HPのElitre Dragonfly G2は2021年4月発売の13.3型モバイルノート
- とにかく高級感が素晴らしい
- CPUはインテル第11世代で文句なし
- 変形タイプの2-in-1でタッチ対応(ペン別売り)
- Wi-Fiモデル、4GLTEモデル、5Gモデルあり
- 打ちやすいキーボード
- 価格は高め(LTEモデルが16万円台~)
という特徴をもっています。
Elite Dragonfly G2は法人向けとして販売されていますが、個人でも普通に購入可能です。
コスパ的な魅力はありませんが、デザインの美しさは素晴らしいです。
一度実物を見てもらえればわかりますが、本当に高級感があります。「高級ブランド品のような・・」という言葉が大げさではないくらい上品で洗練されたデザインとなっています。
まずはスペックから見ていきましょう。
レビュー機のスペック
・OS: Windows 10 Pro 64bit
・CPU:Core i7-1165G7
・メモリ:16GB (4GB x4)
・SSD: 512GB
・ディスプレイ:13.3型 (1920×1080) 、光沢、タッチパネル
・USBポート: USB-C (Thunderbolt 4) x2、USB-A x1
・インターフェイス: HDMI、NanoSIM、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・LTE: インテル XMM 7360 LTE-Advanced (NanoSIM)
・バッテリー: 56Wh 17.6時間
・重量: 1.15kg
レビュー機は、
・Core i7
・LTE対応
という組み合わせのモデルです。
これ以外にも、5G対応モデルやWi-Fiモデルも用意されています。Wi-Fiモデルは9月3日現在の価格が20万円台と割高となっているので、購入するならLTEか5Gかになるでしょう。
上記の構成で20.3万円(税込、送料込)です。
デザイン、ディスプレイ
筐体カラーは濃いブルー。
深みのあるカラーでとても上品に見えます。
中央にHPのロゴが入っており、そのロゴに光が当たるとキラッと光るのがとてもいい感じです。
この高級感、写真や動画で伝わるでしょうか。
天板はマグネシウム合金を使用しています。マットな質感ですが、光沢も薄っすらと入っており高級感を演出しています。
手に持ったときの感触も良く、指紋も目立たないように上手く作られています。
ぼくがこれまでレビューしてきたPCの中では、間違いなくトップ。最高の美しさを持ったノートPCだと思いました。
重量は1.15kg
変形タイプの2-in-1としては軽い方ですが、13.3インチノート全体で見ると平均的な重さです。
Wi-Fiモデルだと989gとさらに軽くなるのですが、まだ本格販売に至っていないのが残念な点です。
ディスプレイ解像度は1920×1080。縦横比(アスペクト比)は流行りの16:10ではなく16:9になります。
光沢タイプなので映り込みがあります。
普段はそんなに気になりませんが、長時間使用していると目が疲れてくるかもしれません。
輝度(明るさ) 650nit
色域 sRGBカバー率 100%
非常に明るいディスプレイで色域も広いです。
多くのPCは明るくても輝度300nit~400nitが一般的です。そんな中、本機は650nitとスマホ並みの明るさです。屋外で使用しても見えにくくならないような明るい液晶が特長です。
屋外での使用という意味でもう1点。このDragonfly G2のディスプレイにはSureViewという覗き見防止機能が付いています。
SureViewをオンにした状態だとご覧のとおり。(SureViewはF2キーを押すだけオンとオフを切り替えることができます。)
横からの覗き見ができないようになっているのがわかります。
このSureView、電車やカフェなどで仕事をしたい人には有難い機能なのですが、ちょっと角度が付くと途端に視認性が悪くなるので、使ってる本人でも見えにくくなることがあります。アイデア自体は良いのでもっと精度を上げてほしいところです。
自宅で使うときはオフにしておいた方がいいでしょう。なぜならSureViewのオンにすると、ディスプレイの明るさがかなり低下するからです。
写真はSureViewをオフにしたときとオンにしたときの画面の比較です。
写真にすると明暗差がオーバーに写りますが、実際にはここまで明暗差はありません。
しかしせっかくの明るいディスプレイが台無しになることは確かなので、SureViewを使用する機会はかなり少ないかなと思います。
良い: 圧倒的な高級感
良い: 非常に明るいディスプレイ(屋外でも見やすい)
微妙: SureViewが使いづらい
Webカメラ
ディスプレイ上部のカメラは顔認証機能には対応していませんが、オンとオフをワンタッチで切り替えることは可能です。
キーボード上列の右から3つめのカメラマークの付いたキーを押すだけです。
セキュリティ
Dragonfly G2は法人向けモデルということでセキュリティもしっかりしています。
ハードウェアによる保護とソフトウェアによる保護。2つのセキュリティ体制を敷いておりウイルス対策も万全です。セキュリティ体制が充実しているので、自宅でのテレワークにも安心して使えるのが良い点です。
HP Sure SenseはディープラーニングAIを活用してマルウェアを検知し、ブロックする機能です。
ベンチマーク
CPUはCore i7-1165G7
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、10556というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Core i7-1165G7: 10625
となっています。
レビュー機はほぼ平均値。期待どおりのスコアでした。
ちなみに電源から外してバッテリー駆動時のスコアもとってみると、9761と低下しました。低下率は8%と小さいです。
