら軽さ重視でバッテリーは2セルにします
それでも公称値で15.2時間。
wifi環境で動画を見ても6~7時間なので、十分かなと思います
SSD容量は256GB以上を推奨します
128GBでも悪くはないですが、このクラスのPCなら少なくとも3~4年はガッツリ使うはずなので、いろいろデータを保存できる256GB以上の容量が望ましいです
・Core i5-8265U
・メモリ 8GB
・SSD 256GB
・バッテリー2セル
という構成で14.9万円(税込、送料込)
基本構成だけ見れば、価格は少し高めです
しかし繰り返しになりますが、999gという軽さ、見た目の美しさ、キーボードの打ちやすさなどを考えれば、納得の価格でしょう
オプションでMicrosoft Officeをつけることも可能です
⇒HP公式オンラインストア Elite Dragonflyのモデル一覧
Elite Dragonflyは東京生産。東京、日野の工場で組み立てを行い発送するので、注文から到着までの日数も比較的早いです
◆HP Spectre x360 13との比較
同じHPのSpectre x360 13と比較してみました
Elite Dragonfly | Spectre x360 13 | |
CPU | Core i5-8265U | Core i5-1035G4 |
CPUスコア | 6514 | 8762 |
バッテリー | 15.2時間 | 22時間 |
重さ | 999g | 1.24kg |
価格 | 14.9万 | 14.5万 |
SpectreはCPUが最新の第10世代となっており、その分パワーがあります
ただし重さは1.24kgと少し重めです
どちらを買っても損はしないはずですが、軽さを重視するならやはりElite Dragonflyで決まりだと思います
Spectreも良い製品です
⇒HP Spectre x360 13(最新モデル)