AMD Ryzen AI 7 350は2025年以降のノートPCに搭載されるCPU (APU)です。
2025年5月時点でのPassMarkベンチマークスコアは以下のとおり
サンプル数: 63
シングルスレッド: 3949
マルチスレッド: 24790
全体の中では「上の下」といったところでしょうか。

マルチスレッド性能を見ると、2024年前半のエース格であったRyzen 7 8840HS、Core Ultra 7 155Hといったところと差はありません。
当サイトの実機を使ったテストではLenovo Yoga Slim 7 Gen 10がスコア26767と期待よりも高めのスコアを出しています。ただこれでもRyzen AI 9 365 (2024年)よりは下です。
◆クリエイティブワーク全般の快適度は高い
PCMark 10はリアルなアプリを使用したベンチマークソフト。その中で画像編集、動画編集、レンダリング作業の快適度をスコアとして並べると以下のようになります(表の右端の値)
CPU | GPU | Digital Contents Creation | |
Yoga Pro 7i Gen 10 | Core Ultra 9 285H | Intel Arc 140T | 12126 |
Yoga Pro 7 Gen 9 | Ryzen AI 9 365 | Radeon 880M | 10677 |
Yoga Slim 7 Gen 10 | Ryzen AI 7 350 | Radeon 860M | 10034 |
OmniBook Flip 14-fh | Core Ultra 7 258V | Intel Arc 140V | 9222 |
IdeaPad Pro 5i Gen 9 | Core Ultra 7 155H | Intel Arc | 9132 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 9036 |
ThinkPad X1 Carbon A.E | Core Ultra 7 258V | Intel Arc 140V | 8575 |
Pavilion Aero 13-bg | Ryzen 7 8840U | Radeon 780M | 8153 |
ここではRyzen AI 9 365にも匹敵するスコアが出ており、なかなか優秀であることがわかります。
RAW現像やFHDの動画編集であれば、何の問題もなくこなせるでしょう。
◆内蔵グラフィックス (iGPU)
Ryzen AI 7 350とセットになる内蔵グラフィックスはRadeon 860Mです。
3DMark FireStrike Graphicsのスコアは以下のとおり

2025年物としては物足りないスコアです。
Ryzen 7 8840UのiGPUであるRadeon 780Mと同等、または少し下という結果でした。
ゲーム性能はあまり期待できません。低設定で軽めのものをちょっと楽しむという程度にしておきましょう。例えば原神であれば「低」か「最低」に設定にしてください。
◆まとめ
- CPU性能はまずまず
- iGPUはやや物足りない
- 20万以下のPCとしてはあり
20万以上するPCには手が出ないけど、画像編集、動画編集くらいは快適にこなしたいという人向けです。
Windows 11への買い替えとして、10万前後のPCよりは少し良いランクのものが欲しいという人にもおすすめです。
◆Ryzen AI 7 350搭載のノートPC

HP OmniBook 7 Aero 13-bg
CPU: Ryzen AI 7 350
メモリ: 32GB
SSD: 1TB
ディスプレイ: 13.3インチ 1920x1200
重量: 1.0kg
という構成で16.0万円(税込、送料込)
HPの人気機種 Pavilion Aero 13の後継機がOmniBookとして登場しました。1.0kgという軽さが素晴らしいです。
Lenovo Yoga Slim 7 Gen 10

CPU: Ryzen AI 7 350
メモリ: 32GB
SSD: 1TB
ディスプレイ: 14インチ 2880x1800、OLED
重量: 1.28kg
という構成で19.3万円(税込、送料込)
こちらはディスプレイもクリエイター仕様。実際のCPUパフォーマンスもしっかり出ているので安心です。