今回はHP Pavilion Aero 13-bgのレビューです【貸出機材提供:日本HP】
Pavilion Aero 13-bgは2024年5月発売のノートPC。
- 超軽量990gで持ち運びOK
- CPU性能は「中の上」
- ディスプレイは13.3インチFHDの液晶
- キー配列が改善されて使いやすい
という特徴があります。
HPの1番人気機種で12万から買えます。
結論から言うと、
軽さを重視するならこれで決まり!
です。
動画編集などクリエイティブワークをバリバリやるためのPCではありませんが、数年前の基準から言うと性能も十分高いです。
まずはスペックからおさらいしておきましょう。
レビュー機のスペック
・OS: Windows 11 Home 64bit
・CPU: AMD Ryzen 7 8840U
・メモリ: 16GB オンボード
・内蔵グラフィックス: Radeon 780M
・SSD: 1TB
・ディスプレイ: 14インチ 1920x1200、非光沢、IPS
・USBポート: USB-C x2、USB-A x2
・インターフェイス: HDMI、ヘッドフォン
・Webカメラ: 500万画素、IR対応、プライバシーシャッター
・顔認証あり、指紋認証なし
・Wi-Fi 6E 対応
・重量: 990g
レビュー機はRyzen 7 8840UにSSD1TBのパフォーマンスモデル
2025年1月1日時点では14.5万円(税込、送料込)です。
1つランクを落とすと、Ryzen 5 8640Uのスタンダードモデルが12.5万で買えます。
※価格の最新情報はHPのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
筐体カラースカイブルーとナチュラルシルバーの2種類。
レビュー機はシルバーの方です。
明るいシルバーでまずまずの高級感です。
エッジ部分もシャープな作りです
重さは実測で970g
とても軽く、片手で楽に扱えます。
PCを毎日持ち歩きしたい人におすすめです。
大学に持っていく学生さんにも良さそうです。
ディスプレイは
・IPS液晶
・1920×1200
・縦横比16:10
・非光沢
・輝度(明るさ) 300nit
・色域 sRGBカバー率100%
です。
発色はまずまず。
10万以下のPCよりも良いですが、20万超えの上位機種と比較すると差はあります。
上はOmniBook Flip 14-fh (26万)との比較
OmniBook Flipのディスプレイは有機ELで、色の鮮やかさ、コントラストがさらに上です。
本機のディスプレイも十分きれいなのですが、最近20万超えのPCを立て続けにレビューしてきたせいか、少し物足りなさも感じます。ただこれ以上を望むと、今度は本機の価格が20万に近づいてしまうので、価格との兼ね合いを考えるなら、現状がベストなのかもしれません。
良い: 970g(実測)で圧倒的に軽い
良い: クセのないデザイン
Webカメラ
Webカメラの解像度は500万画素。顔認証に対応しています。
高画素ですが、写りはそんなに良くないです。
FHD(200万画素)の別機種と比較すると、本機の方がコントラストが低く、白っぽい膜がかかったような写りになっています。
悪い: もっとパキッと写ってほしい
ベンチマーク
CPUはAMDのRyzen 7 8840U
2024年のCPUでは「中の上」クラスに位置しています。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3833
マルチスレッド: 24382
という結果でした。
期待どおりのスコアです。
最新のCPU、Ryzen AI 9 365とは差がありますが、本機は10万以上も安いのでコスパ的には十分と言えます。
◆PCMark 10
PCMark 10はリアルなアプリを使用したベンチマークで、一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。その結果は以下のとおりです。
ここで注目したのはデジタルコンテンツ制作のスコア
CPU | GPU | Digital Contents Creation | |
Yoga Pro 7 Gen 9 | Ryzen AI 9 365 | Radeon 880M | 10677 |
OmniBook Flip 14-fh | Core Ultra 7 258V | Intel Arc 140V | 9222 |
IdeaPad Pro 5i Gen 9 | Core Ultra 7 155H | Intel Arc | 9132 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 9036 |
Pavilion Aero 13-bg | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 8153 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 5 125H | Intel Arc | 7991 |
ThinkPad X13 Gen 5 | Core Ultra 5 125U | Intel Iris Xe | 6459 |
2024年後半に発売されたクリエイター向けPCと比較すると、やや見劣りするスコアです。
画像編集や動画編集をバリバリやるというPCではないものの、それなりにこなすことは可能でしょう。
◆AIによる画像処理 (Photoshop)
Photoshopのノイズ除去はフォトグラファーがよく使うPhotoshopの新機能です。この処理にかかる時間を計測しました。
機種 | CPU | グラフィックス | タイム (秒) |
OmniBook Flip 14-fh | Core Ultra 7 258V | Intel Arc 140V | 36 |
Yoga Pro 7 Gen 9 | Ryzen AI 9 365 | Radeon 880M | 38 |
Yoga 7 2-in1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 58 |
IdeaPad Pro 5i Gen9 | Core Ultra 7 155H | Intel Arc | 103 |
Pavilion Aero 13-bg | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 111 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 5 125H | Intel Arc | 147 |
これも上位との差はあります。
ちなみにこの作業はまだNPUに対応しておらず、GPUで対応する形になっています。本機の内蔵GPUはRadeon 780Mです。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。
機種 | CPU | タイム (秒) |
OmniBook Flip 14-fh | Core Ultra 7 258V | 26 |
