AIを利用したPhotoshopの「生成塗りつぶし」機能が正式版にリリースされたので少し試してみました。
いくつの機能の中で簡単かつ有用だと思ったのは「生成拡張」です。
切り抜きツール
⇒クリック&ドラッグで画像を拡張
⇒生成をクリック
という操作を行うだけ。
拡張した新しい余白の部分がAIによって生成された画像で塗りつぶされます。
まずはこのひまわりの写真を例に説明していきます。
生成拡張を行っているところを動画にしたので、下の動画を再生してみてください。
どうですか?
元の画像はひまわりだけが写ってる平凡な写真ですが、「生成拡張」を行うことで奥行のある写真に生まれ変わりました。
辺り一面を覆うひまわりと青い空。写真のレベルがグッと上がりましたね。
ここからさらに生成塗りつぶしを行い、ひまわりの中に白い帽子の女性を入れてみました。空も再度生成してもっと良さげな青空に変えています。
とても良い出来です。
Beta版が出たときからすごいすごいと言われていたのも納得です。
生成塗りつぶし、生成拡張のときは10秒程度の待ち時間が発生しますが、それでも思ってたよりも早く画像が出来上がるのが良いと思いました。
特にこういった風景写真は生成塗りつぶしがうまく機能しやすいです。
◆人工物ではどうか?
次に試す画像はガラッと印象が変わり、ビル(人工物)と通行人、そしてトーンも暗めになります。
この写真は筆者が撮ったもの。
気に入っている写真の1つですが、画角を少し失敗したのが気になっていました。できればもう少し横幅を増やしたいです。
そこで「生成拡張」の出番。
最初にお見せした動画と同じように、両サイドを広げて生成拡張してみるとこんな感じになりました。
これもまずまずの出来です。
ネットで鑑賞するレベルなら大丈夫ですが、拡大してよく見るとアラが見えます。
生成拡張は高解像度に対応していないので、解像度が足らないのがわかります。これでも上手くいった方ですが、何度かやってるとビルの線が明らかにズレている画像が生成される場合もありました。
細部までしっかり矛盾のない画像生成となるとまだまだ改善の余地がありそうです。
規則性があって線の多い画像(今回のビルのような)はAIは苦手かもしれません。最初の例のように、自然の風景だとうまく誤魔化せます。対して人工物はちょっとした差でも違和感として残ってしまいます。
以前からある「コンテンツに応じた塗りつぶし」でも同じ傾向があるので、普段から似た条件下で使用している人ならすぐに理解できる問題でしょう。
◆その他の特徴
・日本語対応
生成したいものを指定するときは日本語で指示できます。
・スペックはそんなにいらない?
生成AIというとGPU(グラフィックス)が必要というイメージがありますが、今回の生成塗りつぶしに関してはそうではないようです。
生成拡張を行っているときはCPUやGPUの使用率は低いままでした。
・生成拡張を高解像度にする方法
生成拡張を高解像度にする裏技的な方法もあるようですが、「いくらかマシ」というレベルなので、現時点では決定的なものではありません。
・人物も苦手
他のAIと同様、人物の描写も苦手です。
◆まとめ
- 生成拡張、生成塗りつぶしがPhotosho正規版で使える
- ネットに載せる軽い画像なら十分いけそう
- プリントして見るような本格的な写真には使えない
- その中では風景写真との相性はいいかも
- 規則的で線の多い人工物(ビル)は苦手
- 人物も苦手
プロの目から見るとまだまだという感じですが、これからの進化に期待したいです。