Microsoft Surface Go 2は2020年5月発売のモデル。
タブレットとキーボードが分離するタイプの2-in-1ノートで、Surfaceシリーズの中で最もコンパクトな10.5インチサイズになります。
キーボードを外してタブレットのみだと重量はわずか544gです。
今回はこのSurface Go 2 (wifiモデル)を様々なシチュエーションで使用してみました。
新幹線の座席で使ってみた
まずぼくはSurface Go 2を一泊二日の旅行に持っていってみました。
新幹線の座席での利用では、Surface Go 2のコンパクトさが活きます。
テーブルにSurface Go 2を載せたところ。
右側のペットボトル用のくぼみを避けても大丈夫なくらいスペースに余裕があります。
キーボードを広げてもテーブルからはみ出しません。
どうですか?このサイズ感。
13.3型のモバイルノートだと、テーブルを全部使ってぎりぎり載るかどうかというレベルですが、Surface Go 2なら余裕です。
新幹線内では無料のwifiも利用できますから、ネットに接続しながら、簡単な調べ物をして、画像トリミング、ブログ更新をこなすことができました。
調べ物だけならスマホでも十分なのですが、画像をトリミングしたり、ブログを更新したりする作業はやはりキーボードがあった方が良いです。
テーブル上でのキータイプも問題なかったです。Surface Goのタイプカバーは、タイプ時に少したわみがありますが、足元がしっかり安定しているので打鍵感は悪くなかったです。
Surface Go 2のおかげで移動時間も有効に使うことができました。
今回は仕事として使いましたが、場合によってはAmazonプライムビデオ、AbemaTVなどで映画やドラマを楽しむということもできそうです。
Surface Go 2には、
- スマホよりも大きな画面
- テーブルに自立するので手や腕が疲れない
- キーボードを使える
というスマホにはないメリットがあります。
ホテルでの利用
ホテルに着いてから、少し時間があいたのでベッドに横になりながらSurface Go 2を広げます。
こういう場面でもコンパクトさ、軽さが活きます。
ここではキーボードを外してタブレットとして使いました。横になりながら手にもつと1.0kgくらいの軽量ノートでも重たく感じるところですが、タブレット時のSurface Go 2は544g
圧倒的に軽く、また持ちやすいです。
横になりながら好きな音楽を聞いたりして、移動の疲れを癒やしました。
翌日もホテルで少し作業。チェックアウトまで時間があったので、メール返信や資料作成を行いました。Surface Go 2にはMicrosoft Officeが入っているので、資料作成もスムースです。
これまでこういうちょっとした時間は、ホテルのテレビを観て意味のない時間を過ごしていたのですが、Surface Go 2があると本当に便利です。
前日の新幹線からここまでずっと充電なしで使って、残りのバッテリーは30%くらい。一応念のためACアダプターも持ってきてましたが、それを使うことはなくバッテリーだけで一泊二日の旅を乗り切りました。
ちなみにACアダプターもコンパクトなので旅行に持っていくのも苦になりませんでした。
カメラ用の小さなバッグにすっぽり入る
ぼくは写真が趣味で、このようなカメラバッグを持っています。
ピークデザインのEveryaday Slingというバッグでカメラ業界では有名なブランドです。
このバッグは容量が5L。縦横をざっと測ったところ28×18 cmというサイズです。
一方のSurface Go 2のサイズ(フットプリント)が24.5×17.5 cm
そうです。ちょうどピッタリこのバッグに入るというわけです。
当然Surface Go 2だけではなくカメラとレンズも入ります。
上の写真は、
Surface Go 2
Sony α6500 + 単焦点レンズ21mm
単焦点レンズ50mm
が入ってる状態です。
カメラはSonyのAPS-C機。それに単焦点レンズが2本いけます。
カメラ機材とSurface Go 2の間には仕切りを入れているので、緩衝材の役割を果たしています。バッグ内でカメラやPCを傷つけたりすることがないのが良い点です。
実際にSurface Go 2をバッグに入れて撮影に出かけたことはないのですが、Surface Go 2があまりにもピッタリ入ったのがうれしくて報告してみました。
一般の人にはピンと来ないかもしれませんが、あのピークデザイン5Lに入るPCが存在するというのはカメラ業界的には大きな驚きです。
本当はバッグ1つで撮影に出かけて、撮った写真をSurface Go 2に転送。そのままRAW現像もできれば理想的なのですが、さすがにRAW現像にはマシンパワーが足りないです。
しかし10.5インチ220ppiの高精細なディスプレイで撮った写真を見せるというような使い方は十分可能で、スマホで代用できないSurface Go 2の良さをまた1つ感じることができました。
小さなバッグに入るという意味では、以前も紹介したことがありますが、女性用のブランドバッグにも余裕で入ります。
やはりコンパクトさは正義。Windows機でコンパクトさ軽さを求めるなら、Surface Go 2が頭1つ2つ抜けていると思いました。
気軽に持ち歩けるので生活スタイルが変わります!
