藤井四段が連勝を23にまで伸ばしました。
ただこの日は1日三局のハードスケジュールだったせいか、第二局目の阪口戦では終盤でらしくないミスを犯してしまいました。
局面は先手藤井四段勝勢。後はどう寄せるかです。
82銀、83玉、81銀と桂馬を取りながら詰めろをかける平凡な手順で勝ちだったようですが、藤井四段の指し手は95歩。
以下、同歩、96歩、同玉、94歩、同歩、95歩、同玉。
歩を連打して相手玉をどんどん自陣近くに誘い出します。
そこで87金打
詰めろです。
一応、寄せの形なのですが、少ない持ち駒を1枚投入するだけに微妙な一手です。
実際、ソフトの評価は87金は悪手となっています。
95玉と引かれ、82銀成と退路を封鎖しますが、そこで後手の54角がピッタリでした。
詰めろ逃れの詰めろってやつです。
藤井四段は、83銀と打ち、自玉の詰めろを解消。
以下、同角に96香、95歩、同香、同玉、92成銀と進行しました。
92の香を取るのがミソ。
これ次は96香の一手詰めです。
しかし持ち駒は香と歩だけなので、いかにも心細い詰めろ。
そもそもこういう端の中段玉って、結構読みづらいんですよね。うまく必至がかかってすんなり勝ちに場合もあれば、1個でも読み抜けがあるとスルッと脱出されて一気に負けになりがち。あるいは逆に相手側からすると頓死を食らいがち。そういう経験のある人は多いはずです。
実際この将棋もそのパターンになりました。
92成銀に対し、74角と指していれば阪口五段の勝ちでした。
96香の詰めろを防ぎつつ、83への退路を確保するピッタリの一手になるはずでした。
しかし秒読みの中で致命的なミス。
実戦は85歩と突いたため、96金!という金捨て一発で即詰みとなってしまいました。
結局、藤井四段もミス、阪口五段もミス、両者がミスりましたが、最後にミスった方の負けという将棋でした。
プロでもたまにある展開ですが、これまで圧倒的な終盤力を見せつけてきた藤井四段としてめずらしいミスだったと思います。
ともあれ、運も味方につけて22連勝、次局はきっちり勝って23連勝。
いよいよ28連勝の記録更新が見えてきました。