ThinkPad Z16 Gen 1は2022年6月発売のノートPC
- クリックボタンを廃止した新デザインのThinkPad
- CPUはAMD Ryzen 6000Hシリーズ
- グラボRX 6500Mも搭載可能
- フルサイズSDカードスロットあり
という特徴があります。
同時発売のThinkPad Z13とZ16。Z13は1.19kgと軽量ですが、こちらは1.81kgと据え置き用です。
◆スペック概要
CPU: AMD Ryzen 5 PRO 6650H、Ryzen 7 PRO 6850H、Ryzen 9 PRO 6950H
メモリ: 16GB、32GB LPDDR5-6400MHz
SSD: 512GB、1TB
ディスプレイ: 16インチ FHD(1920×1200)、UHD(3840×2400)
グラフィックス: AMD Radeon 660M、680M、RX 6500M
USBポート: USB-C x2(USB4)、USB-A x1
インターフェイス: SDカード、ヘッドフォン
Webカメラ: FHD(1080p)
顔認証あり、指紋認証あり
重量: 1.81kg
CPUは6コア12スレッドのRyzen 5 6650H、8コア16スレッドのRyzen 7 6850H、同じく8コア16スレッドのRyzen 9 6950Hという選択肢。TDPは45Wありパワーを要する作業に向いています。
まだ詳細なベンチマークはわかっていませんが、ほぼ同じ仕様のRyzen 7 6800Hの速報値が出ています。
PassMarkマルチ | CrossMark Creativity | |
Core i7-12700H | 27336 | 1883 |
Ryzen 7 6800H | 23382 | 1563 |
Apple M1 Pro | 22212 | 2015 |
Ryzen 7 5800H | 21401 | 1284 |
PassMarkのマルチスレッドでは第12世代インテルのCore i7より下、M1 Proよりは上というスコア。
Adobeソフトの快適性を測るCrossMark CreativityではM1 Pro、Core i7に差を付けられています。RyzenとAdobeの相性はあまり良くないので、Adobeソフトをがっつり使うならインテルやM1 Macあるいは最近出たばかりのM2 Macを推奨します。
最小構成のRyzen 5、FHD (パフォーマンスモデル)でも価格は25.2万円(税込、送料込)。Ryzen 7、FHD、RX 6500Mのエクストリームモデルだと32.6万(税込、送料込)です。
流石にちょっと高いなというのが第一印象です。
◆タッチパッド
冒頭で紹介したようにThinkPad Zシリーズは、タッチパッドに付いていたクリックボタンを廃止したデザインになっています。
従来のThinkPadはこう。
左クリック、右クリック、そして真ん中にもクリックボタンが付いています。
ThinkPadの長所の1つは、中ボタン+トラックポイントでスクロールが可能という点。
この操作が新デザインになってどのくらい快適なのか?
それが一番気になるところです。
すでに展示機でその使い勝手を試した人たちからは、
・2014年のときより大きく改善されている
・そこまでやりにくくはない
という声が上がっています。
悪くはない、手放しで褒められるほどではないけど、慣れればそこそこいける、そんな感じでしょうか。これに関しては、後日実機をさわる機会があればレポートしたいと思います。
まあでも本機は基本的に従来のThinkPadファンはあまり買わないでしょうから、そこまでクリックボタンについて掘り下げる必要はないかもしれません。
◆コンセプト
ThinkPad Z16は
・すっきりしたデザイン
・クリエイター向けの性能
の2つが大きな特徴で、おまけとしてトラックポイント(赤ポチ)が付いてるような機種です。
ThinkPad愛用者なら、X1 Carbon、X13などの王道路線を選ぶ人が多いと思います。価格が圧倒的に安いですし、第12世代インテルのPプロセッサーなら性能も全く不満はありません。
ではMacBookを買うような層が、このThinkPad Z16を買うかどうか?
DELL XPS 15 | MacBook Pro (16インチ) | ThinkPad Z16 | |
CPU | Core i7-12700H | M1 Pro | Ryzen 7 PRO 6850H |
グラフィックス | RTX 3050 | M1 Pro GPU | RX 6500M |
ディスプレイ | 1920x1200 | 3456x2234 | 1920x1200 |
価格 | 26.5万 | 33.9万 | 32.6万 |
価格はほぼ同じですが、性能やディスプレイはMacBook Proの方が上です。
Windows機だとDELLのXPS 15が強いです。
このようにライバルが強力なので、なかなかThinkPad Z16を買おうとはならないような気がします。
Zシリーズは次の30年を見据えた新シリーズとのことですが、はっきり言ってコンセプトが中途半端です。
個人的にはYogaシリーズのような、
・すっきりデザイン
・クリエイター向けの性能
・トラックポイントなし
・15万前後で買える
というような路線の方がわかりやすくて好きです。
Yogaを買って、キーボードは外付けトラックポイントキーボードに任せると幸せになれます。
ThinkPad Z13、Z16のスペック詳細はこちら