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ThinkBook 13x Gen 2のレビュー。モノ自体はとても良いが、ライバル機が強すぎるので相対評価は低くなってしまう。

LenovoのThinkBook 13x Gen 2は2023年3月発売のノートPC。

  • 13.3インチ 16:10ディスプレイ
  • 2560×1600ピクセル、sRGBカバー率100%
  • Thunderbolt 4が2つ
  • 重量は1.2kg。

という特徴があります。

価格も11.0万円(税込、送料込)とまずまずの安さ。

タイトルにあるようにモノ自体はとても良いのですが、ライバル機であるDELLのInspiro 13 5330が優秀すぎるためにそのアオリを食っています。

具体的にどの辺でInspironとの差が出るのか見ていきましょう。

レビュー機のスペック

・Windows 11 Home 64bit
・CPU: Core i5-1235U
・メモリ: 16GB (8GBx2)
・SSD: 512GB
・ディスプレイ: 13.3インチ 2560x1600、光沢、IPS
・USBポート: Thunderbolt 4 x2
・インターフェイス: ヘッドフォン
・Webカメラ: FHD(720p)、プライバシーシャッター
・顔認証あり、指紋認証あり
・重量: 1.2kg

CPUはインテル第12世代のCore i5。現行は第13世代なので1世代古いCPUです。

メモリは16GB、SSD512という構成で11.0万円(税込、送料込)

1.2kgのミドルクラスPCとしてはまずまずの安さです。

ただ後述しますが、DELLのInspiron 13は9.5万とさらに安くなっています。

当然この価格差も相対評価に影響します。

※価格の最新情報はLenovoのオンラインストアで確認してください。

デザイン、ディスプレイ

カラーはクラウドグレー。

明るめのグレーで天板は2トーンになっています。

ThinkBookのロゴが大きいのがちょっと気になりますが、全体の高級感はまずまずです。

ボディの側面(エッジ部分)にダイヤモンドカットが施されているので光を反射してキラキラ光ります。

THINKBOOKのロゴはこんな所にも配置されてます。これはおしゃれだと思いました。

厚みは12.9mm(約1.3cm)と非常に薄いです。

重量は実測で1.21kgです(カタログ値は1.2kg)

まずまずの軽さで持ち歩きも可能です。
ただ1.0kgを切るPCも多い中、飛びぬけて軽いとは言えないのも確かです。

ディスプレイは

・2.5K相当 (2560×1600)
・縦横比16:10
・光沢
・リフレッシュレート 60Hz
・輝度(明るさ) 450nit
・色域 sRGBカバー率 100%

という仕様。

アスペクト比(縦横比)は主流の16:10です。
輝度が450nitと十分に明るさがあります。
色域も広く、sRGBカバー率は100%です。

写真はsRGBカバー率63%のInspiron 14と並べたところ。

全体的に本機の方が色の鮮やかさです。
空や海の青もしっかり出ています。

※冒頭で挙げたのはInspiron 13でInspiron 14とは別の機種です。間違えないように

角度を付けてみると、さらに差がはっきりわかります。

光沢液晶なので映り込みはありますが、全体的にはとても良い品質のディスプレイだと思います。

良い: エッジにダイヤモンド加工。高級感がある
良い: アスペクト比が16:10、解像度は2.8K
良い: 輝度450nitで非常に明るい、色も鮮やか

Webカメラ

Webカメラはプライバシーシャッター付き。使わないときは隠せるので、意図せずに自分が映ってしまうという心配がありません。

解像度はHD(720p)です。

2023年はFHD(1080p)が主流なのでこれはマイナスです。

実際写りもいまひとつ。コントラストが低く、ノイズも目立ちます。

ただ顔認証に対応しているのは良い点です。

悪い: HDカメラで写りは平均以下

ベンチマーク

CPUはCore i5-1235U。インテルの第12世代です。

PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、

シングルスレッド: 3428
マルチスレッド: 11430

という低いスコアでした。

専用アプリのLenovoVantageで、「エクストリームパフォーマンス」に変更して再度実施。

するとスコアは

シングルスレッド: 3495
マルチスレッド: 17449

までアップしました。

第13世代には負けますが、第12世代のCore i7-1260P相当のスコアが出ています。

本機はデフォルト設定が性能を抑えすぎているようです。「エクストリームパフォーマンス」に上げても、熱やファン音は問題なさそうだったので、これ以降はこの設定で調査していきます。

