HP ENVY x360 13-ay0000はRyzen4000番台を搭載したHPの2020年モデルです
重さは1.25kg、変形タイプの2-in-1です
一番の特徴は、パワーアップしたRyzenの性能と価格の安さ。
HPの10万円以下のノートPCでは人気ナンバーワンを誇る機種です
◆レビュー機のスペック
・モデル名: ENVY x360 13-ay0047AU
・CPU: Ryzen 3 4300U
・メモリ: 8GB
・SSD: 256GB (PCIe)
・ディスプレイ: 13.3型 FHD(1920×1080) 光沢、タッチ対応
・グラフィックス: AMD Radeon グラフィックス
・USB: USB-C x1 (PD対応)、USB-A x2
・インターフェイス:microSDカード、ヘッドフォンジャック
・バッテリー: 約17時間
・サイズ、重さ:約 306×194×15.5-16.5 mm、1.25kg
CPUの選択肢はRyzen3、Ryzen5、Ryzen7と3種類ありますがレビュー機はRyzen3です
メモリ8GB、SSD256GBとバランスのとれたスペックで価格は7.7万円(税込、送料込)。コスパはかなり良いと思います
Ryzen 3搭載で
メモリ8GB
SSD 256GB
というバランスの良い構成を選択できるのが良い点です
他メーカーだと、メモリは4GBのみというパターンが多いです
※価格は変動することがあるので最新情報はHP公式のオンラインストアで確認してください
◆見た目、デザイン
筐体カラーはナイトフォールブラック
アルミニウム合金で出来た筐体はシャープで高級感があります
1.25kgという重さは13.3インチノートの中ではちょっと重めですが、従来の13.3インチよりもコンパクトになってるので片手で簡単に扱うことができます。
液晶ディスプレイは光沢タイプで映り込みがありますが、ギラつきはありません
明るさ、視野角ともに平均以上です
輝度は300nitあります
ディスプレイ上部のWebカメラは使用しないときにキルスイッチでオフにできます。
キーボードのdeleteキーの2つ隣のキーがそのキルスイッチです。カメラへの回路を物理的に切るので、万が一不正なアクセスがあっても安心です。
◆ベンチマーク
CPUはAMD Ryzen 3 4300U
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、7912というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Ryzen 3 4300U 平均値7766
Core i7-10510U 平均値7083
となっています。
レビュー機はほぼ平均。期待どおりの結果でした。同時にIntelのCore i7よりも上だということが確認できました。
内蔵されているSSDのベンチマークをとると以下のようになります。
シーケンシャルリードは1500MB/sでPCIe接続のSSDとして遅め。4Kリード、ライトはライトが93MB/sと少し遅めでした。
ベンチマーク上では少し物足りないものの、通常使用では全く遅さは感じませんでした。
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約11.5秒でした。こちらはほぼ平均的なタイムでした
以上をまとめると、
CPUテスト: 平均
SSDテスト: 平均以下
起動: 平均
という感じ。
まずまず期待どおりの性能です
さらなるテストとしてPCMark10を実施しました。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測します
Essentials(一般的な利用) 7653 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6248 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 3778 (目安3450)
すべての項目で目安となるスコアを上回りました。
普通のノートPCでデジタルコンテンツ制作の目安をクリアできるのはRyzen4000番台のおかげでしょう。
しかもRyzen3でクリアするというのが驚きです。
厳密に言うと、画像編集や動画編集用として使うならメモリは16GBあった方が良いので、クリエイター向けPCとしては少し物足りないかもしれません。その場合は、最上位のRyzen7 + メモリ16GBのモデルをおすすめします
しかしRyzen3でも十分守備範囲は広いです。通常使いは超快適。画像編集も趣味レベル(Photoshop、LightroomでRAW現像)くらいなら快適にこなしてくれるでしょう。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.3mmです。
今回レビュー機は日本で販売されてるのは違い英語キーボードとなっています。
日本語キーボードと細部のキー配列が変わっていますがその点はご容赦ください。
英語、日本語で共通の点は、右端がEnterではなく、home、pgup pgdn、endボタンが並んでいるという点。
HPのキーボードと言えばこれですね。
慣れないうちは、backspaceの代わりにhomeを押すなど押し間違いがよく発生してしまいますが、少しずつ浸透してきたのでもうすでに慣れている人もいるかもしれません。
キーボードの打鍵感は、良くもなく悪くもないといったレベル。
キーストローク(キーの深さ)は1.3mmですが、実際にタイプするともっと浅く感じられます。好みにもよりますが、もう少しクリック感があった方が良かったです。
タッチパッドの広さは110 x 60 mm。二本指スクロールなど操作性はスムースでした。
◆インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが2つです。
USB-CはPower Delivery対応ですので、専用ACアダプタを使わずともUSB Type-Cケーブルでの充電が可能です
USB-Aは2つ。USB-Aで周辺機器と接続することが多い人には助かる仕様です
そしてmicroSDカードスロットです
HDMIはなく、ポート類は最小限に抑えられます。
◆バッテリー、排気音、熱など
バッテリーの駆動時間は公称値で17時間です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約8時間。まずまずの結果でした
薄型のせいか、筐体の熱は少し気になることがありました。熱いと言っても、体温くらいの熱さですが、ひざの上に置いて作業すると不快に感じるでしょう。
熱くなるのは主にキーボードの上部や裏面で、普段多く触るタッチパッドやパームレスト付近は通常温度を保っていて正常でした。
◆まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
起動・処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆☆ |
短所
・キーボードの打鍵感
長所
・Ryzen3でCore i7相当のパワー
・軽量
・明るいディスプレイ
・安さ
大きな短所はありません。
あえて言うなら、キーボードの打鍵感をもう少し改善できるとより良いです。
長所はいくつかありますが、やはり一番はRyzen3でCore i7-10510U相当の性能があるという点ですね。
これで価格は7.7万ですから、コスパはかなり高いです。
ディスプレイもキレイですし、全体の高級感もあります
人気が出るのも当然かと思います。
◆Ryzen3、Ryzen5、Ryzen7、どれがベストか?
Ryzen 7がすごい、いやいやコスパならRyzen 5でしょ、と言った評判も聞こえてきますが、個人的にはRyzen 3が最も万人向けだと思います。
文中にも書きましたが、Ryzen 3 4300UはCore i7-10510U相当のパワーがありますから、それで満足できないっていう人は少ないはずです。
Ryzen 5以上にしたとしてもネットや文章作成の作業効率が劇的に変わるわけではありません。Ryzen 5やRyzen 7にするなら、画像編集(RAW現像)、動画編集などを快適にやりたい人でしょう。
その場合はメモリも16GBは欲しいところです。
そういう意味で言うと、
Ryzen 5
メモリ8GB
SSD 256GB
という組み合わせはややバランスが悪いように感じます。
とういうことで、ぼくの結論(順位づけ)は
1.Ryzen 3、メモリ8GB、SSD256GB
⇒ 万人向け
2.Ryzen 7、メモリ16GB、SSD512GB
⇒ 画像編集、動画編集を快適にやりたい人
となります
せっかくRyzen 4000番台になったのでRyzen 5やRyzen 7を体感してみたいという気持ちもよくわかりますが、冷静に見るとお買い得はRyzen 3です
Ryzen 3モデルは納期も一番早いです