ThinkBook 15 Gen 5 (AMD)のレビュー。普通のノートPCだが短所も少ない。

今回はThinkBook 15 Gen 5 (AMD)のレビューです【貸出機材提供：Lenovo】

Lenovo ThinkBook 15 Gen 5 (AMD)は2023年3月発売のノートPCです。

• 15.6インチ 16:9ディスプレイ
• 性能はミドルレンジ
• 有線LANポート、SDカードスロットなどインターフェイスが充実
• 重量は1.7kg

という特徴があります。

簡単に言うと「普通のノートパソコン」ですが、Ryzen 5、メモリ16GBで9.0万という安さは魅力です。

当サイトが10万以下のPCをチェックするのに使う9項目に照らし合わせてみたのが下の表。

本機は9個中8個の条件をクリアしています。

短所が少なく、バランスの良いPCとも言えます。

詳しく見ていきましょう。

レビュー機のスペック

・Windows 11 Home 64bit
・CPU: AMD Ryzen 5 7530U
・メモリ: 16GB (8GBx2)
・SSD: 512GB
・ディスプレイ: 15.6インチ 1920x1080、非光沢、IPS
・USBポート: USB-Cx2、USB-A x2
・インターフェイス: HDMI、SDカード、有線LAN、ヘッドフォン
・Webカメラ: FHD(1080p)、プライバシーシャッター
・顔認証なし、指紋認証あり
・重量: 1.7kg

レビュー機はCore i5にメモリ16GB、SSDは512GBです。

5月7日時点では9.0万円（税込、送料込）と10万を切ります。

コスパはなかなか優秀です。

Ryzen3、メモリ8GBにすると7.8万とさらに安くなります。最近のミドルレンジPCではメモリ16GBが当然になってきており、実際、画像編集や動画編集といった負荷の高い作業になるほどメモリ16GBが効いてくるので、できればメモリ16GBのモデルを選んだ方がいいと思います。

※価格の最新情報はLenovoのオンラインストアで確認してください。

デザイン、ディスプレイ

ThinBook 15 Gen 5のデザインは旧モデルからほぼ同じです。カラーはミネラルグレー。ちょっと暗めのグレーです。

２トーンの天板はアルミ合金。ThinkBookのロゴが入っています。

ディスプレイは180度開きます。

作りは丈夫で悪くないのですが、全体的に色が暗めなせいか、あまり高級感はありません。

重量は1.75kg、カタログ値が1.7kgなので少し重めでした。

15.6型としては平均的な重さ。外へ持ち出すのは厳しいです。典型的な据え置き用PCです。

ディスプレイは

・FHD相当 1920×1080
・アスペクト比 16:9
・非光沢、IPS
・リフレッシュレート 60Hz
・輝度（明るさ) 300nit
・色域 sRGBカバー率 63%

という仕様。

良くも悪くもない平均的な液晶です。

アスペクト比(縦横比）は主流の16:10ではなく、16:9です。

sRGBカバー率63%なので、クリエイター向けではありません。

実際の見た目も色の鮮やかさがあと一歩という印象です。色にこだわりがなければ十分満足できる品質だと思いますが、いまはスマホで綺麗な画面に慣れている人が多いのでそれと比べると少し物足りないかもしれません。

Webカメラ

Webカメラはプライバシーシャッター付き。

使わないときは隠しておけます。意図せずに自分が映ってしまうという心配がありません。

解像度はFHD(1080p)。写りは平均レベルです。

参考までに写真の下はLenovo IdeaPad Slim 5i Gen8のカメラ。

画質は明らかにIdeaPadの方が上です。

ベンチマーク

CPUはRyzen 5 7530U

PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、

シングルスレッド: 3233
マルチスレッド: 15965

というスコアでした。

ほぼ期待どおりのスコアが出ています。

2023年の10万前後のノートPCの中では下位になりますが、2022年のRyzen 5よりも上のスコアです。

◆リアルなアプリの快適度

次はPCMark10の結果を見てみましょう。

PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の３種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。

