LenovoのYoga 650は2020年10月発売のモデル。
- 13.3型1.32kg
- 変形2-in-1タイプでタッチ対応
- CPUはAMD Ryzen 4000シリーズ
- 長時間バッテリー
という特徴をもっています。
Ryzen 4000シリーズは非常に性能が高く、画像編集や動画編集にも使える仕様になっています。価格は7万円台から購入可能。コスパの良い機種です。
発売当初はずっと在庫切れの状態が続いていましたが、現在(2021年2月)の納期は安定しています。
10万以下で質の良いモバイルPCを探している人におすすめの一台です。
レビュー機のスペック
・型番: 82FN002UJP
・CPU: AMD Ryzen 5 4500U
・メモリ: 8GB (4GBx2)
・SSD: 256GB
・ディスプレイ: 13.3型 FHD(1920×1080) 光沢、タッチ対応
・USBポート: USB-C x2、USB-A x2
・インターフェイス: ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・バッテリー: 60Wh 19.6~19.8時間
・重さ: 1.32kg
・ペン付属
レビュー機はRyzen 5搭載モデルです。
Ryzen 5を選択すると、メモリ8GB、SSDは256GBという構成になり、価格は8.0万円(税込、送料込)です。ペンは無料で付いてきます。
CPUをRyzen 7にするとメモリは16GB、SSDは512GBになります。
全モデルにMicrosoft Officeを付けることも可能です。
※価格は変動することがあるので最新情報はLenovo公式のオンラインストアで確認してください。
見た目、デザイン
Yoga 650のデザインで特徴的なのは天板に布地(ファブリック)素材を使っている点です。
手触りが良く、滑らないのでとても持ちやすいです。
布地になっているのは天板のみで、キーボード面は普通の金属素材です。
筐体カラーはアビスブルー。暗めの紺色になります。
こちらの素材は少し指紋が目立ちますが、剛性は高くしっかりした作りです。
液晶ディスプレイは光沢タイプなので、映り込みがありますが、IPS液晶で視野角が広く見やすいです。
輝度は350nit
色域はsRGBカバー率100%
この価格帯としては優秀なディスプレイです。
ディスプレイの質は、同じLenovoのIdeaPadシリーズと大きな差があります。
映画を観たり、画像編集などのクリエイティブな作業をやりたい場合はIdeaPadよりもYoga 650がおすすめです。
ディスプレイ上部のWebカメラは使用しないときに閉めておくことができます。
Web会議などで自分の画像を写したくないときには、この物理シャッターがあると便利です。
ベンチマーク
CPUはRyzen 5 4500Uです。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、11459というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Ryzen 5 4500U 平均値11284
となっています。
レビュー機はほぼ平均値。期待どおりのスコアでした。
ちなみに電源から外してバッテリー駆動時のスコアもとってみると、7864でした。
電源接続時よりもかなりパフォーマンスが落ちます。低下率は31%と大きめでした。ちなみに7864というスコアは、Core i5-1035G1(インテル第10世代のCore i5)と同等のスコアです。
さらなるテストとしてPCMark10を実施しました。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
Essentials(一般的な利用) 8431 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)7363 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 4508 (目安3450)
すべての項目で目安となるスコアを上回りました。
さすがRyzen 5 4500U。どのスコアも優秀で弱点がありません。
これらをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
○画像編集(RAW現像)
△動画編集
△ゲーム
という目安になるかと思います。
良い: 電源接続時のパフォーマンスは文句なし
悪い: バッテリー駆動時のパフォーマンス低下
キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.2mmです。
キー配列で気になるのはEnterキーとBackspaceキーが他のキーとくっついている点です。打ちやすさは問題ないのですが、見た目はあまり良くありません。
LenovoのIdeaPadシリーズやYogaシリーズではお馴染みの配列ですね。
限られたスペースで、キー間隔をある程度確保するためにはこの配列はしょうがない部分もあります。キーの形状が細くなったりしていないので、特定キーが打ちにくいということはありませんでした。
キーボードの打鍵感やタッチパッドの操作性も良好です。
打鍵感はまずまずです。
インターフェイス(端子類)
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが2つです。