PCMark 10

PCMark 10はリアルなアプリを使用したベンチマークで、一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。

結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。

Essentials(一般的な利用)8772 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6546 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 5233 (目安3450)

ライバル機のDELL Inspiron 13 5330と比較してみます。

Inspieon 13 5330 ThinkBook 13x
CPU Core i5-1340P Core i5-1235U スコア差
アプリ起動 11238 9601 -17.1%
ビデオ会議 8096 7626 -6.2%
Webブラウジング 9605 9221 -4.2%
表計算 7134 6679 -6.8%
文章作成 6981 6416 -8.8%
画像編集 9787 8460 -15.7%
レンダリング 4385 3487 -25.8%
動画編集 6049 4860 -24.5%

本機のスコアが決して悪いというわけではないのですが、Core i5-1340P搭載のInspiron 13と比べると全項目で見劣りします。特に、画像編集や動画編集といったコンテンツ制作の分野で差をつけられています。

PhotoshopでRAW現像

PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました

機種 CPU タイム(秒)
IdeaPad Slim 5i Core i5-1340P 5.7
Inspiron 13 5330 Core i5-1340P 6
Zenbook 15 OLED Ryzen 7 7735U 7.4
Victus 16 Ryzen 7 6800H 7.4
ThinkBook 13x Core i5-1235U 7.7
ENVY x360 13-bf Core i7-1250U 7.9

まずまず期待どおりの速さですが、第13世代のPプロセッサと比べるとあと一歩という感じです。Photshop自体は快適に動きます。

Davinci Resolveで動画編集

動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。

機種 CPU タイム (秒)
Victus 16 (AMD) Ryzen 7 6800H 47
Zenbook 15 OLED Ryzen 7 7735U 57
Inspiron 13 5330 Core i5-1340P 62
IdeaPad Slim 5i Core i5-1340P 80
ThinkBook 13x Core i5-1235U 87
ENVY x360 13-bf Core i7-1250U 93

書き出しも悪くはないですが、やはりCore i5-1340P搭載のDELL Inspiron 13には差をつけられています。FHD動画を軽めに編集するくらいならギリいけそうかなという感じです。

軽めのゲーム

最後は定番のベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)です。

1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは6432、「やや快適」という結果で平均フレームレートは45fpsでした。

機種 CPU グラフィックス スコア
Victus 16 Ryzen 7 6800H RTX 3050 Ti 16379
Zenbook 15 OLED Ryzen 7 7735U Radeon 680M 7565
Inspiron 13 5330 Core i5-1340P Intel Iris Xe 6524
ThinkBook 13x Core i5-1235U Intel Iris Xe 6432
ENVY x360 13-bf Core i7-1250U Intel Iris Xe 6260

本機はグラボを搭載していないのでゲームはあまり期待できません。

以上のことをわかりやすくまとめると

○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集
△動画編集
×ゲーム

という快適度になります。

良い: Core i5-1235Uとしての性能は期待どおり発揮できている
微妙: クリエイティブワークはやや苦戦
微妙: ライバルのInspiron 13 (Core i5-1340P)と比較すると明らかに下

キーボードの配列と打鍵感

キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.1mmです。

ストロークは浅め。同じLenovoのIdeaPadシリーズより少し浅いかなという感じです。たわんだりせず安定したタイピングができますが、もう少し深めの方が筆者の好みです。

