mouse(マウスコンピューター)のDAIV 5Pは2021年9月発売の15.6型ノート。
- 15.6型、据え置き用
- 色域の広いディスプレイ
- 画像編集(RAW現像)、動画編集が快適
- 軽めのゲームもOK
という特徴をもっています。
マウスコンピューターからレビュー機を貸出ししてもらい、パフォーマンスをチェックしてみました。
以下でくわしく見ていきましょう。
レビュー機のスペック
・Windows 10 Home 64bit
・CPU:Core i7-11800H
・メモリ:16GB (8GBx2)DDR4-3200
・SSD: 512GB
・ディスプレイ:15.6型 (1920×1080) 、非光沢
・グラフィックス: NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop
・USB: USB-C x2、USB-A x2
・インターフェイス:HDMI、有線LAN、microSDカード、マイク、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・重量: 1.73kg
CPUは8コア16スレッドのインテル第11世代Core i7。末尾HのパワフルなCPUを搭載しています。
メモリは最大64GBまで、SSDは2TBまでカスタマイズ可能です。
上記のデフォルト構成で価格は17.9万円(税込、送料込)となっています。
※価格は2021年10月28日現在のものです。
※最新情報はマウスコンピューターの公式ストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
筐体カラーはグレー。
シンプルなデザインです。
天板にDAIVのロゴが入っています。
ディスプレイは
・FHD (1920×1080)
・非光沢
という仕様。
映り込みが少なく見やすいディスプレイです。視野角も広いです。
ディスプレイのベゼル(額縁)は左右と上は細く、下は少し太めです。
縦横比は流行りの16:10ではなく16:9となっています。
狭額縁という観点では、同じDAIVシリーズのDAIV 4P(2021年モデル)の方が上です。
写真はDAIV 4Pのディスプレイ。16:10で下のベゼルも細くなっています。16:9のDAIV 5Pでも悪くはないのですが、せっかくなら5Pのデザインも主流となりつつある16:10にしてほしかった気がします。
その他、
・輝度(明るさ)は 300nit
・色域 sRGBカバー率 100%
輝度と色域はクリエイター向けPCとしての基準をクリアしています。
良い: 明るく、色域の広いディスプレイ
微妙: 16:10ではなく16:9
ベンチマーク
CPUはCore i7-11800H。非常に性能の高いCPUです。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、20617というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Core i7-11800H: 21716
となっています。
レビュー機はほぼ平均値。期待どおりのパフォーマンスでした。
AMD Ryzen 7 5800Hともいい勝負をしています。
◆リアルなアプリの快適度
PassMarkはあくまで小手調べ。当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
結果はすべての項目で目安となるスコアを余裕で上回りました。
Essentials(一般的な利用) 9344 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)8499 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 7340 (目安3450)
最後のデジタルコンテンツ制作のスコアはこれまで検証してきたノートPCでは最高点です。
同じDAIVシリーズのDAIV 4Pと比較してみます。
DAIV 4P | DAIV 5P | ||
Core i7-1165G7 | Core i7-11800H | スコア差 | |
アプリ起動 | 11757 | 11404 | -3.1% |
ビデオ会議 | 7821 | 7691 | -1.7% |
Webブラウジング | 8232 | 9303 | 11.5% |
表計算 | 6052 | 10288 | 41.2% |
文章作成 | 7826 | 7022 | -11.4% |
画像編集 | 7786 | 9137 | 14.8% |
レンダリング | 3434 | 8757 | 60.8% |
動画編集 | 4615 | 4944 | 6.7% |
アプリ起動やビデオ会議といった基本的な作業ではほとんど差がありませんが、画像編集やレンダリングといったクリエイティブワークになってくると、DAIV 5Pの性能が上を行くことがわかります。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
その結果が下の表になります。
CPU | メモリ | タイム | 検証台数 |
本機 Core i7-11800H | 8GBx2 | 8.6 | 1 |
Core i7-1165G7 | 8GBx2 | 8.7 | 7 |
Core i5-1135G7 | 4GBx2 | 10.6 | 1 |
Ryzen 7 4700U | 8GBx2 | 10.7 | 2 |
Ryzen 5 5500U | 4GBx2 | 15.7 | 1 |
優秀なタイムですが、Core i7-1165G7との差は微差です。
さらに「空の選択」「放射ぼかし」にかかるタイムも計測してみました。
空の選択 (秒) | 放射ぼかし(秒) | |
Core i7-11800H | 2.7 | 1.8 |
Ryzen 7 5800H | 3.1 | 1.6 |
Core i7-1165G7 | 3.6 | 2.7 |
Ryzen 7 5700U | 4.6 | 2.2 |
Core i5-1135G7 | 5.3 | 2.9 |
これはCore i7-1165G7と明らかな差が出ました。
Ryzen 7 5800Hといい勝負です。
◆Davinci Resolveで動画編集
180秒のFHD動画(30fps)の書き出しにかかった時間を計測してみました。
CPU | GPU | タイム(秒) |
Core i7-11800H | RTX 3050 | 65.9 |
Ryzen 7 5800H | AMD Radeon | 79.4 |
Ryzen 7 5700U | AMD Radeon | 99.3 |
タイムはまずまずの速さ。Davinci Resolveの無料版は書き出しにGPUを使用しないのですが、それでも元の動画の1/3の時間で書き出しが終了します。GPUを使用した書き出しならさらにタイムは縮まるでしょう。
4K動画を本格的に編集するのはさすがに厳しいと思いますが、FHD動画であればまずまず快適に編集可能です。
◆軽めのゲーム
最後にファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは18971、「非常に快適」という結果でした。
機種 | CPU | GPU | スコア |
IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H | AMD Radeon | 5176 |
ZenBook 14 Ultralight | Core i7-1165G7 | Intel Iris Xe | 6027 |
ThinkPad X13 Gen 2 | Core i7-1165G7 | Intel Iris Xe | 6688 |
DAIV 5P | Core i7-11800H | RTX 3050 | 18971 |
RTX 3050搭載なので軽めのゲームなら快適に楽しめます。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
〇画像編集(RAW現像)
〇動画編集
△ゲーム
という目安になります。
クリエイティブワークからゲームまで守備範囲の広いパソコンです。
良い: 画像編集、動画編集で素晴らしいパフォーマンス
良い: 軽めのゲームも快適
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチは18.75mm、キーストロークは1.4mmです。
キーの配列はオーソドックス。
右側にテンキーが付いています。
テンキーは通常の4列ではなく3列なので「+」や「-」などの位置が違います。テンキーを使い慣れている人ほど違和感があると思います。
全体の打鍵感はまずまず良好です。
キーボードはバックライト付きなので暗い所でもキーが光ります。
デフォルトの設定はちょっと派手すぎるかなと思いました。発色パターンを変えることはできます。
良い: 打鍵感はまずまず
良い: 見た目の配列もきれい
微妙: バックライトが派手
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが3つです。
USB-CはThunderbolt非対応なのが残念な点。
他は有線LAN、HDMI、microSD、そしてマイク入力端子、ヘッドフォン出力端子が付いています。有線LANポート、USB-C、HDMI、電源ポートは筐体の背面についており、ケーブルが邪魔にならないように設計されています。
フルサイズSDではなく、microSDという点は大きなマイナスです。はっきり言ってmicroSDスロットが付いていても何もうれしくはありません。この手のPCで重要なのはデジカメ用のフルサイズSDスロット。これが付いているかどうかに尽きるのですが、それがないのは本当に残念です。
良い: USBポート4つ、有線LANポート
微妙: Thunderboltなし
悪い: フルサイズSDカードスロットなし
バッテリー、排気音、熱など
バッテリー容量は62Whでかなりの大容量ですが、CPUやGPUでの消費電力が高いのでバッテリーライフは短めです。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約4.0時間と平均以下でした。
もっともこのPCは据え置き用なのでバッテリーライフはさほど問題にならないでしょう。
負荷をかけるとファン音がして熱も少し出ますが、許容範囲でした。14インチのDAIV 4Pが音に問題を抱えてたのに対し、15.6インチのDAIV 5Pは比較的静かなマシンです。
なおACアダプターは大きめです。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆ |
短所
・フルサイズSDカードスロット無し
・FHD以上のオプションがあっても良かった
長所
・性能は文句なし
・画像編集、動画編集が快適
・打ちやすいキーボード
性能面は文句なしでしたが、デジカメ用のSDカードスロットが付いていないのは大きなマイナスです。クリエイター向けPCで、しかも15.6型であればぜひとも付けてほしかったところ。SDカードリーダーを買って対応はできますが、それをユーザーに強いるのはどうかと思いました。
現に14インチのDAIV 4Pにはちゃんと付いていますから、DAIV 4Pよりも後に発売された本機に付いていないのは問題です。筐体デザインを変更するコストを渋ったのかもしれません。USB-CポートがThunderboltに対応していない点も同様の理由かなと推察します。
辛口な意見ですが、それはそれだけDAIVシリーズに期待をもっているからです。
性能に関しては文句なしなので、使い勝手の面もさらに改善してほしいなと思いました。
あと欲を言えば、ディスプレイにFHD以上のオプションもあるとうれしいですね。4Kまではいらないけど、FHDだと満足できないという人もいると思うので2K(2560×1440)解像度くらいの選択肢があってもいいかなと思います。
DAIV 4Pと5Pの比較では、
・性能と静音性なら5P
・ディスプレイ、インターフェイス、軽さなら4P
といった感じです。
4Pは動画編集までは難しいのであくまで画像編集用になります。
くわしくはこちらのレビュー記事を参照してみてください。
⇒【レビュー】mouse DAIV 4Pは買いか!? ディスプレイ良し、性能良し、軽さ良し。
DAIV 5Pは現在ハロウィンセール中。11月10日まで10,000円 OFFです。