今回はLegion 7i Gen 9のレビューです【貸出機材提供:Lenovo】
Lenovo Legion 7i Gen 9は2024年2月発売のゲーミングノート。
- ゲーミングノートの中では薄型、重量は2.24kg
- CPUはインテルCore i7-14700HX
- グラフィックスはRTX 4060 Laptop (RTX 4070も選択可能)
- 16インチ 3K液晶
- フルサイズSDカードスロット付き
という特徴があります。
性能は高く、ゲーム、クリエイティブワークなど負荷の高い作業を快適にこなせるPCです。
くわしく見ていきましょう。
レビュー機のスペック
・OS: Windows 11 Home 64bit ・CPU: Core i7-14700HX ・メモリ: 16GB オンボード ・SSD: 512GB ・グラフィックス: RTX 4060 Laptop ・ディスプレイ: 16インチ 3200x2000、非光沢、165Hz ・USBポート: Thunderbolt 4 x1、USB-C x2、USB-A x2 ・インターフェイス: SDカード、HDMI、ヘッドフォン ・Webカメラ: FHD(1080p)、電子式プライバシーシャッター ・顔認証あり、指紋認証なし ・重量: 2.24kg
レビュー機は3K液晶、RTX 4060搭載のモデル
7月31日時点の価格は23.0万円(税込、送料込)です。
メモリを32GBに、グラフィックスはRTX 4070までアップグレードできます。
※価格の最新情報はLenovoのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはエクリプスブラック。
ThinkPadに似た黒で、かなり高級感があります。
ゲーミングノートとしては薄型で、デザイン性もまずまず。
ボディも金属製でしっかりとした作りです。天板に刻印されたLEGIONのロゴが光を反射してかっこいいです
背面は少し出っ張っています。
重さは2.24kg
持ち歩きは難しいでしょう
ACアダプターは230Wで、通常のノートPCの3~4倍くらい大きさです。デスクの上にあるとスペースをとります。
ディスプレイは
・3200×2000
・縦横比16:10
・非光沢、液晶
・リフレッシュレート 165Hz、G-SYNC対応
・輝度(明るさ) 450nit
・色域 DCI-P3 100% (sRGBカバー率に換算すると133%)
です。
質の高い液晶を搭載しています。ゲーミングPCであると同時にクリエイター向けPCであることがよくわかります。
DELL Inspiron 14 5435と比較すると以下のとおり
本機の方が断然発色が良いです。
非光沢液晶なので映り込みがなく、長時間使用していても疲れません。
良い: 高級感のあるデザイン
良い: 明るく色域の広いディスプレイ
微妙: ACアダプターが場所をとる
Webカメラ
Webカメラの解像度はFHD(1080p)。
写りは良好です。
ただもう少し明るくてもいいかなと思いました。
プライバシーシャッターは電子式。ボディ側面にあるスイッチでオフにできます。
ベンチマーク
CPUはCore i7-14700HX
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3700
マルチスレッド: 40305
という結果でした。
マルチスレッドのスコアが高いです。
期待されるスコアよりも10%も高く、これまでレビューしたノートPCでは過去最高のスコアでした。
◆PCMark 10
PCMark 10はリアルなアプリを使用したベンチマークで、一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。その結果は以下のとおりです。
ここで注目したのはデジタルコンテンツ制作のスコア
CPU | GPU | Digital Contents Creation | |
Legion 7i Gen 9 | Core i7-14700HX | RTX 4060 | 11751 |
Yoga Pro 7i Gen 8 | Core i7-13700H | RTX 4050 | 9520 |
IdeaPad Pro 5i Gen 9 | Core Ultra 7 155H | Intel Arc | 9132 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 9036 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 5 125H | Intel Arc | 7991 |
ROQ 16IRH8 | Core i5-13420H | RTX 3050 | 7391 |
流石はゲーミングノート。他の薄型ノートよりは頭1つ抜けた存在です。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
機種 | CPU | タイム(秒) |
DELL G15 5530 | Core i7-13650HX | 4.9 |
Yoga Pro 7i Gen 8 | Core i7-13700H | 5.1 |
Legion 7i Gen 9 | Core i7-14700HX | 6.1 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | 6.7 |
OMEN 16 | Core i7-13700HX | 6.7 |
IdeaPad Pro 5i Gen 9 | Core Ultra 7 155H | 7.5 |
こちらは思ったほど速くありません。Photoshop自体は快適ですが、ハイエンド機の中では平均より少し速いくらいです。
◆AIによる画像処理 (Photoshop)
Photoshopのノイズ除去はAIを利用した新機能です。この処理にかかる時間も計測しました。
機種 | CPU | グラフィックス | タイム (秒) |
Legion 7i Gen 9 | Core i7-14700HX | RTX 4060 | 12 |
Legion Pro 5i Gen 8 | Core i7-13700HX | RTX 4070 | 14 |
OMEN 16 | Core i7-13700HX | RTX 4060 | 15 |
DELL G15 5530 | Core i7-13650HX | RTX 4050 | 16 |
Yoga Pro 7i Gen8 | Core i7-13700H | RTX 4050 | 21 |
