HPのPavilion Aero 13-beに2023年モデルが登場しました。
Pavilion Aero 13-be2000というシリーズ名が付いていますが、一般にはPavilion Aero 13-beという名前で認知されるはずです。
新モデルは
- デザインは旧モデルと同じ
- CPUと内蔵グラフィックス、メモリ規格が新しくなった
- ディスプレイは16:10の13.3インチ
- 957gの圧倒的な軽さ(変わらず)
という特徴があります。
モバイルノートの中で人気の高いPavilion Aero 13ですが、先に残念な点を書いておくと
- Thunderboltなし(タイプC充電は可能)
- WebカメラはHD(720p)
- Enterが右端にない独特なキー配列
- バッテリーライフは短め
といったところが挙げられます。
性能が上がるのは当然として、デザインが据え置きなのは残念です。
スペック概要
CPU: AMD Ryzen 5 7535U、Ryzen 7 7735U
メモリ: 8GB、16GB LPDDR5 6400MHz
SSD: 256GB、512GB
ディスプレイ: 13.3インチ 1920x1200、IPS
USB: USB-C x1、USB-A x2
インターフェイス:HDMI、ヘッドフォン
Webカメラ: HD(720p)
顔認証なし、指紋認証あり
重量: 957g
CPUはRyzenの7035シリーズ。
同じRyzenの7000番台でも7530Uや7730Uよりも性能が上のCPU(APU)です。まだベンチマークが出ていないので推測になりますが、Ryzen 5 6600UやRyzen 7 6800Uより少し上のスコアになるのではと予想します。
2022年モデルからのスコア上昇は約12~18%程度なので正直そこまでの驚きはありません。
CPUよりも影響が大きいのが内蔵グラフィックスです。
Ryzen 5にはRadeon 660Mが、Ryzen 7にはRadeon 680Mが搭載されます。
特に680Mの方が優秀で、インテルのIris Xeよりも高いグラフィック性能です。
Ryzen 5で2022年と2023年を比較すると以下のとおり。
2022年モデル Ryzen 5 | 2023年モデル Ryzen 5 | |
CPU | Ryzen 5 5625U | Ryzen 5 7535U |
PassMarkスコア | 100 | 115~118 |
メモリ規格 | DDR4 3200MHz | DDR5 6400MHz |
グラフィックス | AMD Radeon | Radeon 660M |
3DMark FireStrike | 100 | 132 |
2022年モデルのPassMarkスコア、3DMark FireStrike Graphicsのスコアを100としたときの2023年がどのくらい性能アップしているかを見てください。
Ryzen 7でも同様に比較してみます。
2022年モデル Ryzen 7 | 2023年モデル Ryzen 7 | |
CPU | Ryzen 7 5825U | Ryzen 7 7735U |
PassMarkスコア | 100 | 112~115 |
メモリ規格 | DDR4 3200MHz | DDR5 6400MHz |
グラフィックス | AMD Radeon | Radeon 680M |
3DMark FireStrike | 100 | 179 |
グラフィック性能を求めるならRyzen 7モデルがおすすめです。軽めのゲーム、軽めの動画編集に役立つでしょう。
HPストアではパフォーマンスモデルG3という名前で販売されており、価格は12.9万円(税込、送料込)です。
参考までにFF14の平均フレームレートはこんな感じ。
機種 | CPU | グラフィックス | 平均 fps |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | Radeon 680M | 70 |
IdeaPad Slim 5i Gen 8 | Core i5-1340P | Intel Iris Xe | 53 |
ThinkPad X1 Carbon Gen10 | Core i7-1260P | Intel Iris Xe | 45 |
Yoga 6 Gen 8 | Ryzen 7 7730U | AMD Radeon | 38 |
680M搭載のYoga 770では70fps出てました。
その他の特徴
◆ディスプレイは良い
16:10のディスプレイで輝度は400nit、色域はsRGBカバー率100%と質の高いものを使用しています。
◆キーボードはイマイチ
キーボードはEnterが右端じゃないこのパターン。
※写真は旧モデルのキーボードです。
慣れるまでかなり時間がかかります。
あとタッチパッドの操作性もこの価格帯にしては良くありません。
◆Thunderboltなし
USB-CポートはPD対応かつ映像出力も可能です。転送速度は10Gbpsです。
Thunderboltなら転送速度が40Gbpsと4倍速くなるのでちょっと残念です。
◆バッテリーライフ
旧モデルのバッテリー容量は44Whでした。これだとyoutubeを流しっぱなしで5~6時間しか持ちません。モバイルノートとしては短めです。
◆957gはめっちゃ軽い
DELLやLenovoが1.2kgくらいをメインでやってるのに対し、本機は957gという軽さで勝負。これが人気となった一番の理由でしょう。新モデルでも人気は続きそうです。
まとめ
- デザインは同じ、中身だけ刷新したモデル
- CPU性能よりもグラフィック性能の上昇が大きい
- グラフィック性能を重視するならRyzen 7 + 680M
- キー配列はネック、電池持ちもあまり良くない
- 957gの軽さが最大の魅力
デザイン据え置きは残念でしたが、軽さという大きな武器があるので2023年も人気となるでしょう。
ただ買うタイミングは見極めたいです。
旧モデルが安売りされるのであればそれを狙うのも手です。