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HP ENVY x360 13-bfのレビュー。Spectre x360 14との比較

今回はENVY x360 13-bfのレビューです【貸出機材提供:株式会社日本HP】

HPのENVY x360 13-bfは2022年9月発売のノートPC

  • 13.3インチ 16:10ディスプレイ
  • 360度回転パネル。タッチ対応
  • CPU性能は少し抑えめ
  • 重さ1.33kg
  • 価格は12.4万~

という特徴があります。

実際に使ってみてわかった結論を書くと

良い
・高級感のあるデザイン
・有機ELディスプレイで色が鮮やか。
・打ちやすいキーボード、キー配列もGood

悪い
・クリエイター向けPCとしてみると少し性能が物足りない
・熱や静音性に関して期待ほど良くない

となります。

HPの上位機種であるSpectre x360 14-efと比較しながらレビューしていきたいと思います。

レビュー機のスペック

・型番: 13-bf0002TU
・Windows 11 Home 64bit
・CPU:Core i7-1250U
・メモリ:16GB (8GBx2)
・ストレージ: SSD 1TB
・ディスプレイ:13.3型 (2880×1600) OLED 光沢 タッチ対応
・USB: Thunderbolt 4 x2 (40Gbps)、USB-A x2 (10Gbps)
・インターフェイス: microSDカード、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6E対応
・顔認証あり、指紋認証なし
・Webカメラ: 500万画素、カメラオフボタン
・サイズ: 298×216×16.9mm
・重量: 1.33kg
・付属: HP 240 Bluetooth マウス

レビュー機はCore i7-1250Uを搭載したパフォーマンスモデルです。
ディスプレイは2880×1600ピクセルの有機ELでタッチ対応。

10月28日時点で15.4万円(税込、送料込)です。

1つグレードを落とすと、Core i5、メモリ16GB、有機ELのスタンダードプラスモデルが13.4万で購入できます。

コスパは優秀です。有機ELディスプレイでこの軽さでとなると安くても12~13万くらいはします。

※価格は変動することがあるので最新情報はHPのオンラインストアで確認してください

デザイン、ディスプレイ

ボディはアルミ合金を使用しており、剛性感があります。

カラーはナチュラルシルバー。

金属らしい光沢がありとても高級感があります。指紋が目立たないのも良いです。

上位機種のSpectreは丸みのあるデザインでしたが、本機は直線で構成されたシャープなデザインになっています。

ヒンジ部分の直線的なデザインはけっこう好きです。ENVYの刻印もいいですね。

360度回転パネルなので、自由に変形させて使うことが可能です。

重さは1.33kgというカタログ値。

実際に測定すると1.338kgとほぼカタログ値どおりの重量でした。
とは言え、この重さは持ち歩きには微妙に重いです。

モバイルノートは1.1kg~1.2kgが平均レベル。軽いものなると900g、800gという機種もありますからそれらと比較すると重めであることは否定できません。

ディスプレイは

・有機EL
・2.8K (2880×160)
・縦横比16:10
・光沢
・輝度(明るさ) 400nit
・色域 sRGBカバー率 100%、AdobeRGBカバー率 99%

という仕様です。

有機ELらしく、とても鮮やかできれいな色です。

2880×1600ピクセルと高精細なので画質も文句なしです。AdobeRGBカバー率も99%あるのでクリエイター向けの仕様になっています。

ただ光沢タイプなので映り込みはあります。

ペンにも対応していますが、ペンは別売りです。ペンは別にいらないよという人も多いはずなのでこれで良いかなと思います。付属で値段が高くなるより、選択肢があって安く買えるのはありがたいです。

ディスプレイ上部のWebカメラには500万画素。他社のPCが良くて200万画素なのでそれよりも高画素のカメラになります。

人の顔を自動で認識して明るさを調整してくれる機能がついていて便利です。
ぬいぐるみだと200万画素のカメラとはっきりとした差はないように感じました。

カメラをオフにできるボタンがキーボードに付いているのも安心できる点です。

良い: 高級感のあるデザイン
良い: 有機ELで色が鮮やか。色域も広い
微妙: ちょっと重い

ベンチマーク

CPUはCore i7-1250U。PassMarkベンチマークテストを実施したところ、

シングルスレッド: 3846
マルチスレッド: 16776

というスコアでした。

シングルスレッドがとても優秀です。マルチスレッドも期待以上です。

同じインテル第12世代のCore i5-1240Pよりも下。第11世代のCore i7-1165G7よりは上という結果でした。

リアルなアプリの快適度

当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。

PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。

結果はすべての項目で目安となるスコアを上回りました。

Essentials(一般的な利用) 9068 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6369 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 4584  (目安3450)

