ThinkPad E15 Gen2 AMDは2020年6月発売のモデル。
15.6型重さ1.7kgのスタンダードノートで、ThinkPadの中では価格が安く人気の機種です
実際に1週間ほど使ってみた感想としては、
・高級感のあるデザイン
・キーボードの打ちやすさが抜群
・ディスプレイがちょっと暗め
・USBポートが少ない
という感じ。
一長一短あるかなというのが正直な感想です
以下でくわしく見ていきましょう
◆レビュー機のスペック
・CPU: Ryzen 5 4500U
・メモリ: 8GB
・SSD: 256GB (PCIe)
・ディスプレイ: 15.6型 FHD(1920×1080) 非光沢
・グラフィックス: AMD Radeon グラフィックス
・USB: USB-C x1 (Video-out 機能付き)、USB3.1 x1、USB2.0 x1
・インターフェイス:HDMI、有線LAN(RJ-45)、ヘッドフォン
・バッテリー: 約14.8時間
・サイズ、重さ:約 365×240×18.9 mm、1.7kg
レビュー機のCPUはRyzen 5です
Ryzen4000シリーズは先代よりも飛躍的に性能アップしており、IntelのCore iシリーズを圧倒するパワーだと評判です
メモリ8GB、SSD256GBという王道スペックで価格は7.5万円(税込、送料込)。コスパはかなり良いと思います
◆見た目、デザイン
筐体カラーはブラック。ThinkPadファンにはおなじみのカラーです
アルミ素材を使用した天板は高級感があります
ぼくは数年前にThinkPad Eシリーズを買ったことがあります。そのときの印象はいかにも廉価版という感じでしたが、今回のE15 Gen2にはそのような印象は全く受けませんでした。
手に持ったときの質感も良いのです。
しかし、ちょっと指紋が目立ちます
ThinkPadあるあるでしょうがない部分もありますが、理想を言えばもう少し指紋が目立たない素材がいいのになあと思います。
液晶ディスプレイは非光沢タイプで映り込みはなし。
見やすいディスプレイですがちょっと暗めです
輝度は250nit前後。
コントラストも低く、色味はあっさりしてます。
最近は7~8万の価格帯でも300nitという明るさの液晶も普通に見かけるので、本機のディスプレイは残念な点です
ディスプレイ上部のWebカメラは使用しないときにシャッターを閉じてオフにできます。万が一不正なアクセスがあっても安心です
◆ベンチマーク
CPUはAMD Ryzen 5 4500U
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、10498というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Ryzen 5 4500U 平均値11220
Core i7-10710U 平均値10002
となっています。
レビュー機のスコアは平均より少し下でしたが、一応予想値の範囲内と言えます
内蔵されているSSDのベンチマークをとると以下のようになります。
シーケンシャルリードは2300MB/sでPCIe接続のSSDとしては少し遅め
4Kリード、ライトは平均的な数値でした。
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約13.5秒でした。
こちらは平均値(12秒)より少し遅めでした
以上をまとめると、
CPUテスト: 平均
SSDテスト: 平均
起動: 平均以下
という結果でした。
さらなるテストとしてPCMark10を実施しました。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測します
Essentials(一般的な利用) 7927 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6719 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 3826 (目安3450)
すべての項目で目安となるスコアを上回りました。
普通のノートPCでデジタルコンテンツ制作の目安をクリアできるのはRyzen4000番台のおかげでしょう。
しかしRyzen 5 4500Uとしては物足りないという気がします
Ryzen 5 4500Uであれば、画像編集や動画編集もバリバリやれるくらいの性能があるはず。しかし本機のデジタルコンテンツ制作のスコアは、ぎりぎり目安をクリアする程度でした。
他で同様の報告を聞いたことはないので、個体差のせいかもしれませんが、ちょっと気になる点です。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.8mmです。
キー配列はオーソドックス
矢印キーが一段下がっているなど、細かい部分もしっかりしています
ストロークは深く、クリック感があります。打ち心地は良いです
さすがThinkPadのキーボードといったところでしょう。
中央にある赤ポチはご存知トラックポイント
指に吸い付くようにフィットしてカーソル操作を快適に行うことができます
クリックボタンも従来のThinkPadと変わらず押しやすいです
タッチパッドの広さは100 x 69 mm。
二本指スクロールなど操作性もスムースでした。
キーボード、クリックボタン、トラックポイントの3つの入力デバイスは秀逸の一言です。他メーカーとは大きな差があると言っていいでしょう
◆インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが2つです。
USB-CはPower Delivery対応ですので、専用ACアダプタを使わずともUSB Type-Cケーブルでの充電が可能です。また映像出力にも対応しています
USB-Aは2つですが、1つはUSB2.0となっています
USB-Cポートは電源ポートとしても使用するため、電源につないだ状態だと残りのUSBポートは2つ。しかも1つは転送速度の遅いUSB2.0となっています
このUSBポートの仕様は大きなマイナス点だと思います
せめてあともう1つUSB-Cが付いていてほしかったです
他のインターフェイスとしは、HDMIと有線LANポート(RJ-45)が付いています
SD、microSDのカードスロットは付いていません。
◆バッテリー、排気音、熱など
バッテリーの駆動時間は公称値で14.8時間です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約8時間。まずまずの結果でした
熱や静音性も問題なかったです
◆まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆ |
起動・処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・ディスプレイが少し暗い
・USBポートが少ない
長所
・高級感のあるデザイン
・打ちやすいキーボード
・トラックポイント、クリックボタンで快適な操作性
冒頭に書いたとおり、一長一短のあるPCです
短所がどのくらい許容できるかによって評価は変わってくるでしょう
ディスプレイの暗さ(明るさ)は、数年前のノートPCとしては普通なので、その環境に慣れている人なら別に気にならないでしょう
むしろUSBポートの数(種類も含め)の問題の方が、ビジネス仕様を謳うThinkPadにとっては大きいかもしれません。
一方で、キーボードの打ちやすさは流石の一言です
トラックポイント、クリックボタンの操作性も変わらず快適でした。
ぼくはThinkPadからIdeapadへと移った人間ですが、久しぶりにThinkPadをさわるとやっぱりこれだよなと痛感します
Ryzen 5 4500Uの性能は
PassMarkのベンチマーク⇒平均より少し下
PCMark10のベンチマーク⇒平均より下
という結果。
個体差のせいだと思いますが、期待ほどのパフォーマンスではありませんでした。それでもIntelのCore i7-10510Uよりは上です。
◆おすすめの構成
Ryzen 5
メモリ8GB
SSD 256GB
という標準的な構成でも十分かなと思いますが、画像編集や動画編集も本格的にやりたいという人なら、メモリを16GBにアップしておいた方がいいでしょう
Ryzen 5
メモリ16GB
SSD 256GB
という構成で8.3万円(税込、送料込)となっています
ThinkPadは平日の夜間と土日は割引率が高くなって安く買えます