結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。

Essentials（一般的な利用） 8998　（目安4100)
Productivity（ビジネス利用）6300　（目安4500)
Digital Contents Creation（デジタルコンテンツ制作） 5845 (目安3450)

◆PhotoshopでRAW現像

PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました

Ryzen 7 7730UとRyzen 5 5625Uの中間。
悪くない速さですが、インテルと比較すると見劣りします。

◆Davinci Resolveで動画編集

動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。

今回比較した中ではちょうど真ん中。まずまずのタイムでした。

軽めの編集なら大丈夫でしょう。4K動画にがっつりエフェクトをかけて編集したいというようなケースでは外部GPUを搭載したクリエイター向けPCが推奨されます。

◆軽めのゲーム

最後は定番のベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売）です。

1920×1080　標準品質（ノートPC）という条件でスコアは4607、「普通」という結果で平

ゲームは厳しいと思います。

以上のことをわかりやすくまとめると

○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集
△動画編集
×ゲーム

という快適度になります。

キーボードの配列と打鍵感

キーピッチ（キーの間隔）は19mm、キーストローク（深さ）は1.3mmです。

Lenovoではお馴染みの配列でEnterキーとBackspaceキーが横をくっついています。見た目はちょっとマイナスですが、すぐに慣れると思います。

電源ボタンは右上に独立しています。大きく押しやすいのは良いですね。指紋センサーも兼ねています。

そしてバックライト付きなので暗い場所で使うときもタイプしやすいです。

インターフェイス

USBポートはUSB-Cが２つとUSB-Aが２つ。

UBS-Cは通常のUSB3.2 Gen 1で転送速度は5Gbpsです。
Thunderbolt 4でないのが残念ですが、PD対応(電源供給）かつ映像出力対応です。

あとはHDMI、SDカード、有線LAN、ヘッドフォンジャックです。

デジカメ用のSDカードスロットと有線LANポートはない場合も多いのでうれしいです。

ネットの接続はWi-Fi（無線）がほとんどだと思いますが、有線にすると回線速度が上がりますし、安定度も増します。大事な面接や会議、あとはデイトレードやオンラインゲームなどに使う場合は有線LANがあった方が安心です。

バッテリー、排気音、熱など

バッテリー容量は45Whです。　
以下の条件でテストしてみました。

・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し

結果は約5.5時間。平均よりも少し短めですが、据え置きタイプのPCなのであまり気にならないと思います。

熱や音については問題なし。15.6型ノートで余裕のある設計になっています。

評価まとめ

悪い点
・同世代のCPUと比較すると物足りない
・ディスプレイの色やコントラストが平凡

良い点
・普段使い、ビジネス利用までなら快適
・SDカードスロット、有線LANポート付き
・コスパ優秀

2023年の他機種と比較すると性能面で物足りない感じがしますが、数年前のRyzen 5よりかなり性能アップしています。普段使い、ビジネス利用におすすめできるPCです。

あと大きなマイナスがないのも良いことです。

一方で大きな長所も少ないです。
１つ挙げるならインターフェイスが充実している点でしょうか。有線LANポートがあるとすごく助かる！というニッチな要望に応えてくれています。

あとは価格との兼ね合い。

金属ボディ、Ryzen 5、メモリ16GBという条件で9.0万円ならまずまずのコスパです。

Lenovoで人気のミドルレンジPCはIdeaPadシリーズですが、IdeaPadは14インチが多いです。

15.6インチだと今回紹介したThinkBook 15 Gen 5 (AMD)も候補に入ってくるはずです。

⇒ Lenovoストア ThinkBook 15 Gen 5 (AMD)

14インチでもいいよ、という人にはIdeaPad Slim 5をおすすめします。

こちらは16:10ディスプレイ。性能は同じで8.0万円（税込、送料込）とさらに安くなります。

⇒ Lenovoストア IdeaPad Slim 5 Gen 8