パソコンの三大メーカー、DELL、Lenovo、HPの公式ストアをいつもチェックして思うことをまとめてみました。
簡単に言うと、以下のような感じです。
サイトのデザインが良いのは HP
納期、在庫が優秀なのは DELL
スペック情報が丁寧なのは Lenovo
◆公式ストアの見やすさ、デザイン
HPはサイトが見やすいです。
ノートPCの一覧を俯瞰できるページ(メニュー表みたいなもの)があります。
これを見れば「価格」「サイズ」「新製品」など自分の好みが一発で探せます。
つまりページのUI(ユーザーインターフェース)デザインが優秀ということです。
逆にダメな例は、一覧を見せずに
「サイズで選ぶ」「価格で選ぶ」「シリーズで選ぶ」
みたいなのをトップページに置いてユーザーにいきなり選択を迫るやり方です。
初心者には良いのかもしれませんが、自分の好みを一発で探せる自信のある人間には合わない仕様です。
DELLは「ノートPCトップ」⇒「Inspiron」と進むと次にサイズを選ぶ画面が出てきます。
これがけっこうウザいです。
サイズは15インチか16インチ、どちらでもいいからすぐに製品を見せてくれと思いますね。クリックする数を減らそうという意識はないのでしょうか?
Lenovoはそもそも機種が多すぎです。一番人気のIdeaPad Slim 550 14型を見たいと思って「サイズで探す」⇒「14型」を選んでも目的の機種が全然出てきません。以前はもっと使いやすかったのですが、最近デザインを変えて使い勝手は悪くなりました。
〇 HP
× DELL
× Lenovo
◆機種名のわかりやすさ
一番ダメなのはDELLです。
機種名の表記が統一されていません。
2022年4月時点でInspiron 14シリーズのオーソドックスタイプには
Inspiron 14
New Inspiron 14
の2種類がありますが、Inspiron 14はかつてのNew Inspiron 14です。
現在はNew Inspiron 14は将来NewがとれてInspiron 14になります。
これにCPUがインテルとAMDの2パターンも入ってきて何が何やらわけわからなくなっています。
その都度Newを付けたり外したりするやり方は、混乱の原因なのでマジで勘弁してほしいです。最新機種のNew Inspiron 14に関する情報が欲しくてNew Inspiron 14で検索しても、古いNew Inspiron 14(=いまのInspiron 14)がヒットします。
DELLにはNewを付ける付けないルールとは別に
Insprion 14 5410
Inspiron 14 5415
Inspiron 14 5420
Inspiorn 14 5425
とように最後に4桁の数字で区別する表記もあります。
こちらの方がわかりやすいので、全ての表記を4桁数字で統一すべきでしょう。
名前が長くなることを恐れた結果、逆にわかりにくくなっています。
HPやLenovoも似たような問題はありますが、DELLほどひどくはありません。
HP Pavilion x360 15-eeは2020年モデルがee0000、2021年モデルがee1000というようにやはり4桁の数字まで入れて表記すれば問題ありませんが、eeで止めてしまうとちょっと混乱します。しかしインテルとAMDではっきり分かれているのでそこの混同はありません。
LenovoもIdeaPadの一部モデルで混乱する機種名があります。しかしThinkPadやThinkBookなどは「Gen 2」「Gen 3」といったように世代をわかりやすく表記するスタイルなので問題はありません。
△ HP
△ Lenovo
× DELL
◆スペック情報のわかりやすさ
我々レビュワーが最も重視する情報はディスプレイの仕様です。6万~8万のミドルスペックPCで一番差が出るポイントですし、仕様をしっかり記載していないメーカーが多いからです。
その観点で言うと、Lenovoは優秀です。
全てとは言いませんが、多くの機種で
・IPSかTNか
・輝度
・色域
・リフレッシュレート
を記載しています。
DELLは
・IPSかTNか
・輝度
の2つは製品購入ページに記載されており、残りは仕様書のページに記載されています。ただ仕様書のページは普通の人は見つけづらいはずです。
HPは基本は
・IPSかTNか
の1つのみ。
ゲーミングPCだとリフレッシュレート、クリエイター向けPCだと輝度や色域といった具合に用途に応じて必要な情報を提示するタイプです。今後はミドルスペックPCでも輝度や色域の情報を提示してほしいところです。
〇 Lenovo
△ DELL
△ HP
◆メモリ16GBへの対応
Core i5やRyzen 5にメモリ16GBを選択できるのはHPです。
CPU性能が毎年上がるにつれ、バランス的にメモリ8GBはどうなの?と思うことがあります。
メモリを16GBにすればそれだけで画像編集や動画編集など守備範囲がグッと広がります。Core i7、メモリ16でもいいんですが、ちょっと価格を抑えてCore i5、メモリ16という選択肢を作ってくれるのはユーザーの気持ちをよくわかってるなと思います。
DELLのInspironはCore i5、Ryzen 5ならメモリは8GBでしかも8GBx1のシングルチャネルです。普段使いなら問題ありませんが、ちょっと手を広げようとすると8GBx1がネックになるので注意しておきましょう。
LenovoのIdeaPadは8GBでも4GBx2のデュアルチャネルになっているのでInspironよりも性能は上です。
〇 HP
△ Lenovo
× DELL
◆在庫、納期
在庫と納期の安定度では断然DELLです。
2020年、2021年と2年連続で安定していました。
LenovoとHPは良いときと悪いときがあります。
2021年は特にHPがひどかったですが、最近はだいぶ盛り返してきています。
〇 DELL
△ Lenovo
△ HP
◆コスパ
最後はコスパ。
6万~8万の価格帯ではDELLとLenovoが抜けています。DELLで6万のPCがHPだと7万、HPはちょっと高いですが、2021年よりは差は縮まっています。
〇 DELL
〇 Lenovo
△ HP
◆まとめ
DELL
サイト× 機種名× スペック情報△ メモリ× 納期〇 コスパ〇
Lenovo
サイト× 機種名△ スペック情報〇 メモリ△ 納期△ コスパ〇
HP
サイト〇 機種名△ スペック情報△ メモリ〇 納期△ コスパ△
DELLはサイトと機種名をどうにかしてほしいですね。
でも納期とコスパが優秀なので、総合的には一番かなと思います。
Lenovoは機種が多すぎなのでもっと絞った方がいいです。
IdeaPad 100番台、300番台はもう全部量販店モデルにするとかして整理できるはずです。
HPはけっこう良いポイントを押さえていていいんですけど、あとは納期と価格ですね。2022年は期待しています。