Yoga 7 2-in1 Gen9 | Ryzen 7 8840HS | Radeon 780M | 58 |
IdeaPad Pro 5i Gen9 | Core Ultra 7 155H | Intel Arc | 103 |
こちらは最速タイムでした。ただ他のゲーミングノートとの差はわずかです。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。
機種 | CPU | タイム (秒) |
DELL G15 5530 | Core i7-13650HX | 31 |
Legion 7i Gen9 | Core i7-14700HX | 32 |
Omen 16 | Core i7-13700HX | 37 |
IdeaPad Pro 5i Gen9 | Core Ultra 7 155H | 39 |
Yoga Pro 7i Gen8 | Core i7-13700H | 42 |
Inspiron 13 5330 | Core Ultra 125H | 71 |
書き出しも過去最高タイムでした。本機はグラボ搭載なので、作業内容をリアルタイムに反映するような場面でも快適です。
◆ゲーム性能
中量級ゲームのFF 14 黄金のレガシー(2024年発売)の結果は以下のとおり。
1920×1080 最高品質という条件でスコアは156212、「非常に快適」という結果で平均フレームレートは113fpsでした。解像度を2.5Kに上げると58fpsまで下がります。
ゲームの内容にもよりますが、中量級のゲームだとFHDでプレイするのが良いでしょう。それなら最高品質でも快適です
重量級のゲーム、FF 15でのベンチマークはこんな感じ
FHD、高設定で「とても快適」。平均フレームレートは93fpsでした。重めのゲームもまずまず快適です。
ストリートファイター6のベンチもとってみました。
解像度は2.5Kで、平均フレームレートは60fpsと「快適にプレイできます」という結果です。
3DMark Time Spyのベンチマークは以下のとおり
スコア9748と優秀です。
FHDならほとんどのゲームを快適にプレイできます。2.5Kなら軽量~中量級のゲームに限定した方が良さそうです。RTX 4060の最大グラフィックスパワーは140Wに設定されています。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞 ○オフィス系ソフトで事務作業 ○画像編集 ○動画編集 ○ゲーム
という快適度になります。
ちまみに最近ニュースとなったインテル第14世代の不具合はデスクトップ用の話で、本機には影響がないです(筆者が検証したかぎり)
良い: レビューした中では過去最高の性能
微妙: PhotoshopのAI処理などでは他機種との差がそこまで大きくない
キーボードの配列と打鍵感
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。
EnterキーとBackspaceキーが横をくっついてしまってるのは残念ですが、海外メーカーの配列は大体こんな感じなのでもう慣れてしまってる人も多いでしょう。
ストロークは平均的、打鍵感もクセがなく良好です。
微妙: キーの形状
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが3つとUSB-Aが2つ。USB-Cの1つはThunderbolt 4で、他の2つもPD対応です。
あとはSDカードスロット、HDMIが付いています。
デジカメ用のSDカードスロットがあるのはポイント高いです。これが付いているゲーミングノートは意外と少ないです。
一方で有線LANポートがないのは残念。回線の速さや安定性を求めるゲームでは有線LANポートが付いてる機種が多いです。
どうしても必要という場合はUSB-Cポートを1つ潰して変換アダプターをつけるといいでしょう。
良い: USBポートが5つ
良い: SDカードスロットあり
悪い: 有線LANなし
排気音、熱など
負荷時のファン音は大きめ。外で強めの雨が降ってるようなザーという音です
その音圧は52デシベルでした。
薄型ノートの平均は35~40デシベル
ゲーミングPCの平均は50デシベル
ゲーミングノートとしては普通ですが、一般的な感覚からするとちょっとうるさいと思います。
ゲーム中はヘッドフォンがあるといいでしょう。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
悪い点
・ファン音が大きめ
・ACアダプターが場所をとる
良い点
・ゲーミングノートの中では薄型でデザインもいい
・FHDなら重めのゲームもOK
・AI処理や動画編集などにも使える
・色域が広いディスプレイ
・フルサイズのSDカードスロット
ファン音が大きいというのが欠点ですが、性能は文句なしです。
AI処理、動画編集などクリエイティブワークもいけますし、FHDなら重めのゲームも快適です。
あと、ゲーミングPCの中では見た目がスタイリッシュです。ディスプレイも3Kで、DCI-P3 100%(sRGBカバー率に換算すると133%)の高い品質のものを搭載しています
これで価格は23.0万円(税込、送料込)
見た目とディスプレイにこだわらないなら、もっと安い機種はありますが、本機のようにクリエイティブワーク、ゲーム両方いけるというPCの中ではコスパはとても優秀です。
ゲームだけでなくクリエイティブワークもやりたい人向けのPCです
CPU | Core i7-14700HX | Core i7-14700HX | Core i7-14700HX |
メモリ | 16GB | 16GB | 32GB |
グラフィックス | RTX 4060 | RTX 4070 | RTX 4060 |
ディスプレイ | 3K sRGB 133% | 2.5K sRGB 100% | 3K sRGB 133% |
SSD | 512GB | 512GB | 1TB |
価格 | 23.0万 | 28.3万 | 26.3万 |
レビューで紹介したモデルだと23.0万。
RTX 4060を4070へアップグレードすると28万になります。
正直+5万払う価値があるかどうかは微妙です。
それよりはメモリを32GBへアップグレードしたり、SSD容量を1TBにする方がおすすめです。
ゲームよりもクリエイティブワーク中心という人には、IdeaPad Pro 5i Gen 9もいいでしょう。
Core Ultra 7 155H、メモリ32GB、SSD1TBで17.5万円(税込、送料込)とコスパも良いです。
以下のレビュー記事を参考にしてみてください。