Yoga Pro 7 Gen 9 | Ryzen AI 9 365 | 26 |
Pavilion Aero 13-bg | Ryzen 7 8840U | 39 |
IdeaPad Pro 5i Gen9 | Core Ultra 7 155H | 39 |
Yoga 7 2-in1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | 49 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 125H | 71 |
Davinciは最新バージョンで書き出し時に内蔵GPUのアシストが得られるようになったので、その恩恵を受けています。上の表は単純な性能差ではないので注意してください。
◆ゲーム性能
中量級ゲームのFF 14 黄金のレガシー(2024年発売)の結果は以下のとおり。
機種 | CPU | グラフィックス | fps |
OmniBook Flip 14-fh | Core Ultra 7 258V | Intel Arc 140V | 58fps |
IdeaPad Pro 5i Gen9 | Core Ultra 7 155H | Intel Arc | 58fps |
Yoga Pro 7 Gen 9 | Ryzen AI 9 365 | Radeon 880M | 55fps |
Pavilion Aero 13-bg | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 42fps |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 40fps |
ThinkPad X13 Gen 5 | Core Ultra 5 125U | Intel Iris Xe | 30fps |
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは5886、「普通」という結果で平均フレームレートは42fpsでした。
中量級ゲームだとちょっと苦しいです。
3DMark FireStrikeのベンチマークは以下のとおり
スコアは7506でIntel Arcよりは下でした。
本機では軽めゲームを楽しむ程度に考えておいた方が良さそうです。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○画像編集
〇動画編集
×ゲーム
という快適度になります。
良い: 14万のPCとしては悪くない性能
微妙: 26万の最新PCと比較すると差を感じる
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は18.7mm、キーストローク(深さ)は1.3mmです。
クリック感があるので打鍵感は良いです。990gという軽さならがらキーボードが打ちやすいのはとても良いです。
Enterキーの形状もきれいで配置も良いです。
先代のPavilion Aero 13はこのEnterキーが右端にないパターンでした。
写真は2023年モデルのPavilion Aero 13-be。このクセ配列がどうも好きじゃないという人も多かったはず。
2024年モデルになってそれが改善されています。
pgup、pgdnも矢印キーの横に独立のキーとして存在しているので、このキーでwebページをスクロールする人にはうれしい仕様でしょう。
またバックライトも付いています。
良い: キーの形状、配列
良い: クリック感があり打鍵感は好み
良い: pgup、pgdnが独立
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが2つ。
USB-CはThunderbolt 4ではないものの
・転送速度 10Gbps
・PD対応(モバイルバッテリーから充電OK)
・映像出力可能
と基本的な機能は全部OKのポートです。
※Thunderbolt 4だと転送速度が40Gbpsになります。
HDMIとヘッドフォンジャックも付いています。
13.3インチノートとしては十分なインターフェイスだと思います。
良い: USB-Cが2つ、USB-Aも2つ
微妙: Thundertboltではない
バッテリー、駆動音
バッテリー容量は44Whです。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX (350nit)
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約6.0時間。
OmniBook Flip 14-fh | 12.0時間 |
Yoga Pro 7 Gen 9 | 9.0時間 |
ThinkPad X13 Gen 5 | 8.0時間 |
IdeaPad Pro 5i Gen9 | 7.0時間 |
Pavilion Aero 13-bg | 6.0時間 |
ThinkPad X13 Gen 4 | 5.1時間 |
バッテリーライフは短めです。数年前のレベルで言うと平均点ですが、最新の基準だとちょっと不満です。
バッテリーをもっと積むと当然重量も重くなるので、990gという軽さを実現させるためにしょうがないのでしょう。
ファン音(駆動音)は比較的静かです。負荷時の音圧は38デシベルでした。
薄型ノートの平均は35~40デシベル
うるさくはないですが、ファンが回ってるなというのは感じられます。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
悪い点
・Webカメラの写りはあまり良くない
・バッテリーライフは短め
良い点
・990gの軽さ
・10万以下のPCよりは性能が良い
・キー配列がきれい、打鍵感も良い
軽さで選ぶなら全メーカーの中で本機が第一候補になるでしょう。
キーボードも良く、性能は「中の上」
価格も14.5万と出せない価格ではありません。
バッテリーのもちがそこまで良くないですが、USB-Cポートは充電可能(PD対応)なのでモバイルバッテリーと一緒に持ち歩けばなんとかなるはずです。
ビジネス用や学生向けPCとしておすすめできます。
1.0kgを切るPCで比較になるのがdynabook GA/ZYです。
Pavilion Aero 13-bg | dynabook GA/ZY | |
CPU | Ryzen 7 8840U | Ryzen 7 7730U |
PassMarkベンチ | 24382 | 18488 |
メモリ | 16GB | 16GB |
SSD | 1TB | 512GB |
ディスプレイ縦横比 | 16:10 | 16:9 |
色域 sRGBカバー率 | 100% | 63% |
重量 | 990g | 956g |
価格 | 14.5万 | 12.6万 |
dynabookの方が軽くて安いですが、CPU性能、SSD容量、ディスプレイでは本機が上です。
特に性能とディスプレイの差は大きいと思うので、総合的には本機の方を高く評価したいです。