USB-CはPower Delivery対応ですので、専用ACアダプタを使わずともモバイルバッテリーでの充電が可能です。
13.3型ノートでUSBポートが4つあるのは非常にめずらしいです。1つは電源ポートとして使用するので常時使えるUSBポートは3つとなります。
他の端子、コネクタはヘッドフォンジャックのみ。HDMIやSDカードスロットは付いていません。
USB-Cが映像出力に対応しているので、HDMIがなくても対応可能です。
USBポートだけ増やして、後は思い切ってナシ。という仕様は悪くないと思います。周辺機器との接続を考えた場合、変換アダプターで対応するというのが現実的な解なので、中途半端なmicroSDスロットとかはなくてOKでしょう。
良い: USBポートが4つ
ペン付属
Yoga 650にはペンが無料で付いてきます。
Lenovoのデジタルペンで書き心地はまずまずです。
筆圧感知になっているので簡単なお絵かき用としてもいけると思います。
バッテリー、排気音、熱など
バッテリー容量は60Whと大容量。
駆動時間は公称値で19.6時間です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約12時間。とても優秀な結果でした。このぐらいバッテリーがもてば、文句はないでしょう。軽めの使い方をするなら2~3日充電なしでもいけそうです。
熱も問題なかったです。
ただ排気音は少し大きめです。
負荷をかけると「サー」というファン音が鳴るのが気になりました。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・バッテリー駆動時のCPU性能
・ファンの音が大きめ
長所
・明るいディスプレイ
・長時間バッテリー
・コスパ良し
Yoga 650はバッテリーを多く積んでおり、バッテリー駆動時間はとても優秀です。
その代わり、重量は1.32kgと少し重めになってします。またせっかくバッテリーを強化したのに、バッテリー駆動時のCPU性能が大きく低下するのもマイナスです。
しかしバッテリー駆動時でも第10世代のCore i5程度の性能は確保されているので、資料作成やWeb会議などのビジネス利用までなら快適にこなしてくれるのが良い点だと言えます。
輝度350nit、sRGBカバー率100%のディスプレイを搭載しているので、趣味で写真や動画を撮る人にもおすすめです。
天板の布地(ファブリック)は安っぽさはなく、なかなか良いと思いました。手に持ったときに滑りにくいので、1.32kgという重量以上に軽く感じます。
Yoga 650は一般的な相場から言うと十分安いと言えますが、Lenovoにはさらにコスパの良いIdeaPadシリーズがあります。
価格、軽さ、ディスプレイの質に注目して選ぶのがおすすめです。
ライバル機種との比較
同じ13.3型の変形2-in-1だと、HPのENVY x360 13がライバルとなります。
Yoga 650 | HP ENVY x360 13 | |
CPU | Ryzen 5 4500U | Ryzen 5 4500U |
ディスプレイ | 13.3型 FHD | 13.3型 FHD |
輝度、sRGB | 350nit、100% | 300nit、100% |
USBポート | USB-C x2 USB-A x2 | USB-C x1 USB-A x2 |
SDカードスロット | なし | microSD |
ペン | 付属 | 別売り |
バッテリー | 12時間 | 8時間 |
重さ | 1.32kg | 1.25kg |
価格 | 7.5万 | 8.3万 |
基本スペックは同じですが、バッテリー性能ではYoga 650の方が上です。重量はHP ENVYの方が軽いです。
価格はYoga 650の方が安くなっています。ペンも付いてくるのがうれしいです。
次の比較は、LenovoのIdeaPad Flex 550との比較。
Yoga 650 | IdeaPad Flex 550 | |
CPU | Ryzen 5 4500U | Ryzen 5 4500U |
ディスプレイ | 13.3型 FHD | 14型 FHD |
輝度、sRGB | 350nit、100% | 250nit、65% |
USBポート | USB-C x2 USB-A x2 | USB-C x1 USB-A x2 |
SDカードスロット | なし | フルサイズSD |
ペン | 付属 | 付属 |
バッテリー | 12時間 | 7.5時間 |
重さ | 1.32kg | 1.5kg |
価格 | 7.5万 | 5.9万 |
IdeaPad Flexは14型でディスプレイの質が落ちるものの、価格が5.9万とさらに安くなるのが魅力です。
またSDカードスロット付きなのでデジカメのデータを直接挿すことができます。
安さを求めるならIdeaPadも十分ありでしょう。
価格だけ言うと、
IdeaPad Flex 550 < Yoga 650 < ENVY x360 13
という順になります。
この3つのどれを選ぶかは難しいところですが、ディスプレイの質を上げつつ、価格を抑えたいとなったらYoga 650が最有力です。
2021年4月に新モデルのRyzen 5000シリーズが発売となりました。Ryzen 4000シリーズと価格差はわずかなので、最新モデルの購入をおすすめします。割引クーポンを使えば、さらに安くなります。購入の際は必ず利用しましょう。