スペック概要
ここまでは外に持ち出したときのSurface Go 2の良さを語ってきたわけですが、ここからはSurface Go 2の性能とデザイン性について、簡単にレビューしたいと思います。
Surface Go 2はWi-FiモデルとLTEモデルがありますが、レビュー機はWi-Fiモデル。CPUはPentium Gold 4425Yとなっています
OS: Windows 10 Home Sモード
CPU: Pentium Gold 4425Y
メモリ: 8GB
ストレージ: SSD128GB
ディスプレイ: 10.5インチ 1920×1280 光沢、タッチ対応
USBポート: USB-C x1
インターフェイス: microSD、Surface Connect、ヘッドフォン
Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
バッテリー: 通常のデバイス使用時間は最大10時間
サイズ: 245 x175 x 8.3 mm
重さ: 544g (タブレットのみ)、789g(タイプカバー装着時)
オフィス: Office Home and Business 2019
OSはWindows 10 Home Sモードです。使えるアプリがMicrosoft Storeにあるアプリに限定される代わりに、セキュリティと速度という恩恵を受けるOSです。
Microsoft Store以外からアプリをインストールしたい場合は、「Sモード」を解除することも可能です。解除するときはMicrosoftアカウントが必要になります。
カラーバリエーションは1種類。これまで写真で見てきたプラチナ(グレー)のみとなっています。
全モデルにOffice Home and Business 2019が付いてきます。
キーボードとペンは別売り
たまに勘違いする人がいますが、キーボード(タイプカバー)とペンは別売りです。
通常はタブレット本体のみで売られているので、タイプカバーやペンが必要な場合は本体購入時に追加しましょう。
初代のSurface Goのタイプカバーを持っている場合はそのまま使えますが、Surface Proのタイプカバーは使えませんので注意しましょう。
Surface Go 2のスペックごとの価格は以下のようになっています
本体のみ | +タイプカバー | +タイプカバー+ペン | |
Pentium 4GB 64GB | 6.6万 | 7.9万 | 9.0万 |
Pentium 8GB 128GB | 8.6万 | 9.9万 | 11.0万 |
Core m3 8GB 128GB | 10.8万 | 12.1万 | 13.2万 |
タイプカバーとセットで買うと、タイプカバーが20%オフになります。
※価格情報は11月7日現在のものです。
Pentium Gold 4425Yの性能
レビュー機のCPUはPentium Gold 4425Yです。
性能は正直イマイチで、簡単な作業用のCPUです。
ネット、動画鑑賞、Officeソフトなどをこなすぐらいならなんとか大丈夫という感じでした。
・ブラウザで4つタブを開く
・youtubeで音楽を聴く
・ネットで調べ物
と複数のことを同時にやると、けっこうもたつきます。
そのときのCPU使用率はこんな感じ。
使用率が90%を超え100%近くになることが頻繁にありました。
作業は1つずつやっていく方が良さそうです。
Pentium Gold 4425YのPassMarkのベンチマークスコアは1544
最新のCore i3と比較すると大きな差があります。
Surface Go 2は、Pentiumの上位モデルにCore m3-8100Y搭載したモデルもあります。上のグラフを見るとCore i3にも近いので、快適さを求めるならCore m3モデルの方が良さそうです。
Pentiumが全然ダメかというと、そうでもないです。最初はちょっとイラッとしましたが、だんだん慣れてきます。
Zoomは使えるか?