配列はまずまず。キーが端ギリギリまで配置されているので特定のキーが小さくなってしまうようなことはありません。

EnterキーもLenovoのPCとしては少し大きめです。EnterキーとBackspaceキーが横をくっついてしまったのは残念ですが、それ以外は良く出来ています。

電源ボタンは右上に独立しており指紋認証付きです。

そしてバックライト付きなので暗い場所で使うときもタイプしやすいです。

良い: 端ギリギリまでキーが配置されているのでキーが大きい
微妙: ストロークは浅め

インターフェイス

USBポートはUSB-Cが2つのみ。両方ともThunderbolt 4です。

・転送速度 40Gbps
・PD対応(モバイルバッテリーから充電OK)
・映像出力可能

と万能ポートになっています。

あとはヘッドフォンジャック、そしてUSB-AとHDMIに変換できるアダプターが付いています。

うれしい心遣いですが、できれば本体に付いていてくれるのがベストです。

良い: Thunderbolt2つ
微妙: USB-AとHDMIは変換アダプターを介して

バッテリー、排気音、熱など

バッテリー容量は56Whです。 
以下の条件でテストしてみました。

・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し

結果は約6.2時間と平均よりも少し短めです。モバイルノートとしてはやや不満なバッテリーライフです。

Zenbook 15 OLED 4.5時間
ThinkBook 13x 6.2時間
Inspiron 13 5330 6.4時間
IdeaPad Slim 5i 6.5時間
Inspiron 14 5435 8.5時間

一方、熱や音については問題なし。

負荷時のファン音も40デシベル以下で許容範囲内でした。

底面は少し熱くなるので、ひざの上で長時間使うときは注意してください。

評価まとめ

デザイン ☆☆☆☆
キーボード・タッチパッド ☆☆☆☆
ディスプレイ ☆☆☆☆
性能、処理速度 ☆☆☆
インターフェイス ☆☆☆☆
バッテリー、熱、音 ☆☆☆☆
コスパ ☆☆☆☆

悪い点
・バッテリーライフが少し短い
・WebカメラがHD(720p)で写りがイマイチ
・キーストロークがちょっと浅め

良い点
・高級感のあるデザイン
・明るく色鮮やかなディスプレイ

1.2kgとまずまず軽く、ディスプレイの質が高いPCです。

CPU性能もミドルレンジを確保しており、ビジネス利用までなら何の問題もありません。

価格も11.0万円(税込、送料込)と高くないので、本機だけ見れば高評価をつけてもいいところです。

しかし冒頭に書いたとおり、DELL Inspiron 13 5330がとにかく強すぎます。冷酷なユーザー視点でどっちを選ぶとなったときは、本機が不利なことは間違いありません。

Inspiron 13 5330 ThinkBook 13x Gen2
CPU Core i5-1340P Core i5-1235U
PassMarkマルチ 23300 17449
ディスプレイ輝度 300nit 450nit
解像度 2.5K 2.5K
光沢、非光沢 非光沢 光沢
ボディ薄さ 14.4mm 12.9mm
Webカメラ 1080p 720p
USBポート Thunderbolt 4 x2 USB-A x1 Thunderbolt 4 x2 USB-A変換
HDMI あり 変換アダプタ
バッテリーライフ 6.4時間 6.2時間
重量 1.21kg 1.21kg
価格 9.5万 11.0万

本機は、

・ディスプレイの明るさ
・ボディの薄さ

の2つで勝っています。

一方、Inspironが優れているのは

・CPU性能
・Webカメラ
・インターフェイス
・価格

の4つです。

特に性能と価格の2つが大きいですね。

現状ではInspiron 13 5330が優位だと思います。

DELLストア Inspiron 13 5330

繰り返しになりますがThinkBook 13x Gen 2もそれ自体とても良い製品です。

1.2kg、10万前後のPCではトップ3に入るでしょう。

Lenovoストア ThinkBook 13x Gen 2

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