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藤井聡太四段が20連勝。絶体絶命のピンチから逆転。

藤井聡太四段が澤田真吾六段を破り20連勝を飾ったニュースはすでに大きく報じられていますね。

今回の対戦相手、澤田真吾六段は勢いのある若手でこの対局前まで8連勝中でした。レーティングも1700台後半で、プロ棋士全体のベスト20に入るポジション。段位は六段ですが、実質的な実力はかなり上位の棋士でした。

藤井四段がこれまで公式戦で対戦した棋士の中では1、2を争うくらいの強敵だったのです。

実際、藤井四段はこれまでにないくらいの苦戦を強いられました。

図から77金が疑問手。
すかさず後手に87歩と打たれて、一手パスのような手になってしまいました。

以下同金、67角打、同銀、87角成、同玉、67歩成

一気に自玉が寒くなった藤井四段。

珍しく動揺がここから数手ほどの指し手にも出たような気がします。

図は67銀と打たれた局面。

「部分必至」というやつです。

自玉周辺を部分的に見れば受けナシの状態。つまり必至なのですが、相手の王様に王手をかけながら、うまく自玉の詰めろを解除する手順があるかもしれないよ~というとき部分必至という言葉を使います。ちなみに「必死」は漢字間違いです。

ここで藤井四段は67角と一旦銀を取ってから、33成銀と相手玉に殺到していきましたが、67角、同との交換を入れずに単に33成銀の方が勝ったようです。

なぜなら、33成銀、同玉、34銀、44玉、22角、33銀、同銀、同桂、34金、55玉、33角成となると

ここで64玉は、55銀、75玉、66銀、85玉、77銀

要の77金を手順に取ってしまう手があります。

かといって65玉は、66馬、同玉、67歩と

これも要の67銀を王手で外せてしまう。

つまりどちらにせよ66の「と金」を取るような手順からうまく必至を解除できたわけです。

実戦は、67角、同と としてから33成銀だったため、移動した「と金」が66に効いていて先ほどの手順がうまくいきません。

銀を取らずに殺到するという手は、なかなか常識外の手なので見つけづらいと思いますが、藤井四段には発見してほしかったなあという気持ちもあります。

実戦は、67角、同と、33成銀、同玉以下数手進み、問題の局面を迎えます。

ここでは後手優勢。藤井四段は76桂と指しました。

これに対し、75玉とかわしていれば藤井四段の連勝は19でストップしたはずです。

澤田六段も時間がなく、ここで致命的なミス。同金と取ってしまったため、これで必至が解除されました。

67歩と手を戻され、一気に形勢不明の混戦に。

ここからは澤田六段にさらに小さいミスが重なり、一気に藤井四段へと形勢が傾きました。

後手が77銀成と指した局面。

ここから藤井四段は相手玉を即詰めに打ち取ります。

秒読みでもプロには簡単な手順ですが、アマチュアだと2、3段クラスでもちょっと難しいくらいです。

相手玉が広そうに見えるのと、持ち駒に金がないので詰みそうにないように思えるからです。

詰みがあるとわかって詰ませれば、アマ3段くらいありそう。
詰みがあるかどうかわからない実戦で詰ませれば4段くらい。

皆さんもちょっと考えてみてください。

===

実戦は、81飛、83桂、85歩、73玉、74歩までで投了。
たった5手指されただけで、相手玉が意外に狭いことがわかりますね。

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