インテルはバッテリー駆動時もパフォーマンスが落ちないのが良い点です。AMD Ryzenの場合は低下率が20%以上になるような機種もあるので注意が必要です。
◆リアルなアプリの快適度
PassMarkはあくまで小手調べ。
当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。
Essentials(一般的な利用) 9063 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6111 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 3829 (目安3450)
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。デジタルコンテンツ制作のスコアが少し物足りないですが、後述するようにインテルはAdobeソフトとの相性は良いので、その点は心配ないと思います。
◆PhotoshopでRAW現像
実際にPhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
その結果が下の表になります。
CPU | メモリ | タイム | 検証台数 |
Elite Dragonfly G2 (Core i7-1165G7) | 4GBx4 | 8.4 | 1 |
Core i7-1165G7 | 8GBx2 | 8.7 | 5 |
Core i5-1135G7 | 4GBx2 | 10.6 | 1 |
Ryzen 7 4700U | 8GBx2 | 10.7 | 2 |
Ryzen 5 4500U | 8GBx2 | 11 | 1 |
タイムは8.4秒とCore i7-1165G7の平均より速いタイムで、Ryzenよりも20~30%速いです。
◆軽めのゲーム
最後にファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売予定)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは5938、「普通」という結果でした。
本機は外部グラフィックスを搭載していないのでゲームは軽めのゲームまででしょう。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
○画像編集(RAW現像)
△動画編集
△ゲーム
という目安になります。
良い: Core i7-1165G7で守備範囲広い
良い: バッテリー駆動時のパフォーマンス低下が少ない
良い: Adobeソフトの相性が良い
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は18.7mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
きれいなキー配列で、Enterキーが右端にあります。
左下のCtrlキーとFnキーが少し小さいのが気になりましたが、許容範囲かなと思います。
ストロークが深く、適度な反発力もあって打ちやすいキーボードです。
ビジネス用モデルだけあって、キーボードはしっかり作ってあるという印象を受けました。
バックライト付きなので暗いところでもタイプしやすいです。
良い: キーの打鍵感が良い
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが1つです。
USB-Cの1つは電源ポートを兼ねているので常時使用できるポートは2つとなります。
USB-Cは2つとも高速転送が可能なThunderbolt 4になっています。
他にはHDMI、ヘッドフォンジャック、そしてSIMカードスロットが付いています。
SIMカードはNanoSIMです。
インターフェイスは平均的です
バッテリー、排気音、熱など
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約6.0時間でした。
バッテリーライフは平均よりも少し短めですが、本機は画面が非常に明るいのでその輝度を下げて使用すればバッテリーライフも延びるでしょう。
あと音は特に問題なかったですが、熱はちょっと気になりました。負荷時はキーボード面の上列部がやや熱くなります。長時間ひざの上で使用したりするのはやめておいた方がいいでしょう。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆ |
短所
・高い(価格)
・納期が遅め
長所
・圧倒的な高級感
・セキュリティがしっかりしている
・明るく色域の広いディスプレイ
・打ちやすいキーボード
一番の特長は高級感です。
上品で洗練されたデザインは文句の付けようがありません。
DELLのXPS 13やLenovoのThinkPad X1 Carbonといった各メーカーのフラッグシップ機と比較しても頭1つ抜けた存在だと思います。
1.15kgでCore i7搭載、ここまでなら13万前後が相場といったところでしょうか。そこにディスプレイの明るさやキーボードの質、LTE対応で17万。そしてこの圧倒的な高級感が最後にプラスされて20万となっています。
そう考えるなら決して高くない値段です。
コスパ重視派にとってはちょっと手が出ない価格帯かもしれませんが、手に入れたときの満足感は他では味わえないものがあると思います。
まさに高級ブランド品を買うような感覚に近いです。
見た目だけでなく、性能も良し。キーボードもきっちり手を抜かず作ってあるので道具のとしても優秀なPCであることは間違いありません。
1つ残念なのは納期が遅めという点。
世界的な半導体不足が続いているのでどのメーカーも納期は遅めです。納期まで1~2か月くらいかかるのを覚悟して早めに注文するのをおすすめします。
納期についてはHPストアのチャットを利用すれば、担当者がその場で教えてくれます。
また平日夜間と土日には4%OFFのクーポンが出ています。