オンラインミーティング用のアプリZoomをSurface Go 2で使ってみましたが、意外にもすんなりと使えました。
Surface Go 2のカメラはフロントとリア(天板側)、2つ付いています。どちらも1080p、フルHDのビデオカメラとなっており、通常のノートPCよりも高精細です。
そのためZoomの画面がとてもクリアです。
家にある別のノートPCとZoomを通じて会話してみましたが、音の聞こえ方も問題ありませんでした。
ただCPU使用率は常に70%オーバーと負荷は高いです
Zoom中は熱をもちます。
通話が10分~20分くらいの短時間なら大丈夫ですが、30分以上だとちょっと厳しいかもしれません。
Zoomは短時間で
カメラが意外に使える
Surface Go 2のカメラは、写真趣味のぼくから見ると「三脚付きのカメラ」です。
そう三脚です。
Surface Goがしっかり自立するので、手ブレの心配がありません。
これを活かして、夜景など暗い場所での写真をきれいに撮ることが可能です。
やり方は、まずカメラを立ち上げ、プロモードにします
プロモードではISOやシャッタースピード、ホワイトバランスなどを自分で設定できるようになります。
今回は室内の蛍光灯を消して、遠くにある間接照明1つだけという条件で花を撮ってみます。
目で見た感じだとこれぐらいの暗さ。
とても暗いです。
Surface Go 2のカメラで
シャッタースピード=1/2秒
セルフタイマー = 2秒
に設定。
この条件で撮ると、暗い部屋でも以下のように明るくきれいに撮ることができます。
電気を消して撮ったとは思えないくらいです
シャッタースピードを1/2秒にすると、通常だと手ブレしてしまうのですが、最初に言ったようにSurface Go 2をテーブルに立てておけばその心配がありません。ただシャッターを押すときの微妙な振動で手ブレを起こしてしまう可能性もあるので、同時にセルフタイマーにしておくと完璧です。
Surface Go 2に付いているカメラは2つ(ディスプレイ側が500万画素、天板側のカメラが800万画素)で、今回の花の撮影には800万画素のカメラを使っています。画素数自体は最新のスマホに負けますが、Surface Goならではの使い方ができます。
プロモードで設定できる条件は以下のようになっています。
セルフタイマー 2秒、5秒、10秒
ズーム
ホワイトバランス調整
フォーカス調整
ISO 100~3200
シャッタースピード 1/1000~1/2
明るさ調整
デザイン
Surface Go 2のデザインをいくつかの写真と共に見ていきます。
軽さやコンパクトさはすでに何度も書いてきたので説明不要でしょう。
天板側にはMicrosoftのロゴが入っており、角度によってキラリと光を反射します。
タイプカバーの素材はスエード調の人工皮革として知られるアルカンターラ。
手触りはとても良く、また滑りにくいです。
タイプカバーを装着してSurface Go 2を手に持つとちょうどこのアルカンターラ素材がしっかり指先にフィットしてします。滑って落としてしまう危険がないのは良い点です。
キーボードの出来はまずまず。キーピッチ(キーの間隔)が17mmと狭く、タイプ時にはちょっと窮屈な感じがしますが、これはサイズ上しょうがない部分もあります。
キータイプ時は、ポコポコと軽めの音がします。電車内とかでは気になりませんが、静かな図書館とかではあまり激しくタイプしない方がいいでしょう。
ディスプレイの解像度は1920 x1280 (220 ppi)
220ppiという解像度は13.3型ディスプレイだとWQHD(2560×1440)と同じくらいの解像度です。高精細で明るく、そして視野角も広いディスプレイです。
このディスプレイのせいで、ベッドやソファで横になって動画を見るのがクセになります。
インターフェイス(端子類)は最小限。
USB-Cポートが1つ。
Surface Connectとヘッドフォン。
そしてmicroSDカードスロットです
Surface Connectはメインは電源ポートとして使用しますが、別売りのSurfaceドックをつなげることもできます。
UBSポートがUSB-C1つだけというのがやや不満です。USBメモリを直接挿すことができないので、アダプターが必要になります。
microSDカードスロットは、筐体の背面に隠れるように設置されています。
バッテリー、熱、静音性
バッテリーの駆動時間を以下の条件でテストしてみました。
- 画面の明るさをMAX
- wifi環境
- youtube動画を流しっ放し
結果は約6.5時間。まずまずの結果でした。
音も静かで良いのですが、負荷をかけると熱をもつのが少し気になります。
まとめ
良い点
・コンパクト、軽い
・ディスプレイがきれい
・カメラの解像度が高い
悪い点
・CPUがPentiumだと物足りない
・負荷をかけると熱をもちやすい
・USB-Cのみ
悪い点もありますが、コンパクトさと軽さという圧倒的な長所が魅力だと思います。
旅行に持って行って荷物にならないばかりか、移動中やホテルでの空き時間を有効活用できたのはSurface Go 2のおかげ。外に持ち出すPCとしては非常に大きな優位性があります。
CPUをPentiumにするか、Core m3にするかは悩むところです。Pentiumだと物足りないと感じるシーンは何度かあったので予算に余裕があるならCore m3のモデルが良いでしょう。
本体のみ | +タイプカバー | +タイプカバー+ペン | |
Pentium 4GB 64GB | 6.6万 | 7.9万 | 9.0万 |
Pentium 8GB 128GB | 8.6万 | 9.9万 | 11.0万 |
Core m3 8GB 128GB | 10.8万 | 12.1万 | 13.2万 |
Core m3のモデルはLTE対応モデルになっています。Wi-Fi環境がなくてもSIMカードさえ用意すれば、どこでもネットに接続できるようになります。価格は本体のみで10万を超えてくるので、そこが少しネックです。
一番安い構成のPenitum、メモリ4GB、eMMC64GBはあまりおすすめしません。CPUもメモリも容量も全部不安な構成です。せめてメモリと容量をグレードアップしておきましょう。
今回ぼくが使用した構成はPentium、メモリ8GB、SSD128GBという構成。
本体価格は8.6万、それにタイプカバーを付けて9.9万円となります。