HPの上記機種Spectre x360 14と比較してみます。

Spectre x360 14はCore i7-1255Uで、本機はCore i7-1250U。同じCPUではありませんが、スコア的にはとても似ています。実際使っていても、両者の体感的な差は全く感じられません。ベンチマークでは、最後の動画編集のスコアが約23%と差が出ました。

PhotoshopでRAW現像

PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました

その結果が下の表になります。

第12世代インテルで比較すると遅めですが、同世代のRyzen 7-6800Uと同じくらいの速さです。現像以外の作業も総じて快適です。

Davinci Resolveで動画編集

180秒のFHD動画(30fps)の書き出しにかかった時間を計測してみました。

2022年に出たクリエイター向けPCの中では遅めです。
Spectre x360 14よりは速いです。

動画編集は書き出し以外の作業も負荷が高いので、総合的には少しパワー不足かなという印象です。

軽めのゲーム

最後にファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)でベンチマークをとってみました。

1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは6260、「やや快適」という結果でした。平均fpsは43fpsでした。

悪くないスコアですが、やはりゲーミングPCとは雲泥の差があります。

以上のことをわかりやすくまとめると

○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
〇画像編集(RAW現像)
△動画編集
×ゲーム

という目安になります。

性能は良いですが、2022年発売のPCの中では物足りない感じがありました。

良い: 画像編集までなら快適
微妙: Core i5-1240PやCore i7-1260Pよりも性能は下

キーボードの配列と打鍵感

キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.3mmです。

配列はオーソドックス。キーの形状も良いです。

海外メーカーはEnterキーまわりの形状が歪になってる機種も多いですが、本機はきちんと日本仕様になっているので見た目にも美しいです。

打鍵感も良好。押した瞬間はクリック感があり、すぐにスッと沈んでいくキーになっています。

あとバックライトも付いているので暗い場所でタイプするときも困りません。

良い: キー配列、打鍵感ともに良い

インターフェイス

USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが2つです。

USB-CポートはThunderbolt 4なので

・高速 40Gbps
・PD対応 (typeC充電可能)
・映像出力可能

と万能ポートです。

他はmicroSDカードスロット、ヘッドフォンジャックが付いています。

13.3インチノートとしては優秀な拡張性です。

ただHDMIがないので、プレゼンに使う場合は変換アダプターが必要になると思います。

良い: Thunderbolt 4が2つ
悪い: HDMIなし

バッテリー、排気音、熱など

バッテリー容量は66Whと平均より大きい容量です。 

以下の条件でテストしてみました。

・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し

結果は約10.0時間でした。

バッテリーライフはとても優秀です。

しかし熱や音に関してはやや問題ありです。

負荷をかけたときにはファン音がそれなりにします。あとキーボードの右サイドが少し熱くなります。

熱くて困るというわけではないですが、ちょうどEnterキーの近くなので手にふれる機会が多いです。

熱と音に関しては、上位機種のSpectreの方が圧倒的に良く出来ていると思いました。

一般的な基準で考えても、省電力タイプのCPUを搭載しているのだからもうちょっとという感じはしました。

良い: 長時間バッテリー
悪い: 熱や音は少し気になる

評価まとめ

短所
・クリエイター向けPCとしてみると少し性能が物足りない
・熱と音が少し気になる

長所
・高級感のあるデザイン
・有機ELなのでコントラストがしっかり。色が鮮やか。
・打ちやすいキーボード
・価格抑えめ

性能と熱でマイナスをつけましたが、プラスも多いので評価は高いです。

高級感のあるデザインと有機ELディスプレイの美しさ。それが13~15万で買えるというのは大きな長所です。

あえて注文をつけるなら、もっとビジネス仕様にしてくれても良かったなと思います。

デザインはそのまま
性能もそのまま
FHD液晶
1.1kgくらいまで軽く

で12万くらい。

これぐらいの方がコンセプトも明確ですし、上位機種のSpectreとの差別化にもなったはずです。

上位機種のSpectre x360 14と比較すると以下のような表にまとめられます。

これを見るとやっぱりSpectreの下位互換という印象がありますね。

Spectreが勝っている点が多いです。

ただENVYは安さで大きくリードしていますから、魅力は大きいです。

HPストア ENVY x360 13-bf

Spectre x360 14のレビュー記事はこちら。

【レビュー】予想以上に良い! HP Spectre x360 14-efは流石の完成度。

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