今回はPavilion Aero 13-beのレビュー記事です【日本HP貸出提供】
Pavilion Aero 13-beは2023年4月発売のノートPC
- 957gと軽い
- 13.3インチ 16:10ディスプレイ
- 性能良し。軽めのゲームもOK
という特徴があります。
キー配列にクセがありますが、それに慣れてしまえば他の弱点は少ないです。
1.0kg以下でノートPCを探している人のおすすめしたい一台です。
レビュー機のスペック
・Windows 11 Home 64bit
・CPU: AMD Ryzen 7 7735U
・メモリ: 16GB
・SSD: 512GB
・内蔵グラフィックス: Radeon 680M
・ディスプレイ: 13.3インチ 2560×1600、IPS
・USBポート: USB-C x1、USB-A x2
・インターフェイス:HDMI、ヘッドフォン
・Webカメラ: HD(720p)、プライバシーシャッター無し
・顔認証なし、指紋認証あり
・重量: 957g
レビュー機はCPUがRyzen 7 7735UのパフォーマンスモデルG3です。
ディスプレイはFHDではなく2.5K (2560×1600)になっていました。
調べてみると、FHD液晶の部材が不足している場合、2.5Kに変更されることが稀にあるようです。
本来の構成はFHD液晶です。今回に限り2.5K液晶になっていますのでそこだけ注意してください。
HPはセールによって価格変動が激しいですが、12月19日時点では上記の構成は11.5万円(税込、送料込)となっています。
957gの軽さと性能を考慮すれば、まずまずの安さです。
※価格の最新情報はHPのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはセラミックホワイトとピンクベージュの2種類。
レビュー機はホワイトです。
明るく清潔感のある色で、リビングに置いてもマッチする色です。
ただ白は高級感があまり出ないのがネック。シルバーやブラックといった色の方が好みだという人も多いかもしれません。
天板には「hp」のロゴが入っています。
ボディはマグネシウム合金で作りも丈夫です。
重量は957g
片手で軽々扱える軽さです。
DELLやLenovoのモバイルノートが大体1.1kg~1.2kgくらいなので、それよりも200~300gも軽いです。
ディスプレイは
・13.3インチ
・縦横比16:10
・2560×1600 (※本来は1920×1200)
・非光沢、タッチ非対応
・輝度(明るさ) 400nit
・色域 sRGBカバー率 100%
という仕様。
非常に明るく、また色域も広いです。
下の写真はDELL Inspiron 14 5435 (2023)との比較
本機の方が良いですね。明るさと発色が全然違います。
FHD液晶の場合も明るさと色域は同じものが届くはずです。
良い: 957gとかなり軽い
良い: 明るく、色域の広いディスプレイ
微妙: 高級感はそれほどでもない
Webカメラ
Webカメラは顔認証あり。プライバシーシャッターは無しです。
解像度はHD(720p)です。
写りはまずまず。
現在の主流はFHD(1080p)です。本機は720pながら、明るくて写りも良好でした。
良い: 720pながら写りはまずまず
悪い: プライバシーシャッター無し
ベンチマーク
CPUはRyzen 7 7735U。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3491
マルチスレッド: 22311
というスコアでした。
期待どおりのスコアです
マルチスレッドは同じRyzen 7でも7730Uよりは上の性能です。
またインテル第13世代のPプロセッサよりも上です。
◆PCMark 10
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフト。その結果は以下のとおりです。
この中で、特に注目したのは
・アプリ起動 (App Start-up)
・Webブラウジング (Web Browsing)
・文章作成 (Writing)
の3つ。
この3つのスコアの幾何平均を普段使いの快適度と見なして他の機種と比べると以下のようになります。
機種 | CPU | 普段使いの快適度 * |
ThinkPad X13 Gen 4 | Core i5-1335U | 9594 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 9477 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 9250 |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 9100 |
Pavilion Aero 13-be | Ryzen 7 7735U | 8846 |
ENVY x360 13-bf | Core i7-1250U | 8606 |
ThinkBook 13x Gen 2 | Core i5-1235U | 8282 |
本機は中団。インテルの第13世代よりは下という位置でした。
このスコアはCPUのシングルコア性能が効いてくるせいだと思います。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
機種 | CPU | タイム(秒) |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 6.0 |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 7.1 |
ENVY x360 13-bf | Core i7-1250U | 7.9 |
Pavilion Aero 13-be | Ryzen 7 7735U | 8.2 |
ThinkPad X13 Gen 4 | Core i5-1335U | 8.2 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 9.0 |
RAW現像はインテルのPプロセッサーが速いです
本機はRyzenの中では上位。作業自体は快適です。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。
機種 | CPU | タイム (秒) |
Yoga 770 | Ryzen 7 6800U | 60 |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 62 |
