DELL Inspiron 13 5330は2023年2月発売のノートPC。
- 13.3インチ 16:10ディスプレイ
- 2560×1600ピクセル、sRGBカバー率100%
- モバイルノートの中ではトップクラスの性能
- Thunderbolt 4が2つ
- 重量は1.24kg。
という特徴があります。
それに加え、セール中の価格が9.5万円(税込、送料込)と安いので、6月に入り人気急上昇中の一台です。
筆者も実際に使ってみて、間違いなく「推しのPC」だと感じました。DELL InspironシリーズはInspiron 14や16が人気ですが、今回のInspiron 13も良い出来です。
レビュー機のスペック
・Windows 11 Home 64bit
・CPU: Core i5-1340P
・メモリ: 16GB (8GBx2)
・SSD: 512GB
・ディスプレイ: 13.3インチ 2560x1600、非光沢、IPS
・USBポート: Thunderbolt 4 x2、USB-A x1
・インターフェイス: HDMI、ヘッドフォン
・Webカメラ: FHD(1080p)、プライバシーシャッター
・顔認証なし、指紋認証あり
・重量: 1.24kg
レビュー機はCore i5のモデル。
6月14日時点の価格は9.5万円(税込、送料込)とかなり安いです。
人気のせいか、現在品切れ中です。
しばらく待てば在庫が回復すると思いますが、いますぐ欲しい人は上位のCore i7モデルもおすすめ。価格は10.7万円(税込、送料込)です。
なおメモリはオンボードのため増設はできません。
※価格の最新情報はDELLのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはプラチナシルバー。
Inspironではお馴染みのカラーです。
アルミ合金を使用した天板は、中央にDELLのロゴが入っています。
少しキラキラと光るような光沢があり高級感を感じます。
重量は実測で1.21kgです(カタログ値は1.24kg)
まずまずの軽さで持ち歩きも可能です。ただ1.0kgを切るPCも多い中、飛びぬけて軽いとは言えないのも確かです。
ディスプレイは
・2.5K相当 (2560×1600)
・縦横比16:10
・非光沢
・リフレッシュレート 60Hz
・輝度(明るさ) 300nit
・色域 sRGBカバー率 100%
という仕様。
映り込みは少なく見やすいディスプレイです。
アスペクト比(縦横比)は主流の16:10です。
色域も広く、sRGBカバー率は100%です。
下の写真はsRGBカバー率63%のInspiron 14と並べたところ。
写真で見ると差は微妙ですが、よく見るとやはり本機の方が明るく、赤や黄色の鮮やかさがわかります。
良い: アルミ合金のボディで高級感がある
良い: アスペクト比が16:10
良い: 高精細で色域も広い
Webカメラ
Webカメラはプライバシーシャッター付き。使わないときは隠せるので、意図せずに自分が映ってしまうという心配がありません。
解像度はFHD(1080p)。写りも良好です。
他機種と比べるとちょっと寒色(青)寄りかなと思いますが、違和感はありません。
良い: FHDカメラで写りは良好
ベンチマーク
CPUはCore i5-1340P。インテルの第13世代です。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3715
マルチスレッド: 23300
というスコアでした。
シングル、マルチともに優秀です。
マルチスレッド性能はRyzen 7 7735Uを上回っており、当サイトでレビューしたモバイルノートでは過去最高のスコアです。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
機種 | CPU | タイム(秒) |
Legion 570i | Core i7-12700H | 4.6 |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 | Core i5-1340P | 5.7 |
IInspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 6.0 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 7.1 |
ZenBook S 13 OLED | Core i7-1355U | 8.7 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 9.0 |
RAW現像はRyzenよりもインテルが強い分野。Ryzen 7搭載機よりも速いタイムが出ています。モバイルノートの中ではかなり優秀です。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。
機種 | CPU | タイム (秒) |
Legion 570i | Core i7-12700H | 40 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 60 |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 62 |
Yoga 6 Gen 8 | Ryzen 7 7730U | 77 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 79 |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 | Core i5-1340P | 80 |
書き出しもまずまずの速さ。インテルよりもRyzenが強い分野ですが、Ryzen 7 6800Uに匹敵するタイムが出ています。
4K動画やエフェクトをがっつりかけた編集になると苦戦しそうですが、FHD動画の軽めの編集くらいなら快適にこなせそうです。
◆軽めのゲーム
最後は定番のベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)です。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは6524、「やや快適」という結果で平均フレームレートは46fpsでした。
機種 | CPU | グラフィックス | スコア |
Legion 570i | Core i7-12700H | RTX 3050 Ti | 20956 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | Radeon 680M | 8420 |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 | Core i5-1340P | Intel Iris Xe | 7387 |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | Intel Iris Xe | 6524 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | AMD Radeon | 5243 |
本機はグラボを搭載していないのでゲームはあまり期待できません。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
〇画像編集
△動画編集
×ゲーム
という快適度になります。
良い: モバイルノートでは過去最高の性能
良い: 画像編集や動画編集にも対応可能
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
パッと見てわかるのが、キーが端ギリギリまで配置されているということ。
13.3型ながら特定のキーが小さくなってしまうようなことはありません。
EnterキーとBackspaceキーが横をくっついてしまったのは残念ですが、それ以外は良く出来ています。
電源ボタンは右上。間違えて押しても、強く押し込まないかぎり反応しないので安心です。
そしてバックライト付きなので暗い場所で使うときもタイプしやすいです。
良い: 端ギリギリまでキーが配置されているのでキーが大きい
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが1つです。
万能ポートであるThunderbolt 4が2つあるのが良い点です。
・転送速度 40Gbps
・PD対応(モバイルバッテリーから充電OK)
・映像出力可能
です。
ただし1つは電源ポートも兼ねているので、常時使えるThunderboltは1つとなります。
あとはHDMIとヘッドフォンジャック。13.3型としてはまずまずの拡張性です。
良い: Thunderbolt2つ
良い: USB-Aも1つ残っている
バッテリー、排気音、熱など
バッテリー容量は54Whです。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約6.4時間。平均よりも少し短め。モバイルノートとしてはやや不満なバッテリーライフでした。
XPS 13 Plus | 5.3時間 |
Inspiron 13 5330 | 6.4時間 |
Zenbook S 13 OLED | 8.0時間 |
Inspiron 14 5435 | 8.5時間 |
ENVY x360 13-bf | 10.0時間 |
一方、熱や音については問題なし。
負荷時のファン音も40デシベル以下で許容範囲内でした。ただし底面は少し熱くなるので、ひざの上で長時間使うときは注意してください。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー、熱、音 | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆☆ |
悪い点
・バッテリーライフが少し短い
・急に人気が出過ぎたせいで在庫少なめ
良い点
・16:10ディスプレイ、色域も広い
・1.3kg以下のノートPCではトップクラスの性能
・万能ポートのThunderboltが2つ
・コスパがとても良い
高性能で、ディスプレイの質も良く、それなりの軽さ。そして価格も安い。
高評価を付けない理由がありません。
仕事用としてもOK、学生向けのPCとしても良さそうですし、持ち運びできるクリエイターPCとしても使えそうです。
唯一気になったのはバッテリーの持ちがそんなに良くない点。モバイルノートとしては物足りないレベルです。
キーボードは平均点。特別優れているというわけではないですが、13.3型でも窮屈感はありません。長文を書いたりするのにも耐えられるレベルです。
性能に関して再度言っておくと、1.3kg以下のモバイルノートではトップクラスです。この軽さになってくると、CPU性能をフルに発揮できなかったり、ファン音がうるさかったりする機種もよく見かけます。本機はそのようなことがなく、非常に高い完成度を誇っています。
安さも魅力。レビューしたCore i5モデルは9.5万円(税込、送料込)と10万を切ります。
1.3kg以下で、同等スペックをもったPCでは最安値付近です(価格.com調べ)。
この価格はDELLの決算セールの価格なので、今後も続くとは限りません。
また在庫が少なめなので、あるときに早めに買っておくことをおすすめします。