Pavilion Aero 13-be | Ryzen 7 7735U | 62 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 79 |
ENVY x360 13-bf | Core i7-1250U | 93 |
ThinkPad X13 Gen4 | Core i5-1335U | 94 |
書き出し作業は速いタイム。インテルのPプロセッサーと同じくらいでした。
こちらはCPUのマルチコア性能が効くのでRyzenの得意分野です。
ただ4K動画を扱うのはちょっと厳しいかなという感じ。あくまでFHD動画に字幕をつけたり、軽くエフェクトを足したりするくらいが限度でしょう。
◆ゲーム
まずは定番のベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)です。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは8226、「快適」という結果でした。平均フレームレートは60fpdです。
機種 | CPU | グラフィックス | fps |
Yoga Pro 7i Gen 8 | Core i7-13700H | RTX 4050 | 137 |
Pavilion Aero 13-be | Ryzen 7 7735U | Radeon 680M | 60 |
Zenbook 15 OLED | Ryzen 7 7735U | Radeon 680M | 54 |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | Intel Iris Xe | 46 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | AMD Radeon | 37 |
モバイルノートの中では過去最高のスコアです。Ryzen 7 7735Uの場合、内蔵グラフィックスの性能がアップするのが良い点です。
もう1ランク重めのゲーム、ストリートファイター6でもベンチマークをとってみました。
こちらは残念ながら「設定変更を推奨します」という結果に。
対戦でのフレームレートは51fps出ています。
これが60fpsあれば快適なので、ギリギリ足りないという感じでした。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
〇画像編集
△動画編集
△ゲーム
という快適度になります。
良い: 守備範囲が広い。動画編集~ゲームも軽めならOK
キーボードの配列と打鍵感
キーの配列は、右端がEnterじゃない独特の配列です。
市場に登場してからはもうだいぶ経つこの配列。筆者はもうだいぶ慣れました。
実際使ってみると、そこまで悪くはないです。
右端のhome、pgup、pgdn、endはwebページをスクロールするときに便利です。
ただ最初はどうしてもEnterキーやBackspaceキーなどのタイプミスが頻出します。
キーピッチは18.7mm、キーストロークは1.3mm。全体の打鍵感はまずまずです。ストロークは浅めですがしっかりとしたクリック感があります。957gという軽さを考えれば上出来だと思いました。
タッチパッドの操作性も良好です。2021年モデルをさわったときは2本指スクロールがひっかかることがあり、あまり良い操作感ではなかったと記憶しています。
2年経って改善されたのか、それとも個体差なのかわかりませんが、ともかく本機のタッチパッドは合格でした。
良い: 打鍵感はまずまず。957gでこれなら上出来
微妙: キー配列。右端がEnterキーじゃない
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが2つです。
USB-CはThunderboltではないものの、転送速度は20Gbpsとまずまず高速です。PD対応なのでモバイルバッテリーから充電できますし、映像出力にも対応しています。
USB-Aは左右に1つずつ。細かい点ですが、どちらからに偏ることがないように配慮されています。
他はHDMI、そしてヘッドフォンジャックが付いています。
1.0kgを切るPCでこれぐらいあれば、十分かなと思います。
良い: USB-CはPD対応
良い: USB-Aもちゃんと残っている
バッテリー、ファン音、熱など
バッテリー容量は44Whです。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
Yoga 770 | 8.0時間 |
Inspiron 13 5330 | 6.4時間 |
Pavilion Aero 13-be | 6.0時間 |
ThinkPad X13 Gen 4 | 5.1時間 |
ThinkPad X1 Nano | 5.0時間 |
結果は約6.0時間と平均的でした。
熱や音の問題もありませんでした。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
悪い点
・クセのあるキー配列
・プライバシーシャッター無し
良い点
・957gと圧倒的な軽さ
・明るく発色の良いディスプレイ
・画像編集や動画編集も可能。軽めのゲームもOK
短所もありますが、それを上回る長所があります。
全体として高く評価したい一台です。
クセのあるキー配列は多くのレビューで指摘されている欠点ですが、もう見慣れたという人も多いのではないでしょうか。最初はタイプミスするかもしれませんが、その問題さえクリアできれば、とても使いやすいPCだと思います。
957gという軽さと、守備範囲の広い性能が最大の長所です。
CPU性能も良いですが、それ以上の内蔵グラフィックスの性能が良いです。
バリバリのクリエイターPCではないものの、このPCを持っておけば一通りのことはこなせます。
1.0kg未満のPCとなると大体15万とか機種によっては20万以上するものもある中、本機はセール時で11.5万という安さです。
Pavilion Aero 13-be | dynabook GZ/HW | Zenbook S 13 OLED | |
CPU | Ryzen 7 7735U | Core i5-1340P | Core i5-1335U |
PassMarkスコア | 22311 | 20277 | 17003 |
重量 | 957g | 875g | 1.0kg |
価格 | 11.5万 | 12.7万 | 14.0万 |
1.0kg未満の安いPCで比較してみてもご覧のとおり。
性能と価格では本機が最も優秀です。
キー配列にこだわるなら上の表で挙げたdynabook GZ/HWもおすすめ。
こちらはさらに軽く875gです。
dynabookは無料会員になるだけで上記